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現存する世界最古の国家・日本国の元首「天皇」とはどのような存在か?(前編)ー先生のための『和の国・日本国』講座㉗ー

こんばんは。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


今回は、

「先生のための『和の国・日本国』講座」という主題のもと

「天皇(すめらぎ)」に焦点を当て、

天皇とはどのような存在なのか?

天皇と三種の神器の関係、

皇室に関する様々な問題などから、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



【今日の内容】
現存する世界最古の国家・日本国の元首「天皇」とはどのような存在か?(前編)~先生のための『和の国・日本国』講座㉗〜 

1)「天皇」とは?
2)天皇の本質は『祈ること』
3)『象徴』とはどのような意味か?
4)天皇は『日本国の元首』である



1)「天皇」とは?



2019年5月1日。


上皇陛下の上位に伴い、

「令和」の時代が始まりました。


そして、

天皇陛下は即位後朝見の儀

天皇として初めて公にお言葉を発せられました。


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「上皇陛下には御即位より、三十年以上の長きにわたり、世界の平和と国民の幸せを願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その強い御心を御自身のお姿でお示しになりつつ、一つ一つのお務めに真摯に取り組んでこられました。」


「上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、また、①『歴代天皇のなさりよう』を心にとどめ、自己の研鑽に励むとともに、②『常に国民を思い、国民に寄り添い』ながら、憲法にのっとり、③『日本国民統合の象徴としての責務』を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に願います。」


このお言葉の中に、

「天皇とは何か?」という問いに迫るお言葉が詰まっていると

思います。



まず、


①『歴代天皇のなさりよう』


というお言葉。


「歴代天皇」とのことですが、


今上天皇(現在の天皇陛下)は、
初代・神武天皇からさかのぼって何代目か知っていますか?



これを見てください。


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これは、


歴代天皇の『天皇系図』(宮内省)https://www.kunaicho.go.jp/about/kosei/keizu.html

です。


今上天皇は、

126代目であり、

初代・神武天皇から2680年間続いてきた

現存する国家の中で世界最古の「皇室」なのです。


そのため、


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世界の中でも最多となる

国王や国家元首が

「世界最古の皇室」の御即位をお祝いするために日本国に集まりました。


じつはこれ。

世界の中では類を見ないほどの

めちゃくちゃすごいことなんですよ!!


では、



なぜ、日本の皇室は2000年以上も続くことができているのでしょうか?



それは、

次の


②『常に国民を思い、国民に寄り添い』



に着目すると見えてきます。




2)天皇の本質は『祈ること』



現在の皇居(天皇のお住まい)は、


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東京城(江戸城)」です。


これは、もともとは徳川家康が造った軍事施設

今から約150年前に首都が東京に移ってから

天皇の住居になりました。


それ以前の

平安時代から明治初期までの1000年以上の間、

京都にある御所にお住まいでした。


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この京都御所には、

お堀がありません。

それどころか、敵の侵入を防ぐための石垣や

敵を迎え撃つためのやぐらや

見張りのための天守閣

兵を駐屯させる施設すらありません。

京都御所には、

「防衛」のための施設は何もありません。


京都御所は全くの無防備


なのです。


京都御所は設計の段階から

「敵が攻めてくること」は一切考えられていません。


天皇陛下自信も

まさか誰かが攻めてくるなんて思いもしなかったでしょう。


もしも、

本気で天皇陛下を暗殺しようと思ったら、

薄くて低いお堀を一枚越えれば、

御所は、障子と襖で区切られているだけなので、

闇夜に紛れて侵入すれば

すぐに玉体(天皇の御身体)までたどり着くことができてしまいます。


しかし、2680年の中で

一回も天皇陛下を暗殺し、

皇室をなくしてしまおうと考えた者はいませんでした。


では、


なぜ、悠久の歴史の中で天皇を殺そうと考えた人は一人もいなかったのでしょうか?



それは、


天皇が
国民一人一人の幸せを『祈る存在』


だからです。


日本国では、

将軍や藩主などの「権力者」と国民が対立したことがあっても、

天皇と国民が対立関係になったことはありません。


天皇は、


日本国の『祭り主』であり、
将軍や国王などの権力者を超越する存在


だったのです。


『祭り主』には、
①神事 
②政事

の二つの側面があります。


①神事


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主に「宮中祭祀」として、

一晩中、国民一人一人の幸せを祈ってくださっています。



②政事


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天皇は、政事の最終責任者(将軍や内閣総理大臣)を任命し、

天皇の名において行われますが、

天皇が直接、政治を行うことはありません。



天皇が直接政治権力を行使するのではなく、

広く国の事情をお聞きになり、『祈る』ことによって

国を一つにまとめる力を発揮してきたのです。




3)『象徴』とはどのような意味か?



