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グラレコの適正価格?

 最近「この価格で」と言われたりすることも増えました。しかし思いの外低かったりします。また、先方のことを考慮し今後のお付き合いもあるのでほぼ原価で示した金額に対して難色を示されることも。
 いろいろな観点で適性価格を考えていきたいと思います。

世帯年収から支出を考える

 こちらの記事では、世帯年収1000万円だと支出は49.6万円あります。オンライングラレコを考えると、タブレットPC(iPad Pro等)、ソフトウェアなどもろもろ50万円ぐらい必要だとします。4年間毎月支払うとして1.0万円ぐらいになります。

稼働可能時間を考える

 仮に120分のグラレコの案件を受けたとします。
 リアル会場の場合は現地に赴かねばなりません。当然ですが家まで戻らなければなりません。つまるところ、1件受けてしまうと1日はほぼこれでつぶれると考えるべきです。
 実際、1日に2件以上になったことは私にもほとんど経験がありません。

稼働可能日を考える

 一般的に土日祝日を除くと月当たりの稼働可能日は20~22日と言われています。ここで20日すべてにグラレコの案件がきたとします。
 支出は約50万円でしたから原価は2.5万円/日となります。
 しかしながら、20日すべてに案件が入るほど案件がきた試しはありません。仮に5案件/月くる場合を想定します。そうなると原価は10万円/日となります。

Webで調べた金額だと原価も稼げない

 Webで「グラレコ 価格」などで検索します。すると上記に近い金額が表示されます。しかし、このブログで述べたようにこれはあくまでも原価です。1ヶ月5件に満たない場合も多いと思います。(実際私もそういう月が続いたことがあります。)
 結論から言うと「グラレコ 価格」の金額では食べていくのは大変困難だと言わざるをえません。

専門性を上げるにはさらに投資が必要

 グラフィックレコーダーには専門性が必要だと考えています。と言うのも、何らかの専門になっていないとその業界の言葉がわからないからです。知らない言葉は拾うことができません。これではグラフィックレコーディング自体が難しいです。
 資格をとったことがある人ならわかると思いますが、数万円~数十万円かかることはざらです。大学院で修士をとるとなると数十万円、交通費など諸費を足せば百万円近くはかかるでしょう。これも原価に入れるべきと考えます。

1枚数千円ぐらいと考えるのはやめてほしい

 イラスト一枚3~5千円と考えている人が非常に多いです。これは本当に迷惑です。本当にやめてほしいと思っています。
 上記に原価計算をさせていただきましたが、その点をご考慮ください。

対価分の価値はあるか

 価値の計算は非常に簡単です。
 例えばワークショップの参加者が20名、参加できなかったが実際にはその情報を必要とする人が80名、計100名いたとします。その人数相手に、何らかの行動変容を起こす。そう計算すればグラフィックレコーディングの費用が20万円だったとしても一人あたりのコストは5,000円です。
 価格についてはこういうメリットや従来の方法だと100万円かかっていたものが20万円にディスカウントできた。こういうことから考えていただきたいと思います。

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