【BiSH】Bye-Bye show for Never 6/29 ライブレポート
美醜繚乱
大晴天。
朝早くから清掃員が駆けつけた。
物販は6時間待ち。集合写真、ファン企画(後述)の様子も伺えた。
そして18:01開幕。
セトリ
1.BiSH -星が瞬く夜に-
2.ZENSHiN ZENREi
3.SMACK baby SMACK
-自己紹介MC-
4.HiDE the BLUE
5.FOR HiM
6.JAM
7.デパーチャーズ
-MC-
8.遂に死
9.stereo future
10.My landscape (ストリングスアレンジver.)
11.サヨナラサラバ
12.NON TiE-UP
-映像演出-
13.スパーク
14.Life is beautiful
15.FREEZE DRY THE PASTS
16.ぴょ
17.ぴらぴろ
18.DA DANCE!!
-映像演出-
19.プロミスザスター
20.LETTERS
-MC-
21.GiANT KiLLERS
22.MONSTERS
23.サラバかな
-MC-
24.ALL YOU NEED IS LOVE
アンコール
25.オーケストラ
-MC-
26.beautifulさ
27.BiSH-星が瞬く夜に-(バンドメンバーオールスターズ ver.)
ダブルアンコール
28. Bye-Bye Show
(※Twitterで色んな方々が上げてくださってるセトリを反映しています。ありがとうございます。)
注釈
ライブレポートですが、以降曲名、メンバー名は正式名称ではなく略称や愛称を使用させていただく場面もあります🙇♀️
実は、筆者はかくかくしかじかで「BiSH-星が瞬く夜に-」の2番までは席に到着していない。ので、席を探している時にチラッと見た冒頭のうさぎの顔しか分からず、登場シーンを知らない。ライブレポートとして、早速欠陥があることに陳謝しつつ、以降は印象的な曲、箇所をできるだけ鮮明にレポートしていくことをここで宣言する。
ただ席を探している時に聴いた大音響、大歓声で、BiSHとしてのラストステージが始まったという感覚が一気に押し寄せ、涙が止まらなかった。散りゆくBiSHを目の当たりにすることに対して、初めてしっかり認識できた。
最初数曲は盛り上げ曲(「ZENSHiN ZENREi」「SMACK baby SMACK」)、清掃員なら絶対大好きな曲(「HiDE the blue」)が並ぶ。
自己紹介を聞いて、改めて「ももこ組.company」(表記は語源のでんぱに寄せてみた)に就職したいと思ったので、生粋のオタクだが、もし出版会社とか立ち上げるなら募集かけてほしい笑
続いて「FOR HiM」。今更だが、著者はモモコ推しだ。「FOR HiM」はモモコ推しとして外せない曲の1つは落ちサビの「ひっくり返りそう 内臓」。大事なモモコ落ちサビパートだ。
「世界一綺麗なBiSH」(※12/22開催、解散発表公演)の「FOR HiM」は、映像がYouTubeで公開されている。
12/22の"内臓"は、公演名通り「世界一綺麗」だった。歌が苦手と自称していた彼女がピッチも音程も外さず、ロングトーンを披露する。筆者は現地に赴いたわけでもないのに、鳥肌と涙が止まらなかった。
話は戻り、東京ドームの"内臓"は音程こそ外れていた。でも多分8年の中で1番かっこいい"内臓"だった。音程も合っていなかったけれど、それでも彼女の小さい体から絞り出した、そして崩れ落ちるまで叫んだ最後の"内臓"。
この"内臓"で涙腺崩壊は免れなかった。
そして「JAM」。完全にモモコ推しを刺しにきていた。これは全部の曲に言えることだが、特にJAMのようなしんみりした曲は、メンバーが1人1人が言葉をなぞるように、小説を読むように、歌詞を咀嚼し表現してくれたように感じる。
「デパーチャーズ」は多分初めて生で聴けたが(嘘かも)、拳をあげるダンスは簡単なのに一体感があり、さすがアイナの振り付けは天才だなと感じざるを得なかった。
「遂に死」は私がBiSHに出会った頃の曲なので、単純に見れて嬉しかったのと、アメとムチの中ならこの曲やるかな?と思ってたので、待ってました!という感覚だった。
「私とBiSH」の記事でも記述したように、著者がBiSH知った映像の1つが幕張メッセの「stereo future」だ。あのステージは、清掃員の中でも神演出と讃えられていた。
特にアユニが「痛み感じるままで」を歌った後、センターステージ(以下センステ)に全速力で走り、息切れすることなくまたパート部分を歌う姿に「かっこいい」「すごすぎる」などのコメントで溢れかえった。あと1年弱早く知っていれば、生で見れたのに…DVDを見ながらずっとそんなことを思っていた。
「stereo future」のイントロが流れた時、それまでの熱気を超える大歓声が湧き上がった。そして、遂にその時が来た。
