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「一つ灯」はあの世とこの世をつなぐもの!【上巻】⑶黄泉の国ー日本最古の歴史書『古事記』④ー

こんばんは。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


今回は、

「日本人のための『和の国・古典文学』講座」という主題のもと

『古事記』の中にある

「黄泉の国」(上巻)を紐解くことで、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



「一つ灯」はあの世とこの世をつなぐもの!
【上巻】⑶ 黄泉の国
ー日本最古の歴史書『古事記』④ー
【今日の内容】

1)神様も死んでしまう?!
2)「絶対に見ないでください…」と言われた時のお決まりの行動とは?
3)「一つ灯」はあの世とこの世をつなぐもの…



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前回の記事では、

天つ神の総意によって、実行された

イザナキとイザナミの国づくりについて

お話してきました。


淡路島にはじまり、

四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、本州と

『大八島』


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『言霊』の力によって

「日本列島」が誕生したのでした。。。



1)神様も死んでしまう?!



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イザナキとイザナミによる神生みによって

たくさんの神様が生まれました。


イザナキとイザナミの国づくりは

順調に進むかに思われましたが。。。


しかし。。。


一番最後に生まれたのが


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火乃迦具土神(ヒノカグツチノカミ)


という「火の神」でした。


イザナミノカミは、

この神を生んだときの火傷が原因で死んでしまいました。。。



ここで、大変なことが起きました。。。


なんと!


「神様も死んでしまう」


と言うことです。。。


たしかに、神様には寿命はありません。


神様は病気になったり、

老衰したりすることもありません。


しかし、

唯一。


神様は、「外傷」を負うこと


によって死んでしまうんです。


この出来事は、

イザナキノカミにとっては

相当ショックな出来事でした。


そして、


この悲しみに暮れたイザナキは

「さつじん」を犯します。


なんと。

生まれたばかりの

ヒノカグツチを持っていた剣で殺してしまうのです!!


ちなみに。

ここで行われた「さつじん」は

「殺神」のほうです。


先ほどは、

「火傷」によって神が命を落としました。

ここで、

「首切り」によっても神が命を落としました。


やはり、

神様は「外傷」には弱いみたいです。。。




2)「絶対に見ないでください…」と言われた時のお決まりの行動とは?



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イザナミを失ったことに対して納得のいかない

イザナキノカミは深い悲しみにくれます。


そして!


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亡くなったイザナミを取り戻そうと

単身。


死者の国である『黄泉(よみ)の国』


へ向かうのでした。。。


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そして、

すんなり会うことができました。


亡きイザナミが住んでいる御殿を発見したのです。


しかし、その門は固く閉ざされていました。


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イザナキは、


「美しいわが妻よ。わたしとあなたの国づくりはまだ途中ではないですか!早く一緒に帰りましょう!」


と門を強くたたきます。


すると、イザナキは残念そうに


「…愛おしいあなたのもとへ帰りたいところではありますが…。もうすでに、この国の食べ物を食べてしまったの。もうこちら側の国の住人になってしまったので、簡単に戻ることはできないの。」


と話します。


「そんな…。何とかして戻ることはできないのですか?」


「愛おしいあなたがせっかく来てくれたのですもの。何か方法があるのかもしれません。黄泉の国の神様に掛け合ってみます。少しお待ちください。」


「よかっ…」


「でも。絶対に守ってほしいことがあります。私が戻ってくるまでの間、『決して私の姿を見ないでくださいね』。約束ですよ?」


「おっ、おおう。分かった。」




さあ。

みなさん、この後どうなるか大体予想はついていますよね…(笑)



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これは人間の心理をついている昔ばなしによくあるお話ですよね!


『決して見ないでください』


ということは…


「見ちゃう」


ということです(笑)


「見ない!見ない!」と本当に見なかった人は

相当な正直者ですよね(笑)


知的好奇心の強い人間は「見ないで!」と言われるほど

なんだか気になって見てしまうもの。


それは、

神様も同じなんですね!




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どのくらいの時間が経ったかはわかりませんが、

「黄泉の国」は真っ暗。

暗いところで待っているとたった数分でも

かなり長い時間が経ったかのように錯覚しますよね!


イザナキもついに待ちきれなくなってしまいました。


「遅いな…。何かあったのだろうか…。」


と心配になったイザナキは、


ついに門を開けてしまいます。


辺りは、やはり真っ暗。


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そこで、

身に付けていた『湯津津間櫛(ゆつつまぐし)』という

神聖な櫛の男柱(櫛の左右の端の太い歯)を折って

火を灯します。


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そして、「一つ火」を灯して奥へ進んでいくと…。。。


イザナキの目に飛び込んできたのは、



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ウジ虫にまみれて腐敗した死体になり

変わり果てた姿のイザナミの姿だったのです…。。。。



「ぎゃああああああああああああああああ」




3)「一つ灯」はあの世とこの世をつなぐもの…



再会を楽しみにしていたイザナキが

「一つ火」を灯して見たのは、

変わり果てた愛する妻の姿でした。


ここで、


「一つ火」


という表現があります。


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日本では、古来より、


「一つ火」は、縁起の悪いもの


とされています。


「一つ火」を灯すと
『あの世の世界のものが見えてしまう。。。』


だからこそ、縁起の悪いものだったんですね。


少し、生活に目を向けてみましょう。


例えば、


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「神棚」「仏壇」に火を灯すときは

必ず二本火を灯しませんか?


宗派によっては異なることもあるかもしれませんが、

基本的にお光は、左右に二本立てるものと決まっています。


また、


夏といえば、「怪談」が流行りですよね。


「怪談」のときのロウソクは

何本灯しますか?


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「一本」

ですよね。。。


真っ暗な中。

「一つ火」をずっと見ていると、

なんだか不思議と怖いものです。


まるで、本当にあの世とつながっているような

不思議な気持ちがしますね。。。


皆さん。

真夜中には、絶対「一つ火」を灯さないようにしましょう。。。



今回は、少しホラーな感じで締めたいと思います。。。(笑)




日本国は、建国してから令和3年で、2681年。

『現存する世界最古の国家』です。


『古典文学』に触れると、

1000年以上もの間、

いろんな時代の日本人が

「きれいだな!」

「おもしろいな!」

「大切に伝えていきたいな!」

と感じたり、考えたりしてきたことが分かります。


国際情勢が混沌とする時代だからこそ、

まずは、大人であるわたしたちが

日本人の失いかけていた、日本人の一番大切な部分


『和の精神』


を取り戻して、一人一人が輝く。

大人が輝けば、子供が輝く。

子供が輝けば日本国の未来も輝く。



一緒に、『和の国・日本国』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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