"ルール"の可視化が心地よい〜風間太樹監督『バジーノイズ』感想
物語の始まりで、主人公の清澄が自宅で作曲をするシーン。音がひとつひとつ足され、曲が形になっていく。そしてこのシーンによって、この映画を観ている観客も、この映画は"主人公の世界に音が足されていく物語"だということを無意識のうちに認識する。この流れが素晴らしい。
この映画はその後も作品における"ルール"をとことん可視化していく。その可視化が終盤において全て効果的に機能していくのだから、監督の才能はなかなかのものだ。ラストも気持ちよくその"ルール"の中のひとつを守りながら綺麗に着