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木刀とタバコ

【暴力の描写があります】


私に向けられた木刀。
その木刀が振り下ろされるまでに、拳が私の肩に衝撃を与えた。

その雰囲気と、私の体が大きく揺れたことで抱いていた長男が泣き始めた。
Kは、
「ほら、泣き出したじゃん。」
と私を責めた。
そして吸っていたタバコの火を私の手の甲に近づけた。

「どけなきゃ根性焼きするよ?」
と、私を試していた。
どかしたところで許してくれるわけじゃない。
それにまだ幼い子供がいるところで、当たる可能性のある暴力を振るったことで私は怒りでいっぱいだった。

手の甲にはタバコの火が当たり、そして反対の腕には木刀の先が向いた。
肘から先はテーブルの上にのせていた私の腕。
そこを目掛けて木刀が振られた。

Kは目を剥き血走っていた。
なぜそうなったのか覚えていないけど、あの顔は覚えてる。

泣けばKのDVはもっと酷くなる。
やめてと言ってもやめはしない。
私はただただ耐えた。
何度も何度も同じところに振り下ろされる木刀。

泣くことも声を上げることもしなかった。
それが1番早く終わりが来る。

私の腕は変色し酷く腫れ上がった。
次の日の朝、一晩経ってさらに腫れた私の腕をKは見て見ぬ振りをし仕事に出かけた。

私はこっそり湿布を貼り、自然と治るのを待つしかなかった。

このとき、私は初めて離婚が頭をチラついた。
1歳の長女と0歳の長男を連れてここを離れないと、そのうちKの暴力は子供たちに向くかもしれない。
向かなかったとしても、巻き添えになるかもしれない。

もう私は耐えれないかもしれない。

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