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地元・長野のために和歌山で学びたい|和歌山大学観光学部 宮下咲良さん

和歌山ものづくり文化祭のテーマは、「ものづくりの未来を創る、体験と学び」。
この「体験と学び」の主語は、当日の来場者だけではありません。参加企業、そしてもの文に関わるすべての人がそれぞれの体験と学びを得る事が、ものづくりの未来に繋がります。
そんなもの文では、イベントを通じてものづくり企業と関わっていただけるミラスタ(=ものづくりの未来を創る学生スタッフ)を募集しています。

ミラスタとは・・・単にイベント運営のボランティアではなく、もの文参加企業といっしょに各社の一員としてブースの運営に参加する学生スタッフ。職人の近くでその技に触れ、学びながら体験に参加いただけます。和歌山県の地域体験マッチングアプリ「わかやまCREW」を通じて募集しています。

7月29日~8月6日の期間中、スピンオフ企画として夏休みワークショップイベント『もの文2023なつやすみファクトリー in 和歌山市民図書館』(なつファク)を実施しました。
今回は、なつファクで林撚糸さんのブースに参加したミラスタ、宮下咲良さん(和歌山大学観光学部1年生)がイベント前におこなった企業訪問のようすをインタビューしました。 

(聞き手:和歌山ものづくり文化祭 事務局 山門振一郎)

林撚糸さんにて、企業訪問の際にインタビューしました

地元のために学びたい、と和歌山へ進学

― 宮下さんは長野県出身と伺いましたが、和歌山に進学した理由は何だったのでしょうか。

もともとは地元から出たくないくらい長野のことが好きで、高校でも探求活動をしていました。
地元を守るために何ができるかを考えた時に、地元に還元できる技術や知識だとか、地域にお金を落としてくれて、住んでいる人が「住んでて良かった」と思える心の豊かさを持てる地域づくりに興味があったんです。
そういったことを学べる学部を探していた時に、和歌山大学に観光学部があることを知りました。表現することが大好きで、観光学部で観光映像や観光とデザインをやっている先生がいて、そういったことを学びたいと思ったんです。
それから、他の地域を知らないと地元を客観的に見られないと思ったので、和歌山に来ました。

企業訪問では、事前にワークショップの練習もおこないました

― 今回の「ミラスタ」募集を知ったきっかけを教えてください。

大学からの「和歌山ものづくり文化祭の学生スタッフ募集」の案内メールで知りました。
募集のプラットフォームとして使っていた『わかやまCREW』の仕組みが面白くて、「自分の地元でも使えるのでは」と思って興味を持ったんです。もの文ミラスタの募集だけでなく農家さんのお手伝いなど、地域の方とボランティアに参加したい人を繋ぐ仕組みが上手くできてるなと思いました。
地元でもワーキングホリデーや農家民泊をやっていますが、もう少し仕組みを改善できると思っていたので、どんな風にやれば上手くいくのかなという視点で見ていました。

糸をきっかけに人と繋がりたい

― わかやまCREWに興味を持ったということですが、和歌山ものづくり文化祭に参加しようと思ったきっかけを教えてください。

せっかく和歌山に来たから、和歌山で色んな面白いことをやっている大人のコミュニティや人脈を広げたいという思いがあったんです。ものづくりをしている人の話を見たり聞いたりするのが大好きだったので、「楽しそう!」と思いました。
地元はオンリー農業みたいな地域で、今まで「撚糸」という言葉を聞いたことがなくて、調べているうちに和歌山で有名な産業ということを知りました。面白そうだし、糸って人を繋ぐことに例えられたり、ストーリー性があると思うので、自分の中で勝手に「ご縁があれば」ということで、林撚糸さんを選びました。糸をきっかけに人との繋がりができればと思っています。

― なつファクに向けて、今日(取材日:7月中旬)は工場を訪問し、ものづくりの現場を見学しました。
実際に職人さんの現場を見学した感想はいかがですか。

「エモい…、渋い…」という印象です。見たことがない機械だったので、すごく珍しいものを見させてもらえたし、一日中見ていられるなと思いました。作業動画があれば、音とか聞いていたいですね。

人の思いを伝えたい

― ものづくりをするのは好きだったのでしょうか。

それは微妙ですね…。ものづくり自体は、あまり好きじゃないほうかもしれないです。
例えば、小学生の図画工作だと作ったものを持って帰らないといけないので、いかに小さく作って、持って帰りやすくするかとか考えるタイプでした。
「作る」っていうよりかは、映像とか記事で人にスポットを当てて「こんな人いるんだよ!」って「言葉」とか「形」にして伝えるのがすごく好きなんです。

― これまでも「言葉」や「形」で伝える活動をされたことはあるのでしょうか。

出身地の長野はリンゴがよく採れるんです。それを使ったシードルというお酒があって、中学生の頃にそれに興味を持ちました。
高校生の時に探究活動で醸造所を色々回らせてもらって、作っている人に興味を持ったんです。高校生が来て「面白い!」って見学しているのを何も言わずに教えてくださったりしました。
そこにもやっぱりストーリーがあって、もともと九州でダイビングのインストラクターをやっていたけど、地元に戻ってきてリンゴのシードルを作っている方とか、同級生4人で会社を立ち上げた方々にお話を伺いました。「そんな方達の思いを何とかその製品の付加価値にできないか」と考えて、高校3年生の時にパネル展を開きました。
「『こういう人がいるんだよ!』というのを知ってほしい」という思いがあって、そういうのを大学でもやりたいし、せっかく和歌山に来たんだったら、和歌山の人のことを伝えたいと思っています。

― なつやすみファクトリー in 和歌山市民図書館に向けた意気込みを教えてください。

和歌山でこんなに面白いことを活発にやっている大人の方達と何か一緒にできるということ自体が楽しみです。高校3年間はコロナでそういうことができなかったので、自分が提供する側になって「どういう反応をしてもらえるのか」というのも楽しみだなと思っています。友達にも声をかけてみたいですね。
これだけエリアや産業の違う方達で、和歌山のものづくりという共通項で集まって、「皆でやっていこう!」という熱量がすごいと思いました。
若い人に興味を持ってもらうのって大事だと思うし、地元にあるものを知らないのは勿体ないと思うんです。大学で学生新聞会に所属しているので、和歌山大学生とかに知ってもらえるように、今回の記事を載せようと思っています。また、連載の企画を考えているので、ものづくりに関わる人を各回でやっていこうと思っています!

和歌山での出会いを通じて人脈を広げたいと語ってくれた宮下さん。ものづくりをきっかけに人との繋がりが広がっていくことを願っています。本日はありがとうございました。

聞き手
山門振一郎 和歌山ものづくり文化祭 事務局
和歌山県移住定住推進課。2014年入庁。施設管理や医療系の部署を経て2022年から現職。子育ては1年目。主にゆるい漫画やキャラクターが好き。

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