静謐な暗がりの中で、灯火だけが不規則に揺らぐ。曖昧なシルエットに底冷えする憂鬱がまとわりついて、身じろぎすら躊躇われる宵闇だった。時計の針は深更のカーテンを切り取って進むけれど、窓外の景色は天井画のように揺るがない。気まぐれにそよぐ熱がいつか消えてしまいそうで、そっと瞼を閉じた。

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