見出し画像

そんなもの寄贈されても…

よくある話ですが、
施設にはよく寄贈希望の連絡が来ます。
素敵な寄贈もあれば、うちはリサイクルショップじゃないよ?ってものや、思想の普及活動に利用されてるようなものもあります。

そしてそんな電話が来ると職員の中には「そんなの普通に考えたら要らないのわかんないのかな」ってこぼすんですね。

個人的にはこう言う発言を聞くと 児童養護施設って恵まれてるなぁと思う訳です。母子生活支援施設で働いていた時には、こんな頻回に寄贈とか来ないんですよね。
まぁ、電話番号を公開していないことも理由にはあるのですが、本当に来ない。
でも、児童養護施設は私がお金払って行きたいわって思うような招待行事から、そんなものくれるの?っていう素敵な寄贈までたくさん来るんです。


そんな状況がある中で、施設職員はもらえて当たり前と言う感覚を持ちやすいよなぁと感じています。
そして自戒する意味でも考えたいのは、要らない寄贈の問い合わせをしてくれる人の善意やアクションに敬意を持っているか、
その愚痴を言う前に私たち自身は理解してもらうために何かアクションをしていたのか?ということです。


話は変わりますが、昨年の冬にはほしい物リストによるクリスマスプレゼントの寄贈が全国的なブームになりました。
うちの施設にもたくさんの寄贈をいただきました。本当ありがたかったですし、善意のあたたかさは嬉しかった。
それと同時に、施設のホームページに不要なものもリストアップしました。
例えば、連絡のない匿名での寄贈(特に食品)、古着などの中古品、問い合わせのない寄贈など

つまり、欲しいものと要らないものを先に伝えるようにしたのです。

するとほとんど「そんなの要らないよ」電話はなくなり、逆に寄贈してくれる方がほしい物リストを見ながら、相談して寄贈していただくことが多くなりました。


そんな経験から私としては
世の中に「何かしてあげたい」という気持ちは確かにある
そして、思っている以上に、世間から施設って知られていない
ということを感じています。

最初に出てきた要らない寄贈を問い合わせてくれた人も、何かしたいという気持ちがあったんだと思います。
でも今の児童養護施設で子どもたちがどんな生活をしているのかは知らない。
そんな中でドラマやニュースのイメージから必要かもと電話をかけているかもしれません。
そんな人に向けて、「わかってない」と言うのではなく、「今施設では、こんな生活をしていてこんなところに困ってる」と伝える方が社会に仲間を作るためには必要かなと思っています。そして、もっと施設は発信していく方が効果的だし、効率的だなと思っています。

参考にこんなサイトもあります。


今回は、寄贈について思うところを書きました。
色々と思い出したことがあるので、来週も社会からの善意、ボランティアについて書いていきたいと思います。

それではまた来週。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?