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日本古来の文化である「神社」とは何か?(後編)ー先生のための『和の国・日本国』講座㊸ー

おはようございます。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


今回も引き続き、

「先生のための『和の国・日本国』講座」という主題のもと

「神社」に焦点を当て、

「神社」と「お寺」の違いとは?

「神社」とは何か?

「神社参拝」はどのようにするの?

「神宮」とは何か?

などの視点から、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



【今日の内容】
日本古来の文化である「神社」とは何か?(後編)~先生のための『和の国・日本国』講座㊸〜 

1)「神社」の呼び方の違いって何?
2)「神社」の中でも格別なお宮は『神宮』
3)「伊勢の神宮」はここがすごいっ!!



前回の記事では、

「神社参拝」の正しい作法

「神社参拝」の楽しみ方

についてのお話をしてきました。


今回は、

「神社」の中心である「神宮」とは何か?

についてお話させていただきます。



1)「神社」の呼び方の違いって何?



最初の記事で、


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「神社」は日本全国に8万社以上ある


というお話をしました。


「神社」というと
「〇〇神社」
「〇〇宮」(鎌倉宮・井伊谷宮・水天宮など)
「〇〇八幡宮」(鶴岡八幡宮・石清水八幡宮など)
「〇〇天満宮」(北野天満宮・太宰府天満宮など)
「〇〇大社」(出雲大社・春日大社・諏訪大社など)
「〇〇神宮」(伊勢神宮・熱田神宮・橿原神宮など)

 など、たくさんの呼び方がありますよね?



みなさんはこの違いが何か知っていますか?


まずは、この違いから一緒に確認していきましょう!


普通「神社」というと、

「〇〇神社」と言います。

もう少し格式が高くなると、

「〇〇宮」となります。

そうしてさらに格式が高くなると、

「〇〇神宮」というようになります。


「〇〇大社」は、

以前、葦原の中つ国を治めていた大国主神の系列の神社なので

少し系列が異なります。

また、

「〇〇八幡宮」「〇〇天満宮」というのは、

そのような名称なだけで、

天皇家と深いつながりのある神社ではありません。



ここで、少し整理しましょう。


例えば、

勝手に

「うちの神社は立派だから『〇〇神宮』と名付けよう!」

というようにすることはできません。


日本の歴史の中でも

特別重要なお宮には


『宮号』(〇〇宮)


というものがつきます。


これを、


『宮号宣下』(宮号を与えること)


と言います。


『宮号』を与えるのは天皇の役割です。


先の大戦後、そのようなことはなくなってしまいましたが、

本来、『宮号』というのは天皇が与えるものでした。

昔は、神主の位や僧侶の位も天皇が与えていたんです。

関白や右大臣、左大臣など政治家の位も天皇が与えていました。

このようにして天皇が様々な秩序を作ってきました。




2)「神社」の中でも格別なお宮は『神宮』



江戸時代に、『宮号宣下』を受けた有名な神社と言えば
どこだか知っていますか?



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そうです。


『日光東照宮』


ですよね!


徳川家康公を祀る『日光東照宮』

かつては『日光東照社』と呼ばれていました。


そこで、徳川家が

「なんとか家康公をより特別な存在にしたいので『宮号』をください」

に朝廷にお願いをして『宮号』をもらうことができました。


しかし、

さすがの家康公も

『神宮号』を与えてくれとは言うことができませんでした。


では、


『神宮号』がある神社とはどのようなものがあるのでしょうか?