最後に、


③『日本国民統合の象徴としての責務』


について考えていこうと思います。



多くの国の憲法は、

「憲法第一条」

その国家や国民にとって最も重要なことを掲げています。


その国の「憲法第一条」を読めば、

アメリカは「自由」

フランスは「平等」

中国は「労働者政党の独裁国家」

であることなど、

その国の国柄や性質を知ることができます。



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ここで、

「日本国憲法第一条」を確認してみましょう。


「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」


この条文からは、

天皇は

『日本国の象徴』であり、『日本国民統合の象徴』である

ことが分かります。



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つまり、

私たちが天皇陛下のお姿を拝したときに、

そこに日本国を感じることができたのであれば、

『天皇は日本国を象徴する』と言えるし、

そこに日本国民の統合を感じることができたのであれば、

『天皇は日本国民統合の象徴』と言えます。


しかし、

天皇陛下のお姿を見ても、

日本国を感じない人もいると思います。


憲法は、なにも

日本人は、「天皇を見たら、日本国を感じろ!」と

命じているのではありません。


では、


なぜ、わざわざ憲法にこのような条文を掲げたのでしょうか?


それには意味があります。


そもそも、

憲法に「象徴」と書けば象徴になるのか?と言えば

そうではありません。


例えば、

中国の憲法に

「国家主席は人民統合の象徴である。」

と書かれていたとしても

現在の習近平国家主席が、

中国統合の象徴足りえるか?と言えば、

香港やチベット、ウイグル、その他周辺諸国との関係悪化を見れば、

統合とはかけ離れ、分裂していることが分かります。


このように考えると、

天皇は、建国してから今までずっと『象徴』であり、

「大日本帝国憲法」から「日本国憲法」に改正されたとしても

『象徴』として機能しています。


憲法は、

悠久の歴史の事実を鑑みて、

「天皇が日本国の象徴であること」を期待し、

それが持続することを求めているのです。


『象徴』について

もっと詳しく学びたい方は、

↓こちらの記事をご一読いただければと思います。


「日本国憲法」を見れば日本国の国体がわかる!(中編)ー先生のための『和の国・日本国』講座⑳ーhttps://note.com/w1273jp211/n/nf476f8db58b7




4)天皇は『日本国の元首』である



国家がある以上、

必ず『元首』は存在します。


『元首』とは、
国家を外に向って一般的に代表する資格をもつ機関


のことです。


では、


日本国の『元首』は誰なのでしょうか?



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「内閣総理大臣」


でしょうか?


いいえ。違います。


内閣総理大臣は「天皇」から任命される存在であるので、

『元首』ではありません。



では、誰か?




そうです。


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「天皇陛下」


なのです。


例えば、


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外国の大使が着任する際に、大使が持参する信任状は、

『国家元首』が国家元首に宛てる文書ですが、

実務上、

外国大使の信任状を受け取るのは『天皇』であり、

日本国が外国に大使を派遣する際に持たせる信任状は

『天皇』が発給します。


他にも、


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オリンピック憲章では、

開催国の『元首』が開会宣言をすることになっていますが、

東京五輪と札幌五輪では、昭和天皇が、

長野五輪では、上皇陛下がそれぞれ開催宣言をなさっています。



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「日本国憲法」の第6条、第7条には、

内閣総理大臣の任命、

国会の召集、

法律の発布、

外国大使の接受など12項目が

天皇が行う国事行為として明記されています。


世界の憲法を見ると、

これらを行う機関のことを『元首』と呼びます。




天皇とは、

2680年間、

『国民一人一人の幸せを常に祈る存在』であり、

『日本国と日本国民統合の象徴』であり、

日本国の『元首』としての務めを果たし、

現在まで国民とともに歩み、

現在の美しい日本国があるのです。



次回の記事では、

天皇はどのようにして天皇になるのか?

についてお話していきたいと思います。




これまで、
「日本はいい国だ!」というと
軍国主義者と言われたり、
危険思想だと思われたりしていました。


しかし、

2011年3月11日

東日本大震災を契機に外国から注目されてから、潮目が変わりました。


じつは、わたしたちが住んでいる『日本国』はすごい国なんです!!


まだまだ、
歴史の闇に埋もれてしまった「真実」が
たくさんあります。


「日本を知ることは、
       『自分のルーツ』を知ること」


わたしたちの生まれた国をもっと学びませんか?

そして、子どもたちに伝えませんか?

自分の生まれた国を誇りに感じることは、
きっと自己肯定感とか自己効力感につながるはず。


一緒に、『和の国・日本』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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