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Web3.0/Web3_#4:スマホやSNSが誕生したWeb2.0の問題点

スマートフォンやソーシャルメディアの出現等でウェブがより生活に浸透したことがWeb 2.0の一つの特徴です。しかし、その一方でWeb 2.0においてはいくつかの問題点も指摘されています。ここではWeb 2.0で何が問題とされているかを解説していきます。


Web 2.0で起きたこと

Web 1.0からWeb 2.0への進歩は、接続回線の技術向上やスマートフォンの普及によって、常時インターネットへの接続が可能になったことが下支えになっています。誰もが容易に発信者になることができ、ウェブ上におけるユーザー間の双方向性が強まったことがWeb 2.0の特徴です。

双方向性が強くなることで、ユーザーから大量のデータを取得できる運営企業が成長しました。Web 2.0で主役となったのは、GAFAと呼ばれるような巨大IT企業です。

Web 2.0の問題点

一般ユーザーの双方向性が強まり、巨大IT企業が成長したWeb 2.0ではいくつかの問題点も指摘されています。

■Web 2.0の問題点(1)データを一握りの企業が独占

まずWeb 2.0の問題点として挙げられるのは、データを一握りの企業が独占することで、本来はユーザー自身に帰属すべきデータが企業によって分断される構造が生まれていることです。

アプリケーション 運営企業は、自社が運営するアプリからユーザーの個人情報や行動、嗜好等のデータを収集できます。収集したデータはその企業が排他的に管理し、広告への利用等、アプリケーション運営企業の利益の源泉となるビジネスモデルが生まれました。

アプリケーション運営企業は個人情報を厳重に管理するとしていますが、ユーザーは自分のデータがどのように利用されているかを正確に把握することができません。

例えば、Googleはユーザーの検索行動からYou Tubeの動画広告に何を流すのかを調整しており、そのレコメンド結果の元になる情報をユーザーが取捨選択できない仕組みになっています。

Web2.0ではデータの管理主体がアプリケーション運営企業になってしまい、ユーザーはコントロールができません。

■Web 2.0の問題点(2)データが意図していない使われ方をしていないか

2013年の「スノーデン事件」によって明らかになった、組織が提供するサービスに個人のデータを預けることの危うさです。

スノーデン事件とは、米国家安全保障局(NSA)がテロ対策として、複数のインターネット企業の協力のもと、大量の個人情報を極秘に収集していたことを、NSAや中央情報局(CIA)の仕事を経験していたエドワード・スノーデンが告発した事件です。個人のデータを自分で管理できない危惧から、ギャビン・ウッドが2014年の自身のブログ記事で書いた通り、スノーデン事件がWeb 3.0の思想の出発点になったと言えるでしょう。

■Web 2.0の問題点(3)プラットフォームが支配力を持っていないか

Web2.0では一部企業による寡占や独占が生まれやすいため、仮にサービス利用料が高額でもその状況を覆しにくい問題があります。

例えば、スマートフォン向けのアプリを提供する市場はAppleとGoogleが提供するプラットフォームでほぼ独占状態になっています。仮にAppleやGoogleがアプリの登録料や販売手数料を引き上げたとしても、基本的に、アプリを提供する企業やユーザーは受け入れるしかありません。

■Web 2.0の問題点(4)本当に自由な発信ができているか

Web 2.0では、本当に自由な発信はできていないという問題もあります。

誰もが簡単に発信者になれるWeb 2.0ですが、発信者は主にプラットフォームやアプリケーション上で発言をします。そのため、ユーザーはそこで定められたルールに則った発信をしなければなりません。

ルールは快適なコミュニケーションのために必要ではあるものの、ルールの内容にユーザーは関与できません。

例えば、Twitterでは頻繁にアカウントの凍結が起きていますが、凍結を行う明確な基準は公開されていません。凍結時に異議申し立てをすることはできますが、凍結が解除されるかどうかはTwitter次第です。

つまり、Web2.0ではアプリケーション運営企業が事実上の検閲者になっていると言えるでしょう。

次回の第5回は「Web3.0」の提唱者の一人であるティム・バーナーズ=リーの主張について紹介します。


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