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faded 編

はじめに

前回の記事で紹介したエラーカードの1つである『faded(色褪せ)』について記事をまとめました。faded個体の色に関する解説及び実際のカード紹介の2パートに分けて魅力をお届けします。


fadedとは

『faded』は和訳すると《色褪せ》となります。
遊戯王カードの中でも『北米版』『初期』にのみ存在する《色褪せ》カードをコレクターの間では『faded』という総称で表しています。

色褪せの原因としては、カードの製造工程における印刷ミスで『マゼンタ』の色が薄くなる、もしくはほぼ無くなることで通常とは違った色に変色することで起こります。

通常であれば《色褪せ》という表現だけ捉えるとマイナスの印象を持つ方が多いと思います。しかし、このカードには《色褪せ》によるアンティーク感の魅力があり人気カードとなっています。

また、圧倒的に『faded』カードは希少な存在であることも人気に拍車をかけている要因となります。

日焼けではない理由

色褪せ=日焼けという認識をする方がほんどです。
しかし、この『faded』は日焼けではなく製造工程においてマゼンタの色素が薄いもしくは抜け落ちたものなので《日焼け》と『faded』には違いがあります。

その違いについては次の項目で説明します。

実際に『faded』が日焼けではない理由として、以下の証拠が挙げられます。

それは…

未開封商品から『faded』が確認された

という事実があることです。
未開封商品は紫外線に触れることがないため、開封されない限り《日焼け》することはあり得ません。

日焼けとの違い

《日焼け》と『faded』の違いを明らかにするためには色に関する解説が必要となります。

●印刷インク三原色

プリンタで使用するインクは以下3種類の色素によって構成されています。

・シアン(C)青緑
・マゼンタ(M)赤紫
・イエロー(Y)黄

これらを混ぜ合わせることにより、基本的に全ての色をつくることができます。

●日焼けによる色褪せ

主に原色系の色素である『赤』『黄色』『紫』は紫外線を吸収しやすい性質があります。

紫外線を吸収することで、色素の結合が弱まったり破壊されてしまいます。

それにより本来の色味が失われることで退色と呼ばれる色褪せが起こります。

●日焼け実験の結果

今回の記事作成にあたり、参考にした動画があります。以下のような実験を行っていました。

・『faded』トラップカード「落とし穴」1枚
・通常のトラップカード「落とし穴」1枚

2枚の同名カードをそれぞれ用意する。
通常版を直接日光に当てて日焼けさせる。
それを経時的に『faded』と色味の比較する。

この動画の実験結果では《日焼け》により最も早く退色した色は『黄色』であることが分かりました。

もちろん、実験の環境や条件によって結果は変化することはあるかもしれませんが有力な情報だと考えています。

是非とも興味のある方は以下の動画閲覧をオススメしますので、宜しければご覧ください。

●違いのまとめ

《日焼け》
黄色の退色が認められる

『faded』
黄色の印刷が認められる

つまり、結果をまとめると…

『fadedカードは、紫外線で退色した色褪せカードには残っていない黄色が確認できる』

ということになります。
紫外線による退色は、マゼンタ以外の色素も退色させているということが違いのポイントになるのではないでしょうか。

fadedカード紹介

ここからは実際のカード画像と共に、fadedカードの特徴と魅力について紹介していきます。

ここからの記事は作成にあたりコレクターの方から、カード画像を提供していただきました。

私の『faded』をテーマにした記事に賛同して下さり貴重なカード資料を使わせていただけることを本当に感謝します。

●青眼の白龍

SDK-001
PHOTO BY リョイト@遊戯王

カード名:BLUE-EYES WHITE DRAGON
型番:SDK-001(unlimited)
収録:STARTER DECK KAIBA

最初に紹介するカードはコレ以外考えられない!
『青眼の白龍』fadedカードとなります。

このカードの特徴は以下の通りです。

・バニラ色がくすんでアンティーク感がある
・青ホイルがグリーンに近い色へ変化?

fadedにおける1番の魅力は『 アンティーク感』ではないでしょうか。色褪せ具合の指標としてはレベルの星マークが分かりやすいと言われています。

コレクターの間では最上級の色褪せ個体を『max faded』と表現して、色褪せの強弱を区別しています。

max faded 〜 通常個体までグラデーションになるよう並んでいる貴重な画像が以下となります。

faded 〜 通常個体
PHOTO BY リョイト@遊戯王

画像の左が max faded となり、右が通常個体です。
個人的には右から2番目が通常個体で、1番右は濃バニラのようにみえます。

同じ型番で同じ北米版印刷でもこれだけの個体差があると、もはや別物のカードと言って過言ではないでしょう。

●炎の剣士

LOB-003
PHOTO BY リョイト@遊戯王

カード名:FLAME SWORDSMAN
型番:LOB-003(unlimited)
収録:LEGEND OF BLUE-EYES WHITE DRAGON

2つ目に紹介するカードは、融合モンスターより『炎の剣士』fadedカードとなります。

融合モンスターの特徴は何と言っても色の変化。『紫』のマゼンタが薄くなり『青』に変色します。

遊戯王の『青』といえば《儀式》カラーですが、fadedコレクターにとっての『青』は《融合》カラーになってしまうんです。

こちらも左から右にかけて、濃融合〜max faded のグラデーションとなる貴重な画像となります。

●聖なるバリアーミラーフォース

MRD-138
PHOTO BY リョイト@遊戯王

カード名:MIRROR FORCE
型番:MRD-138(unlimited)
収録:METAL RAIDERS

最後に紹介するカードは、罠カードより『聖なるバリアーミラーフォース』fadedカードとなります。

通常は『ピンク』もしくは融合カードを『青紫』とすると『赤紫』という表現がなされる色合いです。これが max faded となると『グレー』に変色します。

同じような紫系の色合いでも、マゼンタが薄くなることによる変色結果が異なるというのは面白いですよね。

おわりに

『faded』をテーマに深堀りして記事をまとめていきました。私の独自調査に基づいた記事としているため、もしかすると事実と異なる内容があるかもしれません。

その点をご了承いただいたうえで、この記事を楽しんでもらえたら幸いです。

個人的に非常に興味がある世界なので、金銭面とタイミング、良き出会いがあれば『faded』カードを自身のコレクションに迎い入れたいです!

今回の記事において全ての画像を、「リョイト@遊戯王」さんに提供していただきました。重ねてのお礼となりますが、ご協力本当にありがとうございました。

北米版のカードは『faded』以外にも《wavy》《glossy》などの個体差が複数確認されている魅力的な世界です。

興味のある方は、是非ともこの『沼』にハマってみてはいかがでしょうか。

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