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義父を超えてゆけ!大穴牟遅から「大国主」へ!【上巻】⑹ 大国主神の国づくり(因幡の白兎)ー日本最古の歴史書『古事記』⑰ー

こんばんは。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


今回は、

「日本人のための『和の国・古典文学』講座」という主題のもと

『古事記』の中にある

大国主神の国づくり(因幡の白兎)(上巻)を紐解くことで、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



義父を超えてゆけ!大穴牟遅から「大国主」へ!
【上巻】⑹ 大国主神の国づくり(因幡の白兎)
ー日本最古の歴史書『古事記』⑰ー
【今日の内容】
1)
最大の危機に救世主現る!
2)
困った時のスセリビメ
3)
オオナムヂから「大国主神(オオクニヌシ)」



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前回の記事では、

根の堅洲国へと逃げこんだオオナムヂのお話をしてきました。


スサノオを探していると

スセリビメという美しい女性と恋に落ち、

しかも、スサノオがお父様だったのです!!


ちなみに、


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オオナムヂ(大国主神:オオクニヌシノカミ)

スサノオノミコトの孫の孫の孫にあたります。


そして、

スセリビメ

スサノオノミコトの娘です。


つまり、

オオナムヂはひいひいひいひいひいばあさんと結婚することになります(笑)


面白いことに、

神様には寿命はありませんから、

このようなことが起こるんですね!


しかも、美貌が衰えることもありません。

なんとも、羨ましいやら…。


スサノオに結婚の申し込みをして、

あっさりOKを出したスサノオですが、

さまざまな試練をオオナムヂに与えることになるのです。




1)最大の危機に救世主現る!



【スサノオの試練①】 「蛇の室で一晩を過ごすべし。」


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【スサノオの試練②】 「百足・蜂の室で一晩を過ごすべし。」


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スサノオの試練も


スセリビメの比礼(ひれ)の助けがあって何とか乗り切った

オオナムヂでしたが、


その次の日、


『よし!婿殿!ついてまいれ!』


次の試練に挑むことになるのです。



【スサノオの試練③】 「火の海の中で弓矢をとってくるべし。」


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スサノオに連れていかれたのは、

辺り一面大草原!!


そこに


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『鳴鏑(なりかぶら)』


という鏑のついた矢を野原に射こみました。


『おい。婿殿。ちょっと矢をとってきてくれないか?』


「は、はい!!」


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ということで、矢を取りに行くことになるのですが…


「こんな広いのに、たった一本の矢を探すなんて、そう簡単じゃないぞ~…。」


と探していると…


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急に野原に火の手が上がります!


『わっはっは~!さあ!これでどうだ!どうする??』


『お父様!これはひどいわ!オオナムヂ様…。』


なんとスサノオが火のついた矢を大草原に放ち

辺り一面火の海になってしまったのです!!


「火の回りが早い…。もうダメかもしれない…。」



こんなのもはや殺人ならぬ殺神ですよね!


ところが、このピンチに救世主が現れるのです!


「内はほらほら、外はずぶずぶ」


「内はほらほら、外はずぶずぶ」


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大ピンチのオオナムヂの前に現れたのは


『ねずみ』


でした!


「何を言っているの?」


「ああ!ここを踏めということか!そうか!そうか!」


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踏んでみると

「ドンッ!」

とねずみの巣に落ちました。


地中深く入ったオオナムヂは

火の海から危機一髪で助かりました。


「助かったよ。おまえのおかげだ。ありがとう!ん?その加えているものは…?」


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なんと!


そのねずみは『鳴鏑』を持っていたのです!!


『あいつもここまでだったな。ふっふっふ。』


陽気に見つめていたスサノオのもとに

矢を持ったオオナムヂが戻ってきました。


『オオナムヂ様!!』


「お待たせいたしました。こちらの矢でよろしいでしょうか?」


今度は、ねずみの力をかりて

危機を乗り切ったのです!


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2)困った時のスセリビメ!



野原が火で包まれた光景を見ていたスサノオは

絶対にオオナムヂは助からないだろうと思っていましたが

この試練も乗り越えたオオナムヂ。


スサノオは、感心しましたが、

まだまだ試練は続きます。


【スサノオの試練③】 「シラミという名の百足をとるべし。」


『婿殿~!頼みがあるのだが、いいかね?最近、頭がかゆくてかゆくて…。ちょっととってくれないか?』


「(なんだあ~。そんなことか!)お安い御用です!」


そして…。

スサノオの髪の毛をあさってみると…


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「シラミ」ではなく、「ムカデ」だったのです!!