例えば、


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『伊勢の神宮』


これは、「天照大御神」をお祀りしている神社です。


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『橿原神宮』


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『宮崎神宮』


これらは、「初代・神武天皇」をお祀りしています。


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『明治神宮』


これは、「明治天皇」をお祀りしています。


天皇の中でも特別・格別なお方や

天皇につながる神様など


皇室が成り立った
日本国が成り立つうえで
本当に重要なお宮にしか『神宮号』は与えられていない


のです。


このことを一言で表現するならば、


天皇は「人を神にする力を持っている」


ということです。


例えば、


「俺は神になる!!」

と言って死んだとしてもその人は神になることはできません。


反対に

「俺は神になんなならなくてもいい!」

と言って死んだとしても

天皇が「あなたは神です!」と言われたら

神様になってしまうということなんです。


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徳川家康公には、

『東照大権現』というものが与えらえています。

この『大権現』を与えたのは天皇です。


いくら天下を治めたとしても

どんなに強い力を持っていたとしても

「俺は神だ!!」と言ったとしても

天皇が却下すれば神様になることはできませんでした。


このように、


全国8万の「神社」がある中で、
特別重要なお宮には『宮号』が与えられえていて
『神宮号』を与えられた
天皇家とかかわりのあるお宮は、全国24か所あります。


①伊勢の神宮【三重県】
②明治神宮【東京都】
③北海道神宮【北海道】
④鹿島神宮【茨城県】
⑤香取神宮【千葉県】
⑥近江神宮【滋賀県】
⑦気比神宮【福井県】
⑧日前(ひのくま)神宮【和歌山県】
⑨国懸(くにかかす)神宮【和歌山県】
⑩熱田神宮【愛知県】
⑪石上(いそのかみ)神宮【奈良県】
⑫橿原神宮【奈良県】
⑬吉野神宮【奈良県】
⑭白峰神宮【京都府】
⑮平安神宮【京都府】
⑯水無瀬神宮【大阪府】
⑰伊弉諾(いざなぎ)神宮【兵庫県】
⑱赤間神宮【山口県】
⑲英彦山(ひこさん)神宮【福岡県】
⑳宇佐神宮【大分県】
㉑霧島神宮【鹿児島県】
㉒鵜戸(うど)神宮【宮崎県】
㉓霧島神宮【鹿児島県】
㉔鹿児島神宮【鹿児島県】


そして、

全国24か所ある『神宮』の中でも最も中心的なお宮。


これを、


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「伊勢の神宮」


といいます。


「伊勢神宮」という名称もありますが、

正式名称は、「神宮」と言います。


「北海道神宮」の正式名称は「北海道神宮」。

「明治神宮」の正式名称は「明治神宮」。

ですが、

「伊勢神宮」の正式名称だけ「神宮」と呼ぶのです。


そのため、

通な人も神主さんたちも「伊勢神宮」とは呼びません。

みなさんも、

「神宮」または「伊勢の神宮」というと

「この人分かっているな!」となります(笑)


では、


「神宮」の中でも
最も中心的な「伊勢の神宮」とはどのようなものなのでしょうか?




3)「伊勢の神宮」はここがすごいっ!!



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全国に8万社ある「神社」の中で

最も中心的な神社が「伊勢の神宮」です。


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「内宮(ないくう)」「外宮(げくう)」

をはじめ、

14か所の別宮、

43か所の摂社、

24か所の末社、

42か所の管社があり、

これら125社を総称して「神宮」と言います。


まず、


「神宮」はどうしてそんなに尊いのでしょうか?


それは、日本最古の歴史書『古事記』に書かれています。


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「高天原」という天空の世界(神の世界)と

「葦原の中つ国」という地上世界(人間世界)があります。

「高天原」「葦原の中つ国」の統治者である天照大御神

天孫降臨の際、

孫である邇邇芸命(ににぎのみこと)

「この鏡を私だと思って祀りなさい」と伝え、

『八咫鏡』をお渡しになりました。


その『八咫鏡』が祀られているのが

「神宮」なのです。


「神宮」は、


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第10代崇神天皇のとき、

この時代は疫病がは流行っていました。

そして、三種の神器を他のところに移せば、疫病が治まるという

助言のもと、

第11代垂仁天皇の娘である倭姫(やまとひめ)

『八咫鏡』をもって日本全国に旅に出ます。


そして、

天照大御神の御神託があり、

「伊勢は、うまし国(美しい国)」だということで

綺麗な水があり、

塩があり、

海の幸や山の幸を獲ることができ、

肥沃な土地や平野でつくられるお米を作ることもできる

大自然のいい環境にご鎮座になりました。


『八咫鏡』は、

もともと宮中にあったものなので

「神宮」で行われる祭祀は

「宮中から離れた宮中祭祀」

いうことになります。



次に、


「神宮」ではどのようなお祀りが行われているのでしょうか?


