XRの現状-VR/ARにご興味のある方、VR/ARで何かを始めてみたい方々へ-
Volumetric Video/ホログラム専門家の小池です。
日本に帰国して約3ヶ月、XRの活動を開始して約2ヶ月が経ちました!!
活動再開にあたり、XR界隈の方々よりも、業界外:XRには注目しているが、専門分野では無い方々とお話をする機会が多くあり、その中で”情報の整理や正しくアップデートされていない”のでは??と強く感じる事が多々あります。
ここ直近約1ヶ月間でXR関連のアップデートが多くあり、ポジティブなニュースに溢れているので、情報を整理しながら、XRの現状について書いていこうと思います。
Oculus Quest,HoloLens2は買い時ですよ〜!!ってブログは書いたので、今度は、今がVR/AR参入時ですよ〜!!って書いていきます。
前置き-VR,AR,MR,XRの違い-
※詳しい人は飛ばして読んで下さい(^^;
2017年のカナダでの事ですが、”ARとMRに違いは無い!!”って投資家に発言したらぶちキレられました🔥そんな事も分からん奴は出て行け🔥的な(笑)
しかし、事実としてVR,AR,MRの違いは次第に無くなっていきます。なぜなら、それはユーザーにとってあまり意味の無い事だからです(笑)そして、これはマイクロソフトが長年言い続けている事でもあります!! (※マイクロソフトはVR/AR/MRの総称はいずれMRになると提言していますが、業界ではXRと呼ぶ事も多いです)
ユーザーにとって意味の無い事は起業家にとっても意味の無い事です!!
例えば、nreal lightが発表されました。それをARグラスと表現する人もいれば、MRグラスと表現する人もいます。正しくはMRグラスです。
これを見て、ど〜でも良い〜ですよ♪ (byだいたひかる←古い?)って言いたくなりませんか!? はい。つまりは、そういう事なんです(笑)
(nreal(上)nReal(右下)Nreal(左下)とそれぞれに表記していたりね(^^; 笑)
※ARとMRに明確な定義の違いは存在します!!しかし、2019年現在、学術として、技術として、製品として、商品として、機能としての言葉に整合性が取れないのが現状です。実際に、マイクロソフトの"マインクラフト AR"に対して、"それMRだろ!?"って誰も突っ込まないんです(^^;笑 ユーザーにとっては、MRかARかなんて重要ではないんです。
そして、今後VRとARの違いも次第にあまり意味が無くなるのかなと!?
理由は、今後VRとARのハイブリッド端末が多く発売されます。そうなると、ユーザーにとっては、VRとARは単なる"切り替える”機能の1つになるのかなと。
提供する側にとってはVRとARは別物ですが、あくまでユーザーにとっては特に意識する必要がなくなるのかな!?という意味です。
余談①先日発売されたVR原論という書籍にAR(Artificial Reality)と記載(P.25)がありました。現在ではAR=Augmented Realityなので、歴史の中でもARの意味合いも若干変わってきています。(まだ読み終えていないので、その説明も本の中にあるのかな?)
余談②MRの概念は1994年にMilgram教授と岸野教授によって発表されたようです。VR・ARに比べると比較的歴史は浅いんですね!!
VR,ARは今やるべき!!でも、何をすべき??
最新のIDCレポートによると、2019年のXR市場は約1.8兆円、2023年は約17.3兆円と予測されています。4年で市場が10倍になるって超ホットじゃないですか?? はい。ようやく今が参入時期だと思います!!
toB向けソフト編
2023年までにソフトで伸びる分野は断然"toB向け"です!!キーワードは①トレーニング②メンテナンス③シミュレーションです!! (※この辺りを後半でブレークダウンします)
Walmartが社員教育にVRを活用している事は有名ですが、下記のような結果に繋がっているようです(^^)/
訓練にかかる時間が40%削減、そして70%の従業員が従来のトレーニングを受けたスタッフと比べ高いパフォーマンスを発揮した
そして、2019年toB向けVRソフトの需要と供給のレポートです。(※複数回答可なので100を超えてます)
社員教育とヘルスケア領域の需要が大きく、建築、デザイン系も求められているようです。
反対に、トラベル/レジャーのミスマッチ感はハンパないです(^^; 360°関連はそこまで需要は無いみたいですね!?
toB向けAR/MRは、社員教育、製造業、生産管理、小売、建築、デザイン系に需要があるようです!!
まさに今年発売される、HoloLens2と新型Googleグラスが大活躍しそうですね!!
toC向けソフト編
2018年のtoC向けVRソフトでは、施設型VRのシェアが一番大きかったようです!!
しかし、2022年には一般のVRゲームが67%を占めています。(今後3年でロケーションVRは2倍、一般のゲームは10倍に市場が伸びる予想です。)
Oculus,STEAM共にVRの月間ユーザーは100万人を超えているので、既にコアユーザーは定着しています!! 今、VRゲームに参入するのはチャンスが大きいと思います!!
toC向けモバイルAR/MRの使い道ではSNSがダントツです!!
Snapchatがこの分野のリーディングカンパニーで、今年に入って株価が180%伸びてます!!(この辺りはこのブログで書いています)
最近、ARフィルタで性別を変えるの話題になっていますよね??あれです!!
ティーンはARエフェクト大好きです!! Snapチャットユーザーの75%がARを毎日使用しています。(注目すべきは"AR"と全く意識せず、自然とユースケースに溶け込んでいる所です)
ペプシはインスタで100を超えるARエフェクトを集中投下してきました!!
大人の知らない所で、AR広告はARエフェクトとして既に日常に溢れているんです!!
