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バーチャル試着は何がすごい?VRCの取り組みとは?

皆さんこんにちは。VRC note編集長の八重樫です。

前回は採寸技術についての記事を書きました。現在VRCでは採寸だけでなく、スキャンした3Dアバターに服を着合わせるバーチャル試着の技術開発も行っています。今回はその話をできればと思っています。

そもそも、バーチャル試着とはどういうもの?

普通は店舗に赴いて気に入った服を試着すると思います。しかし、オンライン上のECサイトで売っている服を実際に家で試着するというのは難しいですよね。そんな悩みを解消するのがバーチャル試着。

バーチャル試着とは、実際には試着していない状態でバーチャル上に服を着合わせて試着したイメージを確認するソリューションです。

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今までも市場には、鏡のようなモニターの前で自分の画像の上に服を着合わせるものや、自分の写真に着合わせるもの、モデルアバターに着せてみるものなどがありました。最近では、メガネのバーチャル試着などがでてきています。

本来ならば店舗に行って試着するのが一番ですが、長引くコロナ禍で外出や店舗での買い物を控える傾向にありますし、ECサイトやアプリなどでの買い物をする人も増えているので、非接触で自宅でもできるバーチャル試着の需要は高まっていると思います。リアルでの体験が減っている中、電車に乗って買い物に出かけて店舗で試着して購入する、という一連の流れそのものをコストだととらえる人も増えてきているのではないでしょうか。

また事業者の目線で考えると、バーチャル試着できることでECサイトでの購買率も上がるでしょうし、エンドユーザーがフィットした服を購入できるようになることで、ミスマッチによる返品率などの低下にもつながります。顧客購買体験のDX化にもなるので、顧客満足度の向上やファン獲得にもつながると思います。

さらに、顧客の身体サイズのデータ取得も行われるので、そのビックデータをもとにして在庫管理や生産管理もでき、コストカットにもつながります。無駄を減らすことで、廃棄の量などを減らせることにつながり、環境汚染問題にも一役買うことができるでしょう。こういったサービスをアパレル事業者にとって手ごろな価格感で導入できるように開発しているのが、VRCのバーチャル試着ソリューションです。

VRCでは何をしているのか?

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VRCでは、3Dスキャナで撮影したアバターデータに3Dモデリングした服をリアルタイムに自動で着合わせる技術の開発をしています。スキャナで撮影した薄着の状態のアバターに試着させる、あるいはインナーボディを推定してアバターに試着させることが可能です。

ランダムな身体のデータにリアルタイムでフィッティングさせるという技術が難しく、通常は計算処理に時間がかかります。しかしエンドユーザーが使うことを想定し、素早く手軽に試着ができるよう、またPCだけではなくモバイル端末でもバーチャル試着が表現できるように開発を進めています。

そしてバーチャル試着を実現するには、服も3DCGにして事前にシミュレーションしなければなりません。

VRCではアパレル業界で活用するような服を3Dモデリング技術だけでなく、独自システムを使い、アパレルのソフトウェアだけでなくUnityなど別のシステム環境でも同様に実服の質感などを忠実に表現できる技術を保有をしています。

なぜそんなことができるかというと、VRCには服のモデリングについて3D Fashion Designerのチームがあり、従来のアパレル業界における服の生産の知識だけでなく、アパレル業界で活用する3Dエンジニアリングの知識、さらにはCG・App・Webエンジニアリング知識を幅広く技術を理解した業界でも希少価値が高いDesigner達がいるからです。

アパレル知識に限らず、CG・App・Webエンジニアリング知識がある3D Fashion Designerチームというのは、業界のなかでも希少価値が高いと思います。そういったことから、あらゆる環境下においても、実服に近いリアルな質感を再現した試着表現が可能になっているのです。

これらのバーチャル試着ソリューションは、事業者には最終的にはSDKの形で提供し、ECサイト上やアプリ上に簡単に組み込むことでエンドユーザーは利用することができます。そして、エンドユーザーは事業者が提供するECサービス内で服を選んで自分自身のアバターデータに試着させることができ、コーディネートを確認したり、着用イメージを確認することが可能になります。それができるようになると、購買体験も変わると思いませんか?


ただ、まだ課題もあります。
それは見た目だけのバーチャル試着では実際の試着体験と同じようには実現できないこともあるということです。丈感やフィット感などはわかりますが、実際に着た時の布地の感じや着心地などはわかりません。例えばアバターに着せた見た目は素敵だけれど、実際に届いたジーンズを着てみたらウエストは合うのに足回りがきついなどということがあったら、着心地に関する満足度は下がってしまうでしょう。

見た目の試着データがわかるバーチャル試着ソリューションは、宣伝などでも使えますし、ただ服の画像を見て決めるよりも着用イメージがわくので購買体験のDX化にはつながるでしょう。しかし、その先のリアルな試着と同じ体験を求めて、今後ゆるみ感や着用感についてのパラメーター設計なども必要になります。そういった開発の壁も超えて、リアルの試着体験にできるだけ近づけるように、研究開発を加速させていきたいと思っています。

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