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伊藤俊治著「寫眞史」を読んで

 来年開催予定ののワークショップ(まだ参加者はいない)に向けて、合評だけでなく、何か伝えられることはないか考えて、写真史をもう一度学び直してみようと思いました。去年、2Bchannelの渡部さとるさんの世界美術史、写真史の講座を受講したが、まだ人に伝えられるほど自分の中に入って来ていなくて、もう一度、写真史の勉強をしたくなりました。
 そこで、確か本棚に写真史の本があったようなと思い出して探してみると、本棚の端っこにあった伊藤俊治さんの「寫眞史」を見つけ読み始めました。
 実はこの本、過去2度読むことに挑戦して序盤の章で、読むことを断念していた本なんです。理由は、なんか眠くなってくるんです。(伊藤先生申し訳ございません)今回もその心配をしつつ、本棚から本書を取り出して読み始めました。
 カメラ・オブ・スキュラを使って絵を描き遠近法を得ていた話や写真術が、発明されたパリの社会情勢を踏まえて語られる。
 読み進めていると、ただ写真(写真術)が発明された順番に話が進められているだけでなく、人の「見る・視る・観る」欲求の移り変わりを、写真を通して歴史が進んで、「見ること」を定義していく流れになっていることに気付く。
 過去2回は、そんなことに気付かなかった。そのせいか読むスピードが上がり2日間で読み終えてしまった。
 写真発祥の地パリ(ヨーロッパ)から始まり、産業革命や2度の大戦を経て、さらにカメラや感材の技術的な進歩。写真を使っての表現の中心地が、ニューヨーク(アメリカ)に移っていく中で、どのような状況(環境)で、写真家が何を視て、何を伝えいったのか。勉強になった。

 この本は、1992年に発行された本で、まだデジタルカメラが、この世に出ていない時に書かれた本。30年経った現在では、180度変わってしまった感があるが、写真を取り巻く環境が、この著書を読んでみると短いスパンで動いていることを認識できた。
 しかし、どんなに時代や環境が変わっても人の「見る」欲求って変わらないんだなと改めて認識した。

 さてどうやって学んだことをアウトプットしていくか、これから考えます。それとデジタル時代に突入した写真の現在の勉強もしていきたいと思います。

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