見出し画像

ミラーレス機でリモート撮影

巷ではZoomを使ったリモート撮影が流行っているようですが、自分としてはちょっと物足りないと思ったので、ミラーレスを使ったリモート撮影システムを組んでみましたので、参考までメモしておきます。
ちなみに、用意が必要な機器は絞られます。またPCについて設定は簡単ですが前提は高いスキルを持っている事です。この点ご了承くださいませ。

1.目的
 リモートで何を撮りたいのか?それはやはり(この界隈)モデルさんでしょう(^ ^)。今は外出自体が自粛がかかっていますし、迷惑をかけるわけにもかけられるわけにもいかない。となるとリモートでの撮影を考えてしまいます。巷ではZoomを使ったモニタのキャプチャで写真を撮るというような撮影方法が流行っていますが、それでは画質的にもカメラマンの自由度も低く、すぐに飽きるだろうなと感じました。
 そこで、クリアな画像でフォーカスも変えられボケを楽しめる、できるだけ撮影に近いシステムを手軽に組めないか考えてみました。

2.システムとポリシー
 システムは軽くすることとセキュリティ上安心できる事を考えました。 
リモートで撮影する場合、もっとも気を付けなければならないのはプライバシーです。被写体の周囲に迷惑を極力かけないような仕組みが必要です。
 回線の負担もありますが、例えば相手のネットワークに機器を設置してもらうというような事(家のLANにこちらから持ち込んだPCを接続させてもらう)は、≒相手のネットワーク内の情報をのぞき見る 事になってしまう可能性があるのでやってはいけません(倫理的にしない、といっても技術的には出来てしまいます。ウィルスをうつす可能性もあります:-)。
ですから、相手のネットワーク環境には入らない事を第一のポリシーとしました。そうなると考えられるのはVPN(Virtual Private Network)ですが、これは方式によってはWiFiルータとの相性が良くないケースもあります。
 また、カメラのリモート操作はSONYのImaging Edge DesktopというSONY謹製のフリーソフトを使いSONY製のミラーレスカメラに接続して使います。また、このソフトを動作させるプラットホームは今回使った通信ソフトの関係からWindows 10 Proとしました。
 Windows 10 Homeではリモートデスクトップの機能を持っていないので同じ事は出来ません。
 ここまでまとめると以下の様になります。

【自宅のPC(リモートデスクトップクライアント)】-【(インターネット)VPN(ポケットWiFi:NTTドコモのMVNO)】-【WiFiルータ】-【Windows10Pro(リモートデスクトップ)】-【EmagingEdge】-【カメラ】

スクリーンショット 2020-04-26 21.56.53

VPNはOpenVPNが確実ですがドメインを登録したりの手間がかかるので、今はそれより手っ取り早く実現できるSoftEther(シン・テレワーク)を使いました。

3.機材
 機材はカメラも含めできるだけ小型にしました。こんな感じ。(モニターは7inchなのでタッチが苦しいくらいとても小さいです)

画像1

PCはノートが便利なのかもしれませんが、高価なものを送りつけるのもナニかと思い、2万円ちょっとの超小型PCです。カメラも然りで、あまり高価な物(持ってないけど)は万が一を考えて組んでいません(モデルさんのプレッシャーも大きいかと)。被写体様にとっては軽いのは重要なファクターです。

4.機能
 Imaging Edge Desktopはカメラの液晶モニタがそのままPCで見る事が出来て、AF/MF切り替え、絞り/SS/ISOなども調整出来ます(機種による)。
 MF時はQWERTYキーでマニュアルフォーカスが可能です。

IMG_0457のコピー2


 実は最初α9などでテストしたのですが、モニタは見えるものの大して機能せず、USBの通信も不安定で使い物になりそうに無かったのですが、某Kっちんさんよりα6400をお借りした所、劇的に良い事がわかり、このシステムをマジメに組もうと思ったのでした。
 実は、α6100,6400(多分6600も)は、フォーカスポイントをマウスで移動できるんです。ですから、画像のフォーカスさせたい所にマウスカーソルを持って行くと、そこでAFが働きます。ですので意図的にフォーカスを合わせられます(α9+MFでもフォーカスの操作は可能ですがフォーカスポイントは動きません。機種別の機能比較はここ)。
どんな感じかYoutubeに動画も上げておきます。ちょっともっさりしていますが、最近のインターネットも遅いのでそちらのせいかも)。
またMFでは意図的にアウトフォーカスできますから、こんな事も可能です。(フォーカス時/アウトフォーカス時 被写体がダメダメですみません)

画像4

画像5

5.実際の撮影はどうなるか
 実際のモデルさんとの撮影では、万が一のダウンも考えて、コミュニケーションはSkypeかLINEかZoomででやって、撮影は三脚を付けたカメラを適当なところに設置してもらって、画角はズームレンズを調整してもらって、フォーカスはカメラマン担当、となると思います。ちなみにズームもリモート出来ないか、α6xシリーズのキットレンズであるパワーズームも実際ためしてみたのですが、ズーム機能は動作しませんでした。頻繁に三脚を動かして貰う手間を考えると三脚を動かさずリング回すだけで済む広角側のズームレンズが適当ではないかと思います。
機材は住所バレしないようにクロネコのスマホで簡単配送を使う事になるでしょうか。

6.問題点
 
今のSoftEtherのシステムは10月末までの臨時サービスなのでそのうち別の手段が必要になります。OpenVPNならそんなに手間はかからないはず。ただ、それまでには落ち着いているかと思います。
 ポケットWiFiルータは、機種によって通すプロトコルが異なるようです。通信手段(VPN方式)はよく考えられるのが良いかと思います。
 先にも書きましたが、カメラの機種により出来ることが結構違います。できると思っても思うように動かないケースもあると思います。
 また、データ量が意外と多いです。1時間で数百MB〜1GBくらいいくかも。ポケットルータの通信量には注意が必要です。ただ例えばリモートデスクトップの設定を変えれば多少調整ができると思いますが。
 あと、最大の問題点は、このようなちょっと大げさなシステムとなると、モデルさんが躊躇して誰もトライしてくれないことです(笑)。
一応機材にもお金がかかっているので、一度撮った事があるなど信頼のおける方にお願いしたいと思っているのですが。

7.機材
 
今回使った機材を最後に書いておきます。
   カメラ:SONY α-6100/6400
 レンズ:SEL1670z(Zeiss Vario-Teessar) 
                   SEL1650PZ(これではフォーカスポイントは出ませんでした)
 PC:Windows 10Pro 8GBytes/64GBytes
 モニタ:7inchタッチスクリーン(あくまでPCの確認のためだけです)
 ポケットWiFiルータ:NEC A-term MN04

これでリモート撮影の準備だけは出来た笑。




この記事が参加している募集

東京都在住のアマチュアカメラマンです