【詩】浅はかな休憩

浅はかな
休憩

手のひらを重ね合わせた残像を
打ちひしがれている誰かの前に
さらけ出している商人が
売り物のガス灯を
路上に放置していくごとに
少しばかり
治安が良くなっていくのを
黙認している犯罪者集団の
面白おかしい暗躍に
胸を躍らせている商人が
売り物のガス灯を
ここぞとばかりに持参していく
明るすぎる街角で
交番以外
すべての建築物から盗む
ひだまりを
振り返りざま
スプレーか何かのように
軽々しく振りかける
悪友のおかげで
少しばかり
治安がもとに戻っていくのを
黙認している囚人たちが
お遊戯しながら徘徊している
徘徊している
恐れ多くも
サイレンを背景音に
手をブラブラさせながら汚す
甘ったるい小悪党の
舌なめずりに
すぐに
朝に
影に
スプレーに
ひだまりに
夕日に
感謝していましたよ
感謝していましたよ
心から
悪党に
感謝していましたよ
感謝
していましたよ
小悪党どもに
売りつけていく売人が
ガス灯を
燃やす









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