大小さまざまなお祀りが年間1500回ほど行われています。

なかでも、

毎日朝と夕方に「外宮」で行われているのが、


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『日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)』


天照大御神に捧げるご飯です。

これは、なんと1500年間一度も途絶えたことがありません!!

これまでに100万回以上行われている祭祀なんです!!


そして、有名なのが、


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『式年遷宮』


これは、20年に一度行われます。

「内宮」「外宮」の社殿や鳥居、装束、宇治橋など

すべてを作りかえます。


第一回が690年に行われ、

応仁の乱の一時期に中断したことがあったものの、

現在までに62回の遷宮が行われました。

(2013年が最近)

次回の式年遷宮は2033年になります!

何度も見ても式年遷宮は美しいものです。

あと10年後、ぜひ見てみたいですね!


では、この『式年遷宮』はどうして行われるのでしょう?


それは、


「命は常に新しく美しく」という『常若(とこわか)』の精神

という日本独自の知恵と美学によって「神宮」は保たれているのです。


「神宮」には、

他の神社には存在しない特別な大宮司と小宮司がいます。

そして、さらにその上に「祭主」という役職があります。


「祭主」は基本的には、天皇の娘が務め、

天皇に代わり祭祀を司どっています。

昭和天皇の娘の池田厚子様や、

現在では、上皇陛下の娘の黒田清子様がお務めになられ、

何年後かには愛子内親王がお務めされることと思います。



最後に、


「神宮」では何を祈願すればいいのでしょうか?



「神宮」とは、天皇が天照大御神を祀っている場所


です。


そのような場所で、

私たち国民が何を祈るのかは決まっています。


「天皇」とはどのような存在でしょうか?


一言で言うならば、


『祈る存在』です。


では、何を祈っているのでしょうか?


それは、

2680年間。祈ることたった一つ。


『国民一人一人が自分らしく豊かに幸せになりますように』


ということです。

歴代天皇は2000年以上この一つのことを祈り続けてきました。


私たちが祈ることはただ一つ。

「商売繫盛」でも

「家内安全」でもありません。

はっきり言って筋違いです。


天皇陛下がわたしたちの幸せを祈ってくださる場所で

私たちが祈ることはただ一つ。


『天皇陛下の長寿を祈ること』


これしかありません。

いつも私たち一人一人の幸せを祈ってくださっている

天皇陛下にできる限り長生きしていただきたい。

お元気で、お健やかでお過ごしになられますように。


ということではないですか?


これを表しているすてきな言葉があります。


『天皇弥栄(すめらぎいやさか)』


です。


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ぜひ、伊勢の神宮に参拝に行かれる方は、

(お伊勢参りといいます)

『すめらぎいやさか!』とお祈りになり、

清らかな気持ちで、

天皇陛下や国家に感謝の気持ちを祈ってみてください!!




これまで、
「日本はいい国だ!」というと
軍国主義者と言われたり、
危険思想だと思われたりしていました。


しかし、

2011年3月11日

東日本大震災を契機に外国から注目されてから、潮目が変わりました。


じつは、わたしたちが住んでいる『日本国』はすごい国なんです!!

まだまだ、
歴史の闇に埋もれてしまった「真実」が
たくさんあります。


「日本を知ることは、
       『自分のルーツ』を知ること」


わたしたちの生まれた国をもっと学びませんか?

そして、子どもたちに伝えませんか?

自分の生まれた国を誇りに感じることは、

きっと自己肯定感とか自己効力感につながるはず。


一緒に、『和の国・日本』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。


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