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「競馬実況の神様」杉本清から見るカスタマーサクセスとは?

はじめに

皆さんこんにちは。マーケ・営業プロセス向上委員会のバーチャンです。
今年もあっという間でもう年末年始。
今年の7月から約半年間、本コラムも9本目になりました。
今年読み続けてくださった方々、本コラムを初めてお読みいただく方々、来年も是非本コラムをよろしくお願いいたします。

さて、年末年始といえばクリスマス、年越し、正月・・・とビックイベント目白押しですが、一部の(競馬ファンの)方々は24日の有馬記念を「一年の総決算」と捉えて一番重きを置いていらっしゃる方もいるのではないでしょうか(笑)

本日はそんな競馬にまつわるお話になりますが、競馬に詳しくない方や興味のない方も充分ご理解いただける内容になっております。
今回の記事はこんな方々におススメの記事となります。

  • カスタマーサクセスって何?という方々

  • カスタマーサクセスの具体事例を知りたい方々

  • ちょっとためになることをライトに読みたいという方々

是非最後まで読んでいってください。
それでは今年最後のコラム、スタートです!


「カスタマーエクスペリエンス」を高める
”顧客視点”の重要性

本コラムのタイトルにもある「競馬実況」と「カスタマーサクセス」。この全く接点がなさそうな二つのキーワードですが、実はそうでもないんです。

カスタマーサクセスとは、商品・サービスを購入した顧客(消費者)へ企業側が能動的に関わり続け、「顧客の成功体験」を実現させるための取り組みです。その実現には、”企業視点”ではなく”顧客視点”で物事を考え、カスタマーエクスペリエンスを高めつづける努力が必要となります。

これは、競馬実況においても同じことが言えます。競馬を主催するJRAや実況放送するテレビやラジオ局といった企業視点ではなく、テレビやラジオの前の競馬ファンの顧客視点で実況することで、結果として競馬ファンが増えて馬券が売れる、視聴率・聴取率が上がるといった企業側のメリットに貢献できるわけです。

「競馬実況の神様」杉本清

さて、競馬ファンの方はご存じの方も多いレジェンドですが、今回スポットライトを当てる「杉本 清(すぎもと きよし)」さんについて簡単にご紹介しましょう。

杉本清は1937年生まれの86歳、元関西テレビアナウンサーで長年競馬中継を担当され、現在もフリーアナウンサー・競馬ジャーナリストとしてご活躍されています。
テレビ・ラジオの競馬中継だけでなく、ゲームセンター等の競馬ゲーム実況音声に使われていたり、最近では『ウマ娘プリティーダービー』のなかで杉本さんのセリフが引用されたりと老若男女に愛されるアナウンサーです。

杉本清は「顧客視点」の実況を何十年も体現してきた!?

では、なぜ今回杉本氏を取り上げたのか。それは杉本氏が何十年も前から”顧客視点の実況”を体現するエピソードが数多く残っているからです。
ここではそれが分かるエピソードを3つだけ簡単にお話します。

1.ラップタイムの導入

それまでラジオ放送が競馬実況のメインだったこともあり、ゼッケン番号、馬名、順位を正確にお伝えすることにアナウンサーは注力していました。
しかし、1969年から競馬中継がカラー放送化されたことで、視聴者の関心が実際のレースの”流れ”や”展開”といったよりスポーツ中継としての醍醐味にシフトしたと見てとると、それをより視聴者に「定量的に」「分かりやすく」伝えるために途中経過のタイム(ラップタイム)をレース中に読み上げるようになりました。
これは杉本さんが初めて行ったことですが、今では他局も含めて当たり前のことになっています。

2.モニター画面重視の実況

これも上記同様、それまではラジオ放送がメインだったこともあり、アナウンサーは双眼鏡を覗き込みながらマイクに向かって実況するというスタイルが一般的でした。
しかし、1973年のあるレースをきっかけに自分の実況している内容と実際に視聴者が見ている映像(テレビに映っている映像)に大きな乖離があることに気づき、そこからアナウンサーの手元にあるモニター(視聴者の画面と同じもの)を見ながら実況するスタイルにシフトし、これも現在では他局も含め一般的なスタイルとして定着しています。
ちなみに、モニター重視へと切り替えたことにより、視聴者と同じ目線で全体を俯瞰的にとらえた実況をしながら、ポイントを押さえたアドリブを入れる余裕が生まれ、名実況が数多く生まれるきっかけにもなったと言われています。

3.名実況(杉本節)

ご本人は「余計なことを言い過ぎた」と半分冗談含みで回顧されていますが、30年以上競馬実況に携わってきた杉本氏には名実況と言われるレースが多数存在します。例えば・・・

  • 菊の季節に桜が満開(1987年菊花賞:1着サクラスターオー)

    • 秋に開催される菊花賞で「サクラ」を冠名に持つ馬が勝ったことを端的に美しい表現で言い表している

  • 負けられない南井克己!譲れない武豊!(1989年マイルCS:1着オグリキャップ)

    • 人気馬2頭(そしてトップジョッキー2人)の直線での火花の散る攻防で接戦となったレースを対比法を用いてリズムよく表現している

  • 馬の世界でもレオ!(1991年菊花賞:1着レオダーバン)

    • レース1週間前のプロ野球日本シリーズで西部ライオンズ(レオ)が日本一を決めた時事ネタを短い言葉で盛り込んでいる

などなど枚挙にいとまがありません。
従来の競馬実況は”途中経過”や”結果”を正確に伝えるというものでした。
しかし、視聴者はそれだけでなくレース後の”余韻”まで楽しんでいるはずだ、その”余韻”を深める実況をすべきだと杉本氏は考えたのではないでしょうか。
そのため、視聴者視点でレースを締めくくる一言を最後に付け加え「視聴者の心を代弁する」ことで、レース全体の満足感、ひいては競馬ファンの満足度を高めることに成功したと考えられます。

おわりに

最後にご本人が自身の実況スタイルや競馬実況の在り方について考えを述べているコメントをご紹介します。

「専門用語を噛み砕いたり、ラップタイムが早いのか遅いのか、展開やその馬の走りがどうなのか、一言付け加える等の工夫が必要。わかる人にしかわからないような言い回しではダメ

「(杉本節をはじめとした)人の実況スタイルの真似は邪道。似てきてはダメで、元となる人物を絶対に超えられない。~中略~口先だけで器用にしゃべってもダメで、視聴者と同じ気持ちになって腹の底から話すこと

いかがでしたでしょうか。今回は競馬実況、そして杉本氏にスポットライトを当ててまいりましたが、ビジネスの世界でも(というよりビジネスの世界こそ)2章に書いたような「顧客視点」で物事を考え、カスタマーエクスペリエンスを向上させることは極めて重要になってきています。

「顧客視点」で物事を考えるうえでまず重要なのが、マーケ・営業プロセスがカスタマーサクセスまで考えたものになっているかどうかです。カスタマーサクセス型のプロセスへ変革する一歩を踏み出してみませんか?

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それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
来年も是非よろしくお願いします!


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