やめられないヒトたち

息子のタブレット教材をやめてしまった。

2年ほど続けただろうか。現在小3の息子は、特に親が介入することなく一人で5年生の問題まで進めていたのだから大したものだ。だからこそ、このアドバンテージをもっと活かしてくれたらいいのにと、親としては後ろ髪引かれたのは確かだ。

とはいえ、最近は「今日はやったの?」と口うるさく言うことが増えた。

「やめたいならやめてもいいけど、どっちにするのかちゃんと決めなさい」

こう言うと、決まって子どもは「続ける」と言うものだ。

一度始めたことは続けて欲しいという親の雰囲気を感じ取って、子供はそう言う。

でも、仕事をしていてつくづく思うけど、大人になればなるほど、特に日本人は、一度始めたことをやめるのが下手だ。サンクコスト(支払い済みで回収できないコスト)を思って、一度始めたことをやめられない、そんな大人が山ほどいる。

みんな、一度始めたことのやめ方がわからないのだ。やめることは悪だと思っている。

かくいうわたしもそんな大人の一人だ。でも最近色々な人を見て思うのは、「やめる」というカードを持っている人は、しなやかでスマートだ。自分一人でちゃんとものごとを締めくくるすべを知っている。やめることができるから、新しく何かを始めることもアッサリやってしまう。

だからこそ、自分の子どもたちにはわたしなんかよりもっと、かろやかに、彼らの人生を生きて欲しいと思う。

いろんなことを始めて、そして「やめる」ということを、ちゃんと子どものうちに経験しておくことが必要なんじゃないかなと思う。

そして親としても、やめることを後ろめたく思うのをやめようと思った。人生は一度きり。嫌なことに使っている時間がもったいないよね。


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