「なんだこれは!!どうしよう…。」


『おい。どうした?お安い御用なんだろ?(にやり)』


こんな時も困った時の『スセリビメ』


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まるで、ドラえもんとのび太の関係みたいですよね(笑)


ここでも、またまた


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『オオナムヂ様!こちらをお使いください。この椋(むく)の実を音を立てて噛んでください!』


椋の実を渡しました。


『お~い!まだか~?怖いのなら、今すぐやめてもいいんだぞ~!』


「い、いえ!ただいま!!ぶちぶちっ!ぺっ!ぶちぶちっ!ぺっ!」


スセリビメの言うとおりに

実を噛んで音を立てて

赤土を口に含みながら吐き捨て続けました。


『(こいつ。なんと健気なやつなんだ。なかなかいい奴じゃないか…。)』


まんまとスサノオは騙されました。


そして、そのままうとうとしてきて

ついに眠ってしまいました。。。


さあ、ここから、二柱の脱出劇の幕開けです。。。




3)オオナムヂから「大国主神(オオクニヌシ)」へ



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4つの試練を乗り越えたオオナムヂ。


ついに!チャンスがやってきました!!

試練を与えてきたスサノオが寝てしまったのです!



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「スセリビメよ。私と一緒に逃げてくれないか。」


『はい。覚悟はできています。』


「逃げるために、少しでも時間稼ぎをしないと…。」


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スサノオが寝ている間に

スサノオの長い髪を束ねて

部屋の太い柱に結びつけました。


ウルトラマン級の大きさのスサノオですから、

家もウルトラマンが入るくらい大きな御殿です。


オオナムヂは、

ねずみの穴に入ることができるほどに小さい身体ですから

相当働いたことでしょうね!

ギュッと縛って、


さらに、

500人もの人で引かないと動かない大きな岩で

入り口を塞ぎました。


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スサノオが大切にしていた

『生(いく)太刀』『生弓矢』『天の沼琴(ぬこと)』

も持ち出して、

スセリビメを抱えて出口に向かって全力疾走!!


スセリビメは自分で走れば…とも思いますが、

全部ひとりでやるんですね!


今までたくさん助けてもらったこともあったからでしょうか?

オオナムヂ、かなり成長していますよね!!


……


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出口も目前のところで

琴がうっかり木の枝に引っかかって


「ガラ~~~~~~~~ンッ!!」


と大きな音が響き渡ってしまいます。


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これによってスサノオが起きてしまいました!!


『天の沼琴』は持って帰るのをあきらめて、

『弓矢』と『剣』だけを持って再び走り始めました。


実は、これには意味があって、


「軍事力」の象徴である『弓矢』と『剣』だけを得て、
『琴』だけを持って帰ることができなかったので
「統治権」は得ることができなかった。
これも、のちの「出雲の国譲り」の伏線になっていくのです。


スサノオは立ち上がろうとしますが、

頑丈に結んだ髪の毛によって動くことができません。


『ん?なんだこれは…?はっはっは!!なかなかやりおるなあ~。うおおおおおおおおお!!』


と柱ごと引き倒し、二柱を追いかけます!!

すごい怪力ですよね(笑)


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その時すでに二柱は、

根の堅洲国と地上世界の境。

黄泉比良坂(よもつひらさか)まで来ていました。』



『お~~~~~い!!いいかあ!よく聞け!!』


スサノオはオオナムヂに向けて声をかけました。


『おまえは、今日から偉大なる国の神、大国主(オオクニヌシ)と名乗り、中つ国(地上世界)を治めよ!!
その生太刀、生弓矢を使って、おまえの兄弟たちに目にもの見せてやれ!!
そして、わが娘を正妻にして、出雲の国に高天原に届かんばかりの宮殿を建てて君臨せよ!!この奴(やっこ)~!!』


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これを最後にスサノオノミコトは表舞台から姿を消すことになります。

最後も、なんだかカッコいいですよね!!



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こうして、

大穴牟遅神(オオナムヂノカミ)から

大国主神(オオクニヌシノカミ)と名乗ることになりました。


そして、

スサノオノミコトから譲り受けた『太刀』と『弓矢』で

八十神を追いやり、

中つ国の支配者となったのでした。





日本国は、建国してから令和3年で、2681年。

『現存する世界最古の国家』です。


『古典文学』に触れると、

1000年以上もの間、

いろんな時代の日本人が

「きれいだな!」

「おもしろいな!」

「大切に伝えていきたいな!」

と感じたり、考えたりしてきたことが分かります。


国際情勢が混沌とする時代だからこそ、

まずは、大人であるわたしたちが

日本人の失いかけていた、日本人の一番大切な部分


『和の精神』


を取り戻して、一人一人が輝く。

大人が輝けば、子供が輝く。

子供が輝けば日本国の未来も輝く。



一緒に、『和の国・日本国』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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