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夫29才で結核になる①

正しくは、もっともっと若い頃に、さらに言えば大学生の頃に結核になった可能性がとても高い。

なぜなら、私と夫が出会ったのは夫が大学を卒業する年。
そして結婚(私は再婚)したのが、夫が24才の時。
その頃、就職した先であった健康診断で肺に影があると言われ精密検査となる。
が、子供の頃に肺炎にでもなった痕だろうと診断される。
その後も健康診断で肺の影を指摘されるも、肺炎の痕だと毎回言われていた(全て別の病院)。

夫は健康優良児で子供の頃に肺炎になったことはなかったらしい。
唯一心当たりがあるといえば、大学生の頃、インフルエンザ(だろう)になり胸がとても苦しかったという記憶だけで、それも未診断だった。

28才の頃、介護の仕事をしていた夫は微熱と倦怠感が続き、吹き出物も増えるという謎の症状に悩まされていた。
施設に併設している病院で検査をしても大きな異常はなく、抗生剤を飲んでも効かない。
数ヶ月続いた頃、また健康診断があった。
いつもと同じように肺の影を指摘され、これまたいつもと同じように再検査になった。

でも今回は、再検査に指定された病院の先生が「これは結核の疑いがある」と診断されたのだ。

結核?
どこでどうやって?
今の時代、結核ってあるの?
なんで?
が、率直な気持ちだった。

すぐにツベルクリンを受け、48時間以内に反応が出るか様子をみるように言われたけど、数時間後には大きな反応が出た。

病院から保健所にもいき、その後も色んな検査があった。
喀痰検査で、排菌していないことがわかり、隔離される事なく服薬治療で、今まで通りの生活で良いこともわかった。

私たち家族も保健所で胸のレントゲンと血液検査を受ける。
三女だけはまだ幼かったため、血液検査は負担が大きいだろうから、他の家族に何か異常が出たら受けることにしましょうと言ってもらえて血液検査は受けなかった。

もし排菌していたのなら、家族みんな感染している可能性が高い。
喘息がある次女なんて特に症状が出そうなもんだけど、誰もが健康だったからひどく心配はしていなかった。

再検査で診てもらった病院から、結核(隔離)病棟があるさらに大きな病院に転院する。
幸い、うちからそれほど遠くなく通院も楽で助かった。

保健師さんの話だと、今では胸のレントゲンを見ただけで結核だと診断できる先生が減っているのだと言われていた。
症状が出ていればまだ疑いが持てるけど、夫のようにハッキリと疑える症状もない場合、胸の影は過去の肺炎の跡に見えるとか。

夫の場合、まだ若いこともあり何年もの間、見過ごされてきたのだと思う。
何年もの間、排菌していなかったのが奇跡。

いつどこで結核に感染したのか全くわからないけど、まさか結核だなんて思いもしなかった。



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