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施設とボランティアと

ボランティアはなぜ施設に必要なのか。
施設のボランティア窓口になったこともあり、結構シビアな問題です。

ボランティアのためのボランティア問題

施設にとってボランティアがコストだと感じることは、なにより、
ボランティアのボランティア問題です。
簡単に言うとボランティアさんを受け入れるために職員が必要になり、ボランティアさんのやりたいことを施設でやるために職員が動き回るということです。
この話はボランティア側の持つ「ボランティアは足りない職員を満たすためにいるのか」問題と裏表にあると感じています。
つまり、ボランティア=人手という視点のみで理解すると上記のようなことになります。

たしかに災害ボランティアなどでは、人手という認識が強いとは思いますが、施設ではそれ以外の視点でボランティアの意義を考える必要性を感じています。


施設におけるボランティアの意義

ご存知だと思いますが、そもそもボランティアは「志願して」「自由意志」「自発的な」活動という意味を持っています。
施設、ボランティア各々が主体的な存在として、それぞれの持ち味を生かして子どもの育ちに一緒に関わってもらうことが、その意義だと思います。
その上で施設における意義を考えていこうと思います。

施設のことを知ってもらう。

児童養護施設というキーワードは世の中でもよく知られる言葉となっています。でも、そこにいる子どもの様子やどんな生活をしているのかはよくわかっていません。そういう意味でも児童養護施設の生の姿を知ってもらう窓口としてボランティアは施設にとっても、ボランティアさんにも有意義だと思います。

その上で、関わってもらう。繋がり続けてもらう。
ボランティアさんに、ひとつお願いしたいことは繋がり続けるということです。子どもたちにとって「別れ」は大きな影響もあります。大きなショックを受ける子もいますが、それよりも慣れていく子も多いです。「どうせこの人もいなくなるんだろう」「やっぱり来ないね」という感じにどんどん期待しなくなっていきます。
一方で何度も関わりが出てくると、顔のわかる関係になって、個別な関わりや週末里親などの関わりになっていくケースもあります。子どもも、関わり続けてくれる人としの付き合い方になっていきます。「〇〇さんなら、やりたい」という発言が見えてきます。

結局、人と人とのつながりの中で行われるものがほとんどのボランティアになるので、職員とは違う立場でボランティアさんがいることはよい影響になることが多いと思います。

新しい体験の提供

そのひとつが職員にはない大人の世界を提供できることです。
施設職員が提供できることは実は少ないのです。何より幅が狭い。
そこに色々な仕事や体験をしている方がいるということが子どもにとって大きな影響となります。
例えば「なぜ英語を勉強するのか」という問いに職員が答えるよりも、外資系の会社員や外国の方が答えるほうが子どもにはしっくり来るのです。
そして、ボランティアさんは職員すら知らない仕事や働き方を学べる生きる見本でもあるのです。

風通しのよい、開かれた施設運営

施設の中はどうしても閉鎖的になります。最近は地域小規模化によって職員の中でも、様子を把握できないようなホーム(寮舎)が出てきています。
閉鎖的になると何が良くないかというと、大人と子どもの中で独善的になっていきます。その場のノリで物事が動くことが当たり前になっていきます。
それを個別化ということもできますが、まぁ殆どの場合は誰かのエゴであることが多く、悪影響が多いと思います。
それは他の誰かが見ていることでその傾向は薄まります。職員間で補うことが何よりですが、それよりも外のボランティアさんと関わることでより客観的な支援ができるようになると思います。

総じていうと、ボランティアさんの存在は大きいし、相補的に関わり合う必要があるなと思っています。他の施設での取り組みなどもしあれば教えてもらえると嬉しいです。

今日は以上です。
3日坊主をしないようにと言いながら、先週も飛ばしてしまいました。
実は仕事がごたついていて無理のない範囲での更新になるかもしれません。週1回は目指したいので、引き続きよろしくお願いいたします。それではまた来週。

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