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結局リモートグラフィはどうだったか?

3回ほどポートレートリモートグラフィをやってみました。
この騒動も治まるからというわけではないのですが、今の所次の予定が無いので、このへんでリモートグラフィをやってみた感想を書き留めておきます。
システムは詳細はここなどに書いていますが、Zoomグラフィとはちょっと違う、ミラーレスとPCとリモートソフトの組み合わせです。レンズは交換できます。リモートはVPNです。

撮影プロセス

撮影までのプロセスは普段とあまり変わりありません。ただいつも以上に事前打ち合わせでイメージを共有しておく事はとても重要になります。イメージ、衣装、ポジションなど。あらかじめ撮影場所の大雑把な見取り図があるとベターです。
窓がどこにあって、どこは写したく無いところ(特に自宅撮影の場合)、窓の向き(太陽の入り方)など。
撮影機材は匿名で送れるのはとてもありがたいです。ちなみにクロネコのサイトではLINEのIDを入力とありますが、LINEを知らなくてもTwitterのDMで届きます。

撮影

 撮影においてポートレートの場合役割はこんな感じです。
 カメラマン:アングルやカメラポジの指示。カーテン閉めるとか開けるとか。座るとか立つとか大まかなポージング指示。
 モデル:システムの立ち上げと撤収、カメラ位置(三脚)のセッティングといつもやってるモデル。
そう。モデルさんの負荷が高くなります。ただ、みなさん、全然苦にならなかったと感想を言われます(リップサービスもあるかと思いますが)。その理由の一つはこのカメラ(α-6100)の液晶がバリアングルで自撮りモードになるのでイメージがわかりやすいのです。フレームのどのあたりに収まっているかわかるので、カメラマンが言わなくてもポジショニング出来ます。反面、この自撮りモード液晶は、モデルさんの視線がどうしてもその液晶にいってしまう、という弱点もあります。ここはカメラマン側の気付きが必要ですね。

今回最初画角調整が容易なズームレンズを使いましたが、部屋だと結構暗くなり、絞り優先で設定するとシャッタースピードが数分の一くらいになり被写体ボケを起こしてしまい、感度を上げる必要がありました。そこで単焦点の明るいレンズ、SEL3514Z(Zeiss Diatagon)を使ってみたのですが、確かにその問題は解決しました。その例がこんな感じです。

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ちょっと前ピンですがボケは十二分です。
一方で開放だと?ブラックミストというを使っていたせいかもしれませんが、ピンボケを大量生産するという問題も見えました(カメラの性能かもしれません)。コントラストが低くなってしまうのでピントを見失うのでしょうか。

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ポートレートリモートグラフィの良かった点

 機材さえ送れば自分は家にいながらにして撮影が出来ます。
コミュニケーションはZoomで取るので、空気は読めませんが指示はスムースに通ります。そして、住所もわからず侵入する事もなく撮れるので、自宅撮影の敷居は下がります(それでも自宅で撮れるモデルさんは限られていると思いますが)。
しかもモデルさんが寛いでいる。カメラがあるとスイッチが入るとは言っていますが、自宅でしかも目の前にカメラマンが居ないため(笑)表情が和らいでる気がします。

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カメラマン側は、普段より光とポジションを良く考えるようになりました。今迄なら、ああこのあたりは光はこう入るからこう写る。背景はこんな感じだから、ここまで写る。というのを実際やってみていましたが、リモートでは頭の中でシミュレーションするのです。動かしてから、ああダメだった。じゃぁ。。。と言いまくるのは恐縮するので。
そういう力がちょっと付いた、というか認識するようになったと思います。

弱点

 システムの話ですが、今回通信回線はポケットWiFiだったのですが応答が遅い。リモートデスクトップでは応答が遅くて、画像の遅延があります。Zoomの画面のなめらかさとは比べものにならない位。そのカクカクした中でフォーカス位置をセットしシャッターを切ります。ですが、モデルさんによってはすごく体を動かす人がいて、フォーカス設定が難しくなる場合もありました。まぁ、Zoomの画面のスムースさを見ていれば、あんな感じでスムースなのに何モタモタピント合わせてるの、って所でしょう。

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回線はUQ WiMaxが速いと聞きましたが、これだともっとスムースなのかもしれません。もう一つ、理由はわからないのですが、リモート撮影では、カメラのセルフタイマー(3秒)が働きます。LANでは瞬時にシャッター切れたのに何故なのでしょう?3回とも同じでした。なので、記念撮影的になってしまいます。シャッターチャンス狙うというのはちょっと無理でしょう。
まぁあるプロカメラマンのZoomグラフィーのYoutubeの動画では、シャッターを切るとき1,2,3とかけ声をかけていたので、それを考えると良かったのかもしれません。

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また、マニュアルフォーカスにして置きピンしようと思ったのですが、応答の遅さのせいかありあまり使えませんでした。F1.4+ブラックミストでは今ピンを通り越したのかまだピンが来ていないのかの感覚がわかりません。これはLAN内のテストではうまくいっていたのですが。

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このあたり、カメラとレンズの組み合わせでスイートスポットがあるのかもしれません。

まとめ

今回この騒動で外出自粛のためひねり出した撮影方法でしたが、そんな事を置いといても、これは一つの撮影方法として有りではかと思いました。例えば、女子更衣室で撮るとか女湯で撮るとか(←それは違う)。例えば燃えさかる炎の中とか(←何をしたい?)。いえ、言いたい事は、撮影者が見えない事で、今迄とは違う画が撮れるのでは、という事でした。

Model:さき様

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東京都在住のアマチュアカメラマンです