なんですが、モバイルARの売上のほとんどはゲームです(笑)
そして、2022年でのVRゲームよりARゲームの方が市場は2倍大きいようです!! (※2022年AR広告市場は$2.4Bだそうです)
2019年4月のPC,コンソール,スマホを合わせたのデジタルゲーム市場が$8.86Bだったので、1ヶ月間の全デジタルゲーム市場とほぼ同等の市場が2022年のARゲームになるんで!!めっちゃデカくないすか??
しかし、スマホ向けARゲームはライバルが多いです(>o<)他のスマホアプリ(もちろんゲーム以外とも)と競争する必要があるので、相当な仕掛けor IPが必要なのかな〜と思います(^^;
なので、VRゲームの方が勝率は高いのかな??とも思ったり(^^;
VRハード編
先日発売された、Oculus Questですが"売り切れ続出"だそうです!!
そして中国ではまだ発売されていません。
中国版Oculus Goは3分で完売したそうですし、Oculus Questも爆売れ間違いないと思います!! (発売されれば。笑)
※XRマーケットの市場1位が中国、2位がアメリカで、全体の75%(2023年)を占めると言われています。なので、toC向けは北米か中国向けに開発すべきなんです!!
PSVRはPS4ユーザーの20人に1人が買っていて、推定で累計500万台売れたそうです。
2018年度、SONYのXPERIAシリーズは世界で650万台が売れました。
PSVR、めちゃくちゃ健闘してませんか!? PSVR2の開発も噂されていますし、XPERIAよりもPSVR2が売れる日も近いかもしれません(笑)
AR編
上の市場予想で気づいた方も多いと思いますが、toCに関しては当分の間、VRはHMD、ARはスマホと捉えて問題無いです。2019年にARに対応したスマホは世界で14億台。2020年には17億台とVRとは桁違いなポテンシャルユーザーがいるんです。
そして、クアルコムから注目すべき発表がありました!!
クアルコムのロードマップとして、2023年までに1.86億台のAR/VRデバイスを流通させるべく開発されたXR1という低価格XRデバイス向けチップです。
低価格向けですが、2台のカメラで6DoF、ハンドトラッキング、アイトラッキング対応と、まさに本格的なXR体験が可能な革新的なチップを発表したのです!!(※nreal lightは、ハンドトラッキングもアイトラッキングもないです)
すべてのXRグラス(HoloLens,Magic Leap,Oculus,Googleグラス)はモバイル通信ができません。WiFi環境が必要です。あとはここが解決されれば、XRハードの普及の障壁は一旦無くなります!!!!!!!(※nreal lightは、スマホ接続なので4G使えます!!)
Q. 中国では2012年にスマホの販売が爆発的に(1年で1億6900万台⤴︎)伸びましたが、当時中国国内にスマホを生産していたメーカーは何社あったでしょうか??
A.4社 B.40社 C.400社
問題が簡単すぎましたね(笑)正解はC 400社です。
toC向けARグラスの発売を控える/開発を公言/噂される企業は、アップル、Google、マイクロソフト、Facebook、サムスン、Lenovo、Huaweiなどのテックジャイアント勢がいますが、個人的に2023年以降には今は全く無名orまだ設立されていない企業がXRデバイスのシェア上位に入ってくると思っています。
チャンス!!となった瞬間に、また数百社くらいのXRデバイスメーカーが中国に爆誕して、業界の勢力図が塗り替えられるのかな〜なんて予感もしています(笑)
XRを簡単にブレークダウン
XRとは自然界をデジタルに置き換えたものです。
五感と物理法則をデジタルで再現するのがXRなのかなと。
AR/Spatial Computingをやっている人は"現実世界とデジタルキャンバスを融合させる"とかって言ったりしてます。
なので、あまりVRとかARとかHMDとかに捕われるよりは、デジタルなインプットを提供すると考える方が自由なアプローチができると思います。
toB向けキーワードの本質を言語化してみました。
①トレーニング ②メンテナンス ③シミュレーション
・再現性が低い、或いは経験する障壁が高い事象を、現実に限りなく近い状態で再現/体験できる。
・カメラ(視覚)、マイク(聴覚)の情報をエッジで解析し現場で瞬時にサポートを得る事が可能になる。
・視覚的自由度が高く、能動的学修と相性が良い。
よくXRはimmersive(没入感)と言われますが、本当に大事なのはinteractive(デジタルの操作性)だと思っています。デジタル(情報)をストレスなく扱えれる事に真のXRの価値なのかなと。
まとめ
XRのデイバスは買い時なので、ソフトを提供しましょう!!
toB向ソフトの需要は間違いなく日本にもありますし、一番伸びる市場です。
VR:社員教育、ヘルスケア領域、建築、デザイン系
AR:社員教育、製造業、生産管理、小売、建築、デザイン系
toC向けは、VRもARもゲームです!!
ARはスマホにフォーカスして考えて良いと思います。グラスが出てきてもARCore,ARKitで開発する事は変わらないと思うので、今から触って、知見を貯めておくべきだと思います。
中国から出てくる大半のXRグラスのOSはAndroidだと思います。(外交問題が大きくならなければ) Windowsが中国でNGになる事は無いと思うので、どこかが出すかもですけど、まぁAndroidでしょうね。
HoloLens2は日本で本当に需要あると思うので、皆さんオススメです!!
アプリストアも自由化されましたし、結構すごい事になると思います!!
P.S
最近VVでぶいぶい言わせれてないですが、少しづつ形になればな〜と思っています。皆さまにお届けできるように、頑張ります〜!!!
2019.6.10 Hiroki Koike