1サビが始まるとメンバーがセンステに向かって全速力で走っていた。相変わらずアユニが先陣を切り、他メンバーも息切れなしでパフォーマンスを披露したのだ。
著者は、涙が止まらなかった。理由は2つある。
1つはこの演出が見れた幸せ。DVDで、YouTubeで何度も見たあの光景が目の前で披露されている。1番の後悔の念が晴れた。「神演出」に圧倒された。
もう1つ。この演出は幕張の特別仕様な上、賞賛されていたことも本人やスタッフの耳にも届いているであろう。
「絶賛されていた演出をもう一度おこなう」=「最後、全てを出し切るステージ」
であることを改めて突きつけられてしまった。
終わりが近づいている。もう目の前に。その事実が、憎くも素晴らしいステージで再確認させられてしまった。
「My landscape」のストリングスアレンジで、終焉の実感はさらに深みを増した。
「サヨナラサラバ」「NON TiE-UP」でボルテージはさらに上がる。特にノンタイの炎演出は周りでも写真を撮っている人が多かったように思う。
山田健人氏とWACKの相性は本当に良い。私はBiSのMVが大好きだが、山田監督のMVは何度もリピートしてしまう。
ここで、映像演出として山田イズムが爆発する。実は、山田監督のライブの映像演出は、昨年のBiSH FES(2022年12月20日)で初めて目の当たりにした。映像はもちろん、曲の構成も完璧だった。
今回、また山田氏の演出を見れてとても光栄だ。曲に関しては後述するが、私は特に山田演出×「FREEZE DAY THE PASTS」が大好きだ。
「スパーク」は現体制になって初めて披露した曲。著者はアユニお披露目の時はBiSHを知らなかったが、6人で始まったこの曲を聴けるのが最後という事実に打ちのめされた清掃員は多かったことだろう。
「Life is beautiful」「FREEZE DAY THE PASTS」は相反する楽曲(実際、Life is〜の対抗馬としてリリースされたのは、ノンタイだが)。しかし、両方に当てはまる特筆すべき点は、リンリンの表現力だろう。
当時を知っている清掃員の方が詳しいだろうが、曲やアー写を見る限り、チッチやリンリンが今のキャラクターを確立させたのが、アユニ加入前後ではないかと推測している。
リンリンの表現力は、年々力をつけていった。先にリリースされた「Life is〜」は、男女が出逢い、死別し、それでもお互いを愛し続ける人間の一生を、リンリンとアユニで描く。先に亡くなるアユニとの寂しさから、もがき苦しむリンリンの絶望。その先で再会した時の表情1つ1つが繊細で、特にこのドームでは心打たれた。
「FREEZE DAY THE PASTS」はリリース直後のインタビューでアイナが「椅子を使った曲になっていて、リンリンに思い切り表現してもらいたい楽曲だった」(ニュアンスだが)と述べていた。
アイナの予想通り、むしろそれ以上にリンリンは覚醒した。メンバーを支配下に置いて、自分は椅子という縛られた空間でしか生きていけない。この残酷さと悲壮感。そしてただならぬ気迫はリンリンにしか出せないだろう。
(これは個人的意見だが、アートや芸術を中心に活動していくことを決めた、リンリンもといMISATO ANDO氏だが、著者的にはこの表現力を演劇系にも活かしてほしいなと願ってしまう。もちろん芸術系の活動も応援していきたい。)
「ぴょ」「ぴらぴろ」「DA DANCE!!」は盛り上がる上、モモコ作詞が多くて、オタクとしては喜ばしい限りだった。ドームならではのトロッコを用い、メンバーもアリーナ席から4階の隅まで沢山見てくれて、改めて清掃員が大切にされているなと感謝できた。また、ダンスやコールが多い曲で楽しいラインナップだった。
「プロミスザスター」は、BiSHのなかでも清掃員の中でも大切な曲。メンバーと清掃員が描く星は、とても美しく、切なく、でも個人的に1番出し切った感があった曲だった。
「LETTERS」は、コロナ禍にリリースされ、1年弱のライブ禁が明け初めて披露された曲でこちらも思い入れの多い清掃員が多いことだろう。
今は声出しが可能になったけれど、「LETTERS」はやはり当時の清掃員を救った曲という立ち位置は解散まで変わらず、ペンライトも振らず、しっかり目に焼き付けて胸に刻んだ。会場全体もその空気感だった。
「GiANT KiLLERS」「MONSTERS」はセンステで披露。テンションもさらにさらにぶり上がり、ジャイキラではメンバーが周回しながら歌ってくれたため、メンバー1人1人がよく見えた。
「サラバかな」はやはりCメロが大事だろう。
去年末解散発表をした時は、「解散ライブなのに声出しできないのかな…」という一抹の不安があった。
しかしガイドラインも変わり、無事に声出しが出来るようになった。ある雑誌(先月BiSH特集の雑誌が沢山発行されていて忘れてしまった)のアンケートでは、解散ライブで聞きたい曲の一位に選出されていて、実際ライブでも大盛り上がりだった。
