【詩】腐っていく朗報
腐っていく朗報
解体されていく持続性
形式主義者の嗜虐趣味
せめてもの悲惨を振りかざしている
平和なれした陳列罪
優柔不断な進駐軍から
釣餌と知らずに掠め取ろうと
攻撃性へと吸い寄せられる
腐りかけの鯛
方向音痴の交通機関の
企業秘密を点字に訳して
手土産代わりに持参する先の
見えない解放区
怒りとどよめき混じりに聞こえる
世界が平和である証明を
誤訳するのに精を出している
風俗の看視者
帝国趣味者の笑いの伝播が
祝福している大地の果てへと
退却しながら戦士の情けを
代議士めがけてひけらかすだけの
場末の人生 場末の国民
場末の遊撃隊
場末の国境線の向こうで
塀に囲まれた虚無
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