テキスト版!【2021年度版!一度に2つの音を出す驚異の歌唱法! ホーミー・ホーメイ・倍音唱法入門】
昨日アップした動画の内容をテキストでも解説します。
動画はこちら
https://youtu.be/zJmGstCTsAQ
◆0:00 デモ演奏&挨拶
カルグラ(仮声帯を使った、トゥバ共和国に伝わる低音が特徴の発声法)をベースに、ボルラン(唇を使ったテクニック)を使ってみました。
マニアック過ぎたかな笑
で、私は特殊発声を得意とするボイスパフォーマー、発声指導家です。
1000の声を持つ、と呼んで頂けることもあります。
パフォーマー、発声指導家として、ともに21年のキャリアを持っています。
このyoutubeチャンネルでは、
古今東西の色々な特殊な発声を聞いて、知って、やってみることで、
声のコンプレックスを克服したり、声の可能性を追求するための情報を提供しています。
◆0:55 ホーミー・ホーメイ・倍音唱法って何?
笛のような高い音が特徴的な「倍音唱法」には、大きく分けて、「喉声/喉歌」「地声」の二つの系統がある。
初学者のウチは、良く聞かないと違いが分かりにくいが、当事者たちなど、これらのスタイルのどれかにシッカリ取り組んでいると、その違いは明白になる。
●喉歌/喉声系
トゥバ共和国の「ホーメイ」。モンゴルの「ホーミー」。など、アルタイ山脈周辺の民謡の中で使われる喉の操作が特徴的な発声並びに、芸能の総称。
トゥバ共和国、モンゴル以外にも、アルタイ共和国のカイ、ハカス共和国のハイなどが存在する
アルタイ山脈
●地声系
喉声・喉歌からの影響で、欧米から生まれた、比較的新しいスタイル。主に地声を使うのが特徴。この動画では、狭義の意味で「倍音唱法」と呼んで、伝統的な喉声・喉歌系と区別している。
参考例
https://www.youtube.com/watch?v=UHTF1-IhuC0
◆2:39 やり方
●仮声帯発声を使った、基本的な2つの発声法を、トゥバのホーメイを例に解説
仮声帯発声には2つの基本的な発声法がある。トゥバだと、それぞれ「ホーメイ」「カルグラ」と呼ぶ。
どちらも、”仮声帯”を声帯と同時に使う。その時の振動比が整数倍である必要がある。
そして、ホーメイとカルグラそれぞれで、声帯と仮声帯の振動比が異なる。
ホーメイ 声帯1:仮声帯1
カルグラ 声帯1:仮声帯1/2
トゥバのミュージシャンによる、仮声帯発声のデモンストレーション
https://youtu.be/eHdOT64Ycwc
◆3:44 仮声帯って何、やり方の続き
そもそも仮声帯とは、気道に異物が入った時に押し出すための器官で、人間なら誰しも持っている。ただし、通常は声帯としてはほとんど使わない。
◆5:57 倍音唱法と日本で一般的に言われている「ホーミー」について
日本で多くの人が誤解しているのが、「モンゴルのホーミー(トゥバのホーメイ)は地声で行われている」ということ。
youtubeで「ホーミー やり方」で出てくる、日本人によるホーミー解説動画のほとんどが、この誤解を元に解説されている。
地声による倍音唱法は、モンゴルやトゥバには存在しないので、現地でそれを披露しても「それはホーミー(ホーメイ)ではありません」と言われてしまう。
ただし、これは優劣の違いではなく、単純に音色が違う、ということ。そして、喉歌・喉声の中では、この音色がとても重要。
◆6:35 高い倍音を強調させる方法
笛の音のような高い、「ピー」という音は、ホーミー(ホーメイ)や倍音唱法に興味を持たれる一番のポイントだろう。
これは、舌と上顎で口の中に「共鳴箱」を作ることで鳴らしている。
まずは日本語で「た」「な」で舌が上顎に付くのを確認しよう。次に、舌を上顎につけたまま、舌を前後左右に丸めて、声がこもるようにする。
すると、特定の形状の時に、声の中の高い成分(倍音)が強調されるのが分かる。
倍音唱法をMRIで撮影した動画
https://www.youtube.com/watch?v=L8km_swzsq0
◆8:51 ホーメイ、カルグラ、地声のそれぞれで、倍音を強調するテクニックをやった時の、音色の違い
ホーメイの場合、笛のような音を強調して演奏するテクニックのことを「スグット」と呼ぶ。また、それをカルグラでやる場合は「カンズップ」と呼ぶ。
これは、実際に動画を見てみてください。
https://youtu.be/zJmGstCTsAQ?t=531
◆9:27 倍音をほんのり強調させるテクニック
スグットほど高い笛のような音は強調されないが、舌を上顎につけなくても、ほんのり高い笛のような音を強調して、演奏することは可能。
こちらも動画をご覧ください
https://youtu.be/zJmGstCTsAQ?t=567
◆10:02 その他のテクニック(唇を使ったテクニック(ボルラン、エゼンギレール、ボルバンナディル)
また、他にも、派生的なテクニックは色々と存在する。
ボルラン
https://youtu.be/zJmGstCTsAQ?t=603
トゥバのミュージシャンによるエゼンギレールとボルバンナディルの演奏
https://www.youtube.com/watch?v=-0yr7ZXhbvw
https://www.youtube.com/watch?v=CBzVl0juKzE
◆10:46 国や文化による、表現方法の違いについて
これらのテクニックは、当然ながら、国や文化によって、表現のされ方が違う。
モンゴルやトゥバでは、民謡として、民謡の曲をホーメイやホーメイを使って演奏する。
欧米では、オリジナルの作曲作品を演奏する。
◆11:11 日本人はどんなスタイルを練習するのが良いか
表現としては、ピンと来たものを演奏すれば良いと思う。今回の情報を元に、改めて色々な動画を見直してみるのも良いだろう。
◆11:49 発声指導家としてオススメのスタイルはこれ!と、その理由
そして、発声指導家としては、喉声・喉歌系を練習することを強くオススメしたい。というのは、喉声・喉歌系の仮声帯発声を適切に練習することで、普通の発声も良くなる、ということが分かっているからだ。
これは私自身と、私の指導経験だけでなく、友人のプロの西洋クラシックの声楽家(西洋クラシックは、仮声帯発声を嫌う人たちが多い)が、仮声帯発声を練習することの効果を感じており、やはり、自身の自主練習と、生徒さんへのレッスンにおいて、仮声帯発声を積極的に活用している。
また、最近では、仮声帯発声を含む色々な声を出すことが、普通の声を良くする、という最新のボイトレが幾つか現れている。
◆13:22 おわりに
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それでは最後まで読んでくださりありがとうございました。
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