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EMARF接合部図鑑 -角の作り方part1-

EMARFで木組みの家具を作る時に要となる接合部。本記事では、作りたい形ごとに逆引き的に接合部をご紹介します。各接合部紹介のあとに3Dデータ、2Dデータがダウンロードできるリンクを記載しているので、ぜひ1度チャレンジしてみてくださいね。


角は魅せる?見せない?

スケッチや3Dモデルでは簡単に描け、きれいに見えるピン角。ですが、いざ作ろうとすると接合部を考えなければならない箇所なんですよね。逆に言えばアラレ組や留め継ぎ、大入れ継ぎや金物を使った接合部などなど、遊べる余剰がたくさんある美味しいところでもあるんです。

ピン角イメージ

頭の中にはこういう美しいモデルが!けれどそんな木の塊はないし、丸太をくり抜くこともできません。そんな時に登場するのが接合部。接合部づくりは、板を組み合わせて継ぎ目を忠実に再現していく作業です。

パズルのように魅せる接合部 -アラレ組-

視覚的な強さだけではなく、構造的にもねじれや変形に強い接合部。工具棚や作業台なら持って来いの接合部です。

組み立てやすさ:★★☆☆☆

構造的な強さ:★★★★★

アラレ組はクリアランス(オフセット値)がシビアな継ぎ手ですが、しっかりハマると構造的にかなり強くなる接合部です。その一方で、材厚の誤差の有無や、ゆるみ過ぎると継ぎ手として機能しづらいところがデメリットです。接合部の先端が細かいので、組み立て時の欠けにも注意が必要。

アラレ組
アラレ組_展開図

小口(断面)と面が交互に入れ替わるマッシブなテキスタイルに!


※掲載しているデータはすべて24mm想定で設計されています。

歪みに強い接合部-筋交い継ぎ-

四辺の角にコマを入れて固定する、魅せるタイプの接合部。

組み立てやすさ:★★★☆☆

構造的な強さ:★★★★☆

板同士を置いて側面からコマをはめるため、組み立ては少々難しめです。各接合部にコマが入るため、斜めの力やねじれには強いのが特徴。

筋交い継ぎ
筋交い継ぎ_分解図

四方をしっかり支えて、ねじれに強い組み方ができます。


※掲載しているデータはすべて24mm想定で設計されています。

EMARFにおける究極のピン角 -隠しアラレ組-


組み立てやすさ:★★★★★

構造的な強さ:★★★☆☆

見た目は華奢な接合部ですが、中はがっちりアラレ組で継がれているので、視覚的にも構造的にも優れています。ただし、先端は5mmなど薄くなるので打ち込むときに割れないよう注意が必要です。

隠しアラレ組
隠しアラレ組_分解図

※掲載しているデータはすべて24mm想定で設計されています。

完成度がグッと上がる接合部 -小口相欠き-

 
組み立てやすさ:★★★★☆

構造的な強さ:★★☆☆☆

シンプルな接合で収まりが美しく見えるのが魅力。一方で、クリアランスを取りすぎると歪みやすく、金物やボンドで補強が必要になる可能性が高い接合部です。

小口相欠き
小口相欠き_分解図


※掲載しているデータはすべて24mm想定で設計されています。

シングルラインできっちり魅せる接合部 -隠しホゾ組-


組み立てやすさ:★★★★★

構造的な強さ:★★★☆☆

パズルのようにサクッと組み立てられるのが魅力。収まりもシンプルに見えます。横揺れが起こりやすいので、金物などを入れることで強度が増しスツールなどにも用いることができます。

隠しほぞ継ぎ
隠しほぞ継ぎ_分解図


※掲載しているデータはすべて24mm想定で設計されています。

EMARFのサイトでは様々な作例もご紹介しています。ぜひ皆さんの家具づくりの参考にしてくださいね!
次回の角の作り方part2は金物にフォーカスしご紹介します。乞うご期待ください!

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