この時代の自治会のあり方とは?美濃加茂市の自治会のあり方検討会から
今、自治会の在り方が問われています。
関市では自治会よりも広い、小学校区で「地域委員会」を設立し、そこで地域の課題解決をするための取り組みを作っています。
お隣美濃加茂市では、かなり先進的な取り組みが進んでいます。美濃加茂市では、岐阜県下で自治会加入率がワースト。数字が全てではありませんが、何か対策をとらなければならないことは間違いありません。
そこで、美濃加茂市は、令和3年度から「自治会のあり方検討会」をスタートさせました。その検討会を私もぎふNPOセンターの副理事長として企画の段階から関わらせていただいています。
この取り組みのすごいところは、
自治会側の自ら改善を考える取り組みと、
行政側の自治会依頼事項の見直しを両面で取り組んでいるところです。
全国どこでも、自治会から、行政からの依頼事項の多さへの不満がたくさんでています。ある町でアンケートをとったら、自治会長へ依頼される役職は平均12もありました。
そこを「そもそも必要なのか」「自治会にお願いするべきことなのか」をそもそも論から議論していく場が、来年度からスタートする予定です。
3月9日には、1年間取り組んだ自治会の方々の課題と感じていることの改善活動の発表会が開かれました。
今年は5つの自治会が取り組みました。
例えば、下組自治会さん。自治会に関する集金業務が大変。班長さんが集金業務を担当していますが、何度行っても居ないとか領収書を書くのが大変などなど、不満がありました。
そこで、今年度から集金袋を導入。自分達で入れて、班長のところへ持ってきてもらう方法にしたところ、格段に負担が減ったそうです。今回は一部の班での試験的導入でしたが、来年度からは、自治会全部に広げるとのこと。
また、中部台自治会さんは、デジタル回覧板の導入と資料のペーパーレス化、会議のオンライン化を実施。
選択制にしたところ、742世帯中、435世帯がデジタル回覧板を選択していて、307世帯が紙での配布となりました。格段に回覧板を回す手間が少なくなったとのことです。
山之上地域では、地域での防災力強化のために、通常小学校区単位で防災訓練をして、単位自治会の訓練は非常に簡易なものでしたが、単位自治会でも消防団さんを中心に、消火栓のやホース格納庫の確認や消火器の使い方などを学びました。その結果、消火器の販売件数が増えたり、より自分ごととなった訓練ができたそうです。
こういった、自治会ごとの小さな改善活動を美濃加茂市としては、積み上げて行って、学び合いの場や事例集をつくり、他地域も簡単に真似できるような取り組みをしていかれます。
一番大事なことは、自治会、役員の負担を減らすだけではなく、減らした時間で、本来やるべき、災害対策、高齢者の生活支援などに取り組んでいくことです。
私自身、ここ数年、自治会についての講演の依頼が一番多くなっています。
今後、大変重要なテーマであるので、関市においても、ここを重点的に取り組んでいくべきだと考えています。