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イギリス旅行記 その3

 乗り継ぎのバンコク・スワンナプーム空港からヒースロー到着まで。

 割とあっという間にバンコクに着いた、と思ったらセキュリティチェックで止められた。機内に持ち込んでいたバッテリーが目に着いたらしい。
「What is it?」
「It's Portable charger」
「capacity?」
「sorry what?」
 体感時間10分くらい攻防が続いた。検査官3人に囲まれて、めちゃくちゃ訛りの入った早口の英語で質問責めにされる。初海外6時間フライトを終えたばかりのジャパニーズには正直かなり辛い経験だった。

 検査官3人と僕でモバイルバッテリー一つにわちゃわちゃすること数分、検査官の一人がバッテリーの目立たないところに容量の記載がされているのを見つけてくれた。互いに苦笑いしながらゲートを後にすると、たろりんさんがもう先に抜けて待ってくれていた。間違いなく僕の方が早くセキュリティチェックに着いていたはずなのに…。

 初っ端から色々ありすぎた僕は焦って出発ゲートを間違えて記憶していたので、たろりんさんに優しく導かれることになる。二人で機内食で出た野菜(のような何か)がいかに不味かったか話したり写真撮ったりしながら歩いた。

 割と搭乗開始まで時間があったので、たろりんさんとトランプで遊ぶことになった。大富豪とかポーカーとか、途中たろりんさんの”インチキマジックもどきのようなもの”を見せてもらったり、わりかし楽しく過ごした。中でもボケのつもりで二人でやった、枚数を極端に減らした手札でやる大富豪はかなり面白かった。気になる人には教えるよ、と言いたいほどに。まあ、4、5枚ランダムに配った手札をお互い選んでその手札で勝負する、みたいな単純なやつなので教えるほどでも無いのだけれど。

 隣り合った席を取ったわけでは無いので、搭乗開始と共にたろりんさんとは離れ離れになる。次に会うのはロンドンに着いた時だ。

 隣の席はヨーロッパ系のカップルだった。僕の隣に座っていた彼氏の方が結構デカイやつで、ここから10時間ほど結構肩身の狭い思いをすることになる。まあ、悪い人たちではなかったので良かった。

 ところで、長時間フライトの機内というのはみんなどうやって過ごしているのだろうか。

 隣のカップルを参考にしようにもどうやら彼女さんの体調が悪かったらしく、グッタリした様子の彼女さんに彼氏が心配そうに話しかけて冷たくあしらわれる、みたいなのを何度か目にして居たたまれなくなってしまった。彼女さんがグッタリしている間に回ってきた機内サービスとかにも全部対応していた彼氏は健気だったな。というか今思い返すと、何故添乗員たちはどう見ても体調悪そうな人に対して断られてもなお機内サービスを何度もトライしていたんだ。

 話は戻って機内の過ごし方なのだけれど。最悪なことに、僕の乗った飛行機の通路側の座席にはイヤホンジャックが無くて(あったかもしれないけれど見つけられなかった)機内配信の映画を見ることができなかった。奇跡的に、Amazonプライムのドラマ『ザ・ボーイズ』やNetflixの『ストレンジャー・シングス』がダウンロードしてあったのでiPhoneでそれらを見て過ごした。まあ、それでも時間が余ったので大人しく寝たけれど。

 流石に熟睡とはいかなかったので目覚めたらまだ2時間近くフライトが残っていた。もう本当にどうしようもなくて、最終的にオフラインで麻雀ゲームをしてたら親の時に跳満が出た。なんだか変なところだけ運が良いのだ。

 そうこうしているうちに日も登り、僕らはロンドン・ヒースロー空港へ到着する。

 文章にしてしまえばこんなもの、だけれど体感はまさに無限に思えるフライト時間も終わってイギリスに着いた。ここからEJC会場であるニューアーク・オン・トレントへ向かうことになる。しばらく一緒だったたろりんさんは松岡さんやポイ魔人さん、さんちゃんさんらと合流したので一旦お別れ。

 ようやく『イギリス旅行記』の始まりだ。

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