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【No. 1026】おっととっと、ターン!

出勤するために歩道を歩いていた時のこと、目の前をいかつめのお兄さんが横切って行きました。見た目は、お笑い芸人の大吾さんみたいですが、全身イレズミの20代前半のお兄さんです。僕から見て、右手は駐車場で、左側が車道。お兄さんは右から左へ、車道を横切ろうとしていました。

車道を車が近づいてきたのか、お兄さんは小走りで駐車場を出ようとするとき、ミゾにつまづいたようでした。転びそうになって2歩くらい進んだとき…

急に、クルッとその場で一回転ターン。タップダンスのような変なステップを踏みます。タン、タタッ。そして、何事もなかったかのように、スンと直立。その後、つまずいた足がやっぱり痛かったのか片足を振ってから、うつむきながら小さくクスッと笑っています。

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お兄さんは1人で周りに友達もいなさそうでした。目撃者は僕を含め数人でいずれも見知らぬ人たち。なぜタップダンスをしたのか不明ですし、最後に笑ったのも、つまずいたことが恥ずかしかったのか、タップダンスがとっさに出てしまって恥ずかしかったのかも不明です。

ただ僕は、いかついお兄さんが笑っている姿を見て、かわいいなと思ってしまいました。ほっこりした気持ちにもなりました。

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そして、僕は「反脆弱性」という言葉を思い出しました。反脆弱とは、「転んでもただでは起きない」というイメージの言葉で、何か不運や困難があった時に、それをゼロに戻すだけでなく、困難を活かして改善し、以前よりも良い状態に進化させることを指します。

お兄さんは、つまずいて転びかけた時に、イラッとするなどマイナスにするのでもなく、ただ足が痛いのを我慢するなどゼロに戻そうとするのでもなく、そのつまずきを活かしてダンスに昇華させていました。

お兄さんは最後に笑っていましたし、誰かに見せたかったわけではないと思いますが、少なくとも僕はその光景を見てほっこりした気持ちになりました。そして、今こんな文章を書いています。つまり、周りにいい影響も与えていることになります。

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僕たちは失敗したり、つまずいたりすると、恥ずかしいと感じることがあります。周りの人がどう思うかを気にしたりもします。しかし、そのつまずきを活かして周りを笑わせることができたり、何かプラスに変えることができるのであれば、心配する必要はないのではないでしょうか。つまづいたって、失敗したっていいじゃないですか。

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おっととっと夏だぜ!という曲を、EE JUMPというグループが歌っていました。

おっととっと とつまづいても活かす。むしろ良いジャンプをする。「転んでもただでは起きない」

今はちょうど夏だし、そんな言葉とともに、「優柔不断は誤った決定よりもなお悪い」を胸に、どんどん試して、失敗していこうと思いました。

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