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ソウルの地下鉄界隈からモノ売りの人の姿が消えてしまったこと


気が付いたら、名物(自分的に)となっていたソウルの地下鉄構内に物売りの人の姿が消えてしまった。

ひと昔、
韓国ソウルの地下鉄構内では所狭しと様々なものが売られていたのが当たり前の光景だったのに......。

階段に座ってかご一個で野菜を売るおばさんたち、ゲリラ的にニセモノの服を売るお兄さん、乾電池や工具を風呂敷広げて商売をしているおじさん。

徐々に減ってきてはいたものの、昨年ソウルに行ったときに「あれ?全くいない!」
ということに気が付いた。

あの商売をしていたおばあさんたちは今どこで商売をしているのだろうか。ということも気になる。

あのぐちゃぐちゃで、なにが飛び出すか予想もつかないところが好きだったんだけど残念.....。

ほとんどの駅がきれいになってしまってわりと普通の駅に変化してしまい、旅行者としては物足りなくなってしまった。

電車の中でもモノ売りが

物価もここ10年で相当上がってしまったし、街も整備されている。

10年ほど前までは、電車の中でガムを売りに来るおばあさんや、意味不明なチラシのような紙を、座ってる人全員の膝の上に置いていく人。

スピーカーごとカートに乗せて大音量で音楽を流したまま電車に乗ってくるCD売りのおじさん。

電車に乗るといろんなジャンルの物売りがいた。

どれも初めて見たときは衝撃的で、エキサイティングなところも好きだったんだけど.....。

電車シリーズで最も強引な手法

いろんなモノ売りがいたが、中でも衝撃を受けた手法があった。

それは、座席に座ってる乗客の膝の上に、順番にモノを強引に置いていく手法。
初めて自分の膝の上にモノを置かれたときは正直戸惑った。

周りを見渡すと、まるでその「モノ」が見えていないように全員が無反応なのだ。

寝てる人はそのままだし、とにかくそのモノを一切見もせず触りもせずでいる。

一通り、配り終えると大声で商品説明をし、そのあと最初置いた場所から今度は回収していく。

欲しい人だけが、回収に来た時にお金を払うというシステムなのだ。

まあ、ほとんどの人はもちろん買わない。

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このモノにもいろいろ種類があって、時々「手紙」のようなものまである。これに何が書かれているかというと、自分がいかにお金に困ってるかということが書かれている。

このパターンの場合も、寄付しようという人は手紙を回収に来た時にお金を払うというか寄付していた。

ほとんどの場合、全員が無視。

だけど、これはプレゼン力がわりと重要で「この人やるなぁ」と思うぐらい人々が反応してるときもあった。

このパターンの驚くところは、若い男性もいれば、小さい子供をおんぶした若いお母さんもやってたことだった。

だけど今となって考えると、演出だったのかもしれないとも思ったりする。

時代の変化なのか

地下鉄でモノを売る行為は、もともと違法なものらしいけど、全く売る人がいなくなったということは本格的に取り締まりがあったのか。

駅構内でわざわざ商売をしなくても他に仕事する場所が見つかったのかはわからない。

それでもしがみついて商売をしなくてはどうにもならない人も少なからずいたはずだとは思う。

あの人たちは今どこで、どんな形で商売をしているんだろうか.....。


そこで商売をしている人たちには事情があったり、日常的に地下鉄を利用するサラリーマンなどは、きれいな駅のほうがいいに決まってる。

だけど、ソウルの地下鉄駅構内も街もひっくるめてテーマパークと同じぐらい楽しめた思い出がたくさんある私にとっては少し寂しくもある。


昔、人にソウルの楽しさを聞かれた時、いちばんに話すことがこの駅構内のネタだった。時代の流れは早い



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