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『LAMB』感想


※ガッツリネタバレします。


アダちゃんが邪悪な子だったってオチだったら嫌だなと思ってたけど、そうでなくて本当によかった…
犬を殺したのは親羊なのかな?
アダちゃんの本当のお母さん(羊)を射殺して、マリアが母親に成り代わっていたから、本当のお父さん(?)がイングヴァルを射殺してアダちゃんを迎えに来たんだ…

個人的にかなりタイムリーな題材の映画だったから刺さった。自分が子どもを産んだとして、何かしらのハンディキャップを抱えて生まれてきたとしたらちゃんとその子を愛せるんだろうかとか考えてた時だったので、なんかホラー映画というより子育て映画として見て普通にボロボロ泣いちゃった。誰一人アダちゃんを命として認めない人間が出てこなかったことが救い…(ペートゥルは最初アダちゃんを殺そうとしたし、受け入れたのはいろんな打算があったにせよ、"殺せなかった"ことが答えだと思っている)
亡き娘アダの代わりと言わんばかりに異形の子を可愛がるマリアも、その様子を見てトラクターの中で涙を流してたイングヴァルも、最初はアダちゃんを射殺しようとしてたペートゥルも、結局はみんなアダちゃんのことをちいさきいのちとして受け入れて接していたことに救われた。たぶん亡き娘アダが生きてたとしたって、この夫婦は何だかんだでアダちゃんを受け入れて育てていたんじゃないかと思う…母羊を殺すかはわからないけど。
アダちゃんに幸あれ。マリアが母羊を殺したことを知らなかっただけで、何ひとつ悪いことしてないのに殺されてしまったイングヴァルが本当に可哀想だった。
人間側から見ると誰一人悪い事してないのに…と言いたくなるけど、羊側からしたらマリアは母羊を殺して子羊を拐った存在なんだもんなあ…やりきれない、後味が悪い、ってモヤモヤする映画だった。でも好き。みんなアダちゃんに優しくて。
けど飲酒しながらテレビでスポーツ観戦して、全員アダちゃんから目を離してるのに気づかないシーン、ほんとそういうとこやぞと思ってしまった。

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