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ブロックチェーン入門_#2:「ブロックチェーン」の基礎知識

「ブロックチェーン」とはどのようなものなのでしょうか。この単元ではブロックチェーンの特長を解説します。


ブロックチェーンの由来と目的

ブロックチェーンは、匿名の開発者サトシ・ナカモトによって、Bitcoin(ビットコイン)というデジタル通貨システムを実現するために考案されました。Bitcoinの目的は、「自分が持つお金を好きに送金することを誰にも止めさせない」というものだったと考えられています。

ブロックチェーンは、分散型のデータベースの一種で「公開台帳」だとも言われています。情報を一つひとつの「ブロック」に格納し、それらを連鎖状(チェーン)につなげていくものです。分散型といっても、たくさんの情報を、みんなが分担して少しずつ保管するのではなく、同じデータベース全体のコピーを、基本的には参加する全員が保管します(スマートフォン等で参加する利用者は、その利用者に関わる部分のコピーのみを持っています)。また、誰でも参加でき、その内容を読み書きできます(公開されています)。

Bitcoinの目的を達成するためにそうなっているわけですが、ではなぜ、そうするとBitcoinの「自分が持つお金を好きに送金することを誰にも止めさせない」という目的が達成されるのでしょうか。

ブロックチェーンの四つの特長

Bitcoinの目的を達成するには、コインを持っている本人だけが、誰にも邪魔されず自分自身で送金の指示ができ、その指示は絶対に何者にも止められずに実行される必要があります。更にその実行は、ある時点で起きた事実として確実に記録され、決して覆されないことが必要です。

そのために、ブロックチェーンは「自己主権性」「耐検閲性」「耐障害性」「耐改ざん性」という四つの特長を持ちます。それらの性質により、全体としては、記録の何らかの方法による否定からデータを守れます。以降ではそれぞれの特長を簡単に説明します。

1. 自己主権性

自己主権性とは、利用者自身が誰の許可も得ずに口座(アカウント)を作れること、そして自分のアカウントの残高といった情報に対して、個々の利用者が自由にアクセスし、操作できる性質を指します。これにより、利用者は自分の資産や情報を自分自身で管理できるようになります。自分の ウォレット を自分で自由に作成し、管理できるということです。

2. 耐検閲性

耐検閲性とは、送金の指示といった行為が、特定の権力や組織によって抑圧・制御されることが難しい性質を指します。ブロックチェーンでは、分散型の仕組みで基本的に全員が同じデータベースのコピーを持ち、どこかで送金等の指示が正当なものだと認められれば、その指示に従った処理が行われることになります。それを特定の意思によって止めるのは極めて難しいと言えます。

3. 耐障害性

耐障害性とは、システム全体がダウンせず、データの損失に対しても強い性質を指します。この性質も耐検閲性の実現と同じく、分散型の仕組みで基本的に全員が同じデータベースのコピーを持っていることで保たれています。一部のコンピュータが故障しても、他のコンピュータで処理が行われるため、システム全体がダウンせずに済み、送金等の指示もコピーされて大勢が持っていることから、途中で失われにくいです。

4. 耐改ざん性

耐改ざん性とは、一度記録されたデータが容易には改ざんできない特性を意味します。ブロックチェーンでは、新しいブロックが追加されるごとに、電力(作業証明とも訳されるプルーフ・オブ・ワークの場合)や、暗号資産(仮想通貨)のデポジットをもとにした抽選及び投票(持ち分証明とも訳されるプルーフ・オブ・ステークの場合)など、大きなコストがかかるようになっています。

過去のブロックの内容を書き換えたい場合、悪意のユーザーは、そのブロックを含む以降の全ての累積したコストを再度負担しなければならなくなります。これにより、改ざんが困難になり、ブロックに含まれる記録は過去のある時点に起きた事実として扱えるようになります。

公開台帳として動作する必要性

また、これらの特長を満たすために、ブロックチェーンは誰もが自由に参加でき、内容を確認できるもの(公開台帳)として動作する必要があります。

参加するために何らかの権威による許可を得なければならないとしたら、送金等の指示を権威が差し止めたり、記録を内部犯行で抹消・改変・捏造したり、権威という明確な対象を狙ってアクセスを集中させること(サービス否定攻撃)でシステムを停止させたりといった方法で、記録を否定することが可能になってしまいます。


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