「その手を離さないよう」がみんなで合唱できたのが本当に嬉しかった。やはりBiSHの声出しライブは最高なのだとここでも実感した。
本編ラストは「ALL YOU NEED IS LOVE」。メンバーも清掃員もこの曲で沢山の思い出を作り、肩を組み、大声で歌った。歌詞は担当パートに合わせてメンバーが手書きで書いたものがモニターに映し出された。
最後にアイナがコールを求めるも本人が感極まり、こちら側もウルっときてしまった。清掃員のすすり泣く声も沢山聞こえた。
まだ、大事な曲が数曲あるから、最期の曲ではない。そう分かっていても徐々に、そして確実に近づくお別れに涙せずにはいられなかった。
一度メンバーが去ってから、アンコールまで8分間。清掃員の歓声は鳴り止まなかった。
そして、アンコール。白く無垢な印象を与えるワンピースに、お掃除モップを想起させるモコモコがついた「BiSHらしい」「ラストにふさわしい」衣装。そしてヘアアレンジも変えて登場した。
「オーケストラ」。1番の名曲を持ってくることで改めてアンコールまで来た、来てしまったという思いと葛藤する。
周りの清掃員もそういう思いだったろう。でもこちらも一貫して精一杯、愛と感謝を届け続けた。Cメロのアイナパートで推しカラーから一転、一斉に点灯される5万本以上の赤いペンライトの海は想像をはるかに超える絶景だった。
1人1人のMCが公演後初めて設けられた。MC内容は他インタビューでも詳細が掲載されそうなので、あえて詳しく記述はしない。(モモコMCだけ微妙に触れたツイートをしたので、ここに添付させてもらう。)
この時から清掃員のすすり泣く音が増え、会場全員が一時悲しみや喪失感に包まれた。メンバーも泣きながらも愛や感謝を伝えてくれた。こちらが感謝を伝えたいと思ったし、それを残りわずか数曲でしっかり伝えようと決めた。
「beautifulさ」はライブの最後の方に持ってくる曲。とても楽しいし、盛り上がった。ボルテージという言葉を多用しているが、この曲と星また(次曲)が1番の盛り上がりだった。メンバーは曲中で大好き!とかありがとう!とか沢山言ってくれた。暖かい空間だった。
でも、チッチやアユニなどのメンバーの涙に誘われ、笑いつつも沢山泣いた。楽しもう!という気持ちと裏腹に、「時が止まればいいのに。」そんなことを何度も何度も何度も思った。
アンコールラストは「BiSH-星が瞬く夜に-」。メンバーと清掃員としたいつもの4倍続いたヘドバンは楽しく、宇宙一大きい一体感を生んでいた。
ラストはバンドメンバーも前に出てきて、恒例の「We are BiSH!!!」で締めくくられた。
もちろんファンは分かっていた。まだ「あの曲」をやっていない。そう分かっていても本編とアンコールの終わりは沢山泣いた。だから、ダブルアンコールの時は笑顔で見送ろう。待機中そう感じた。
遂にこの時がやってきた。「Bye-Bye show」のフォーメーション、イントロが流れる。背後に桜が咲き誇る。
みな最期を目に焼き付けよう。愛と感謝を有志企画の桜(ピンクのサイリウム)で伝えよう。そう思っていただろう。
メンバーは泣いていたけど、同時に別れる覚悟を括ってこのステージを締めくくろうとしているようなそんな気迫も感じられた。
いよいよCメロ。メンバーと5万本以上の「桜」は著者が見てきた中で1番儚くて、切なくて、でも1番綺麗な満開の桜だった。
BiSHスタッフチームも準備してきていた。ラスサビで大量の桜の花びらが舞う。まさに絶景。これ以上ないくらいの最高の景色だった。この景色を目の当たりにできたのが本当に誇りでしかない。
曲終了後、メンバーは等間隔に並ぶ。
清掃員のピンクのサイリウムと歓声に包まれる中、メンバーは静かにステージから去っていった。
モニターに映される「バイバイ」。
こうしてBiSHは幕を閉じた。同時に伝説になった。
著者は感じた。これを有終の美と呼ばす何と呼ぶのだろう。そして気づいた。
「美醜繚乱」
彼女たちが何年も前から掲げていたBiSH特有のワードだ。
このワードがここで回収されると思っていなかった。でも、個人的にはこの言葉が1番最期にぴったりだった。
解散から1週間。未だにロスがありつつも、前を向いて進む"元"BiSHメンバーの活動報告を日々追い続けている。
いつこの現実を完全に受け入れられるかは分からない。でも、自分も明るく前を向いて生きていきたい。そう思えるようになった。
ありがとう。今日もBiSHの曲を聴きながら生活してます。新しい道を歩みはじめた6人と全てのファンに敬意と愛情を評して。
※以下、カメコでもない著者が一生懸命撮影した写真の一部を公開しておく。画質や技術は許して欲しい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?