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グラフィッカーはダメゼッタイ!正しい名詞の見つけ方、名付け方 ― グラレコするなら正しい名詞を選ぼう ― グラレコ楽描術

 とあるビジュアルプラクティショナー(グラフィックレコーディング、ビジュアルファシリテーションをする人、ビジュアル化の実践者)のイベントに参加したのですが…気になることがあったので書きます。

グラフィッカーはダメゼッタイ!

 「グラフィッカー」。グラフィックレコーディングをする人の呼び方だそうです。私はこの言葉を使うことに反対しています。

graphicer(読み)グラフィッカー
《〈和〉graphic+-er》CG(コンピューターグラフィックス)を制作する人。また特に、それを職業とする人。

コトバンク デジタル大辞泉
グラフィッカーはダメゼッタイ!

正しい名前の見つけ方・付け方

 IEEE学会の関連学会で入賞したこともある研究者だったこともあるのですが、その際に叩き込まれたことからまとめてみます。

  1. 辞書で調べる

  2. 公的文書や白書での定義を確認する

  3. 学会の論文上の定義を確認する(研究者に確認する)

  4. 業界の用語集で調べる(識者に確認する)

  5. 専門家の書いた書籍で確認する

  6. ブログなどのミドルメディアで確認する

  7. SNSで確認する

 最先端の定義を重要視するなら上記の3番を優先させます。1、2を上位においているのは一般的に知られている使い方の方が良いと考えたからです。

 研究者が用語定義についてどう考えているのかは以下のビデオが参考になります。

イベント後にまとめたものはグラレコではない

 とあるイベントに出たときに、イベント後に録画を見ながらまとめたイラストのことをグラレコと定義している人がいました。いや、これは違うと思います。
 グラレコ。グラフィックレコーディング。絵や図で記録する。何をか。それが会議や講演などの内容や様子です。記録、すなわちその時、その場でおこっていることを記す。これが文字や言葉から連想される概念だと思います。
 しかし、その方は録画という記録をみてかいたものをグラレコと言ってました。百歩譲ってグラレコ風のイラストと言っていればこうやって記事にすることはなかったと思います。どちらかというと「手がきのまとめイラスト」と称するのが実態に近いのだと思います。

正しい名前で呼ぶようにする

 正しい名前で呼ぶことが大事だと思っています。何らかのプロジェクトが失敗した。危機的状況に陥った。そんなときに打ち合わせ、会議に出る。そこでは必ずと行っていいほど正しい名前で呼ばれていない。みんなバラバラ。
 ディスコミュニケーションの原因の多くが定義が間違えている/誤認しやすい使い方をしている/認識がそもそもあっていない。こんなことから生じています。
 正確な定義が見つからないから勝手に付けた。よくわからないから受けた印象をそのまま信じ込んだ。このような事態があまりにも多い。大学への進学率が多い昨今、論文を本当に書いたことがない。そんな教育現場の実態が見え隠れしていると思っています。

絵も大事だが言葉はもっと大事

 グラフィックレコーダー。ビジュアルファシリテーター。こららを行うビジュアルプラクティショナ。かわいい/わかりやすい/きれいな絵ばかりに目がいっています。しかし、コミュニケーションなのですから大事なのはコトバです。
 正しいコトバを使う。そのためのお作法を学ぶ。そんな機会を提供しています。

【参考】GR/FG/RTDに関する学術的な定義

 以下の記事にまとめています。参考にしてみてください。


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