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a16z ポートフォリオ紹介 Part.2

世界的にも有名なVCであるアンドリーセン・ホロウィッツ(通称「a16z」)が投資するクリプト企業(プロジェクト)について紹介する記事のPart.2です。本記事は、紹介した企業・クリプトへの投資勧誘、投資助言を行うものではありません。

第1弾の記事はこちらからお読みください。https://note.com/vvinyll/n/n4c3cc3f6c5ec


Celo

https://celo.org/

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Celoは、スマートフォンがあれば誰でもアクセスすることができる金融サービスとそのプラットフォームの構築に取り組んでいるプロジェクトです。日本ではイメージすることが難しいですが、世界中には銀行口座などを持つことができずに金融サービスにアクセスできない人々が多くいます。しかし、近年のスマートフォンの普及によって、このような金融サービスにアクセスできない人でもスマートフォンを持っているという一種の矛盾が生じています。Celoはそのような人々への金融サービスの普及に焦点を当て、モバイルファーストな金融プラットフォームを開発しています。

コンセンサスアルゴリズムは、PoSを採用しており、ネットワーク参加者の報酬として、アメリカドルにペッグされたステーブルコインであるcUSD(Celoドル)が支払われます。cUSD発行の担保資産としてネイティブトークンであるCGLD(Celoゴールド)などの流動性がある暗号資産が用いられています。

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また、Celoが大きく注目を集めているのは、Libraの対抗馬と表現されるほど巨大なアライアンスを構築しているからです。今後も多くの企業がこのアライアンスに参加して、モバイルファーストの金融プラットフォームを構築していくと考えると非常に楽しみです。

日本向けの情報発信も行われいるので、是非チェックしてみてください。
Twitter:https://twitter.com/Celo_Japan


Chia

https://www.chia.net/

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Chiaは、従来のブロックチェーンよりも簡単に利用することができ、盗まれにくい暗号資産を開発しています。Chiaの創業者は、P2Pファイル共有ソフト「BitTorrent」の開発者であるブラム・コーエン氏です。Chiaのブロックチェーンは、Chialispという専用のプログラミング言語で記述されており、コード監査が簡単になるようです。コンセンサスアルゴリズムには、「Proofs of Space and Time」を採用しており、PoWで懸念されている大量の電気消費と専用ハードウェアの問題を解決しています。電力や専用ハードウェアの代わりに、未使用のディスクスペース(ストレージ)を使用します。ネットワーク参加者のストレージを使用することで、より分散化されセキュリティも向上する仕組みです。

そしてこのような未使用ストレージを利用することで、ネットワーク参加者は報酬としてChiaを受け取ります。これはマイニングではなく、ファーミングと定義されており、マイニングではハードウェアが使い捨てされますがが、ファーミングの場合は後々にストレージを自由に使うことが可能だからです。

また、ネイティブトークンであるChiaはICOを行っておらず、現在取引所でも取引することはできません。メインネットローンチ後にファーミング報酬が付与され始めるので、それに伴い取引所での取引は可能になる予定です。メインネットの開発は、2020年の年末に完成を目標としているようですが、時期がずれる可能性もあります。


Coinbase

https://www.coinbase.com/

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Coinbaseは、アメリカのサンフランシスコに拠点を置くクリプト企業です。取引所の運営をしているだけと思われがちですが、Coinbase、Commerce、Custody、Earn、Prime、Pro、USD Coin、Wallet、Venturesといった多岐にわたるサービスを展開しています。Coinbaseは暗号資産を法定通貨で購入することができる販売所であり、Coinbase Proは個人向けの取引所となっています。また、機関投資家向けの取引所としたCoinbase Primeや、暗号資産の保管を行うCoinbase Custodyの運営も行っています。様々なサービスを展開しているところから、クリプトやブロックチェーンの普及に力を入れていると考えられます。Coinbase Earnではブロックチェーンプロジェクトのカリキュラムを学ぶことで、暗号資産を報酬として受け取ることができます。(日本からはカリキュラム利用は可能ですが、報酬は受け取れません。)

残念ながら、日本は販売所と取引所サービスのサポート対象になっていないので、現在利用することはできません。しかし、日本法人としてCoinbase株式会社を設立しており、日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)にも第二種会員として2020年3月頃に入会を果たしています。今後の日本でのサービス展開に期待したいところです。

また、本体であるCoinbaseが米国株式市場に上場するのではないかと噂されています。2021年初め頃の上場を目指しており、一般的なIPO(新規株式公開)ではなく、直接上場の方法を取るのではないかと言われています。


Compound

https://compound.finance/

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Compoundは、分散型金融(DeFi)プラットフォームの1つで、Ethereum上のレンディングサービスを運営しています。Compoundを利用することによって、仮想通貨の貸し借り(レンディング)を行うことができ、これらを管理者無しで実行することができます。従来の金融であれば貸し借りの管理は銀行が行いますが、Compoundではプロトコル上のスマートコントラクトが実行します。暗号資産を貸し出せば金利が貰え、逆に借りると利息を払う必要があります。

また、2020年6月にはプラットフォーム利用者に対して、ガバナンストークンである「COMP」が付与されました。COMPは、ガバナンストークンとして、プラットフォームに対する提案への投票権になります。プラットフォームの成長をガバナンス参加者に委ねることにより、非中央集権にもつながります。2020年11月現在、対応している暗号資産はDAI、ETH、USDC、WBTC、ZRX、USDT、UNI、COMP、BAT、SAI、REPです。これらを担保資産として対応するかのガバナンス投票なども実際に行われており、中央集権型の発行主体がいるトークンを対応させるかどうかの時には白熱した議論が行われていました。


Dapper

https://www.dapperlabs.com/

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Dapper(Labs)は、ブロックチェーンだからこその楽しさとブロックチェーンゲームの魅力を発信しているクリプト企業です。そのためにいくつかのプロダクトを開発しており、ユーザー数10万を誇るブロックチェーンゲームの「CryptoKitties」や、次世代のゲームやデジタル資産管理に最適なブロックチェーン「Flow」、そしてNFT分野で話題沸騰中の「NBA TopShot」などを開発・提供しています。

Flowは2020年9月から10月にかけて、CoinList上でコミュニティセール及びオークションを開催し、12,000人以上が参加し約19億円分の申込みがあり、CoinList史上最大の参加者を記録しました。セール時より日本コミュニティが形成され、AMAも実施されました。また、Dapper LabsはCoincheckと連携を行うことを発表しています。現在は、公式日本コミュニティが始動しており、情報発信も行われております。
Twitter:https://twitter.com/flowbc_jp
記事:https://medium.com/flow-japan/introduction-of-flow-4879bbc487a5

また、Dapperという支払いゲートウェイアプリも開発しており、TopShotでNFTを購入する際の決済に使用することができます。メールアドレスで簡単ログインができ、BTC、ETH、USDCといった暗号資産だけだでなく、クレジットカードを利用した決済を行うことができます。


次はDFINITYなのですが、内容が難しくて強敵だったので、Part.2は以上となります。Part.3以後もよろしくお願いいたします。

執筆者:ビニール


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