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[導入事例]刻々と変化する経営の背景にある“思い”を伝え、リモートで働く社員を声でつなぐ飲食店DXベンチャーの挑戦- Voicy声の社内報

飲食店向け予約/顧客台帳サービス「トレタ®」や飲食店向け店内モバイルオーダーシステム「トレタ O/X」、紙でもアプリでもないスタンプカード「トレタスタンプ」など、さまざまな飲食店向けDXサービスを提供する株式会社トレタは、Voicyのチャンネルを社内向けに活用するサービス「声の社内報」を利用して、代表取締役 CEOである 中村仁(なかむら ひとし)さんの声を届ける社内ラジオ『週刊ひとし』を社員に配信しています。

コロナ禍をきっかけに全面リモートに移行したという同社が、社内ラジオを通じて社員に何を届けようとしているものは何でしょうか。セールス&マーケティング部 マーケティンググループ兼CEO室 コミュニケーションチーム リーダーの中山記男(なかやま のりお)さんに聞きました。

[サマリ]毎週の社内ラジオで代表のインタビューを届ける

【導入背景】
・コロナ禍をきっかけに全面リモートにシフト。社員が孤独を感じないようにしたい
・日々状況が変化する中で、経営層のメッセージや思いをタイムリーに届けたい
・PDCAを回すためにも詳細な視聴データが見たい

【活用方法】
・週1回、10分〜30分間の番組『週刊ひとし』で、中村仁さんを中山さんがインタビュー
・テーマは、会社のこと(事業の現状、新しい取り組み、新入社員の紹介など)、飲食業界のこと
・聴取データを見ながら配信時間や内容などを工夫

【導入後の変化】
・パソコンやスマホが使えるほか、アーカイブされているので、聞き逃したときでも後でまとめて聞いたりしやすくなった
・データが取れるので、いろいろ試せる。制作側のモチベーション維持につながる


[事業紹介]株式会社トレタ

業界:飲食店向け予約/顧客台帳サービスWeb予約システムや飲食店向け店内モバイルオーダーシステム
従業員:105名(2022年7月1日現在)
企業サイト:https://toreta.in/

お話を伺った「声の社内報」の担当者

セールス&マーケティング部 マーケティンググループ兼CEO室 コミュニケーションチーム リーダーの中山記男さん


[導入背景]リモートで働く社員に、刻々と変化する会社の状況を伝え「つながり」を感じてほしい

—— トレタではVoicyの「声の社内報」を導入する前から、社内ラジオを配信されていました。始めたきっかけを教えてください。

中山:私がトレタに入社したのは2020年2月で、ちょうどコロナ禍が始まったころでした。トレタではもともとリモートを推進していたのですが、入社して半月後くらいにコロナを理由としてフルリモートに移行しました。

私たちは飲食業という、コロナ禍の影響を大きく受けた業界に向けたサービスを提供していることもあり、この時期は特に、ビジネス環境が日々激変していました。一方で社員にアンケートを取ってみたところ、当時まだノウハウの足りなかったフルリモート下では、その激変に応じた会社の意思決定の方向性や経営層のメッセージがタイムリーに届いていないのではないかという課題が見えてきました。

また一方でコロナ下で入社してきた社員の関係性構築にも効果させたいと思い、新入社員が既存の社員に対して自分を知ってもらえる場を作りたいとも思っていました。

そこで、私がもともとラジオ好きだったこともあって、音声メディアのアイデアが浮かび、2020年10月、テスト的に社内ラジオを開始しました。

―― 当時はどんな方法で配信していたのでしょうか。

中山:当時はバーチャルオフィスサービスを利用していたので、その中で、公開生収録のような形で配信していました。その後利用サービスの見直しなどがあり、2021年末頃からはZoomで画面をオフにして生放送したり、録音データをクラウドで共有したりといったやり方を採用していました。

しかしこのやり方では、どの曜日、時間帯、長さや内容だと聴かれるのかといったデータが取りにくく問題点を洗い出したり、改善案を実施したりといったPDCAがまわしにくいという問題がありました。そんな折、Voicyの「声の社内報」のサービスを知り、中でも「聴取データを見ることができる」というところに惹かれ、2022年10月より社内ラジオの放送ツールとしてテスト的に導入を行いました。

[活用方法]社員からの疑問を代弁してぶつけ、代表の声を届ける

―― 番組の内容について教えてください。

中山:『週刊ひとし』というタイトルで、私が代表である中村仁をインタビューする10分〜30分の番組です。番組名はその中村仁の名前から来ています。

テーマは大きく2つあって、1つは会社のこと。事業の新しい取り組みについてや、新入社員の紹介などもしています。もう1つは飲食業界のことで、業界のトレンドなどについて取り上げています。最近だと、「回転寿司業界」に発生したいわゆる“寿司テロ”の事件などを取り上げ、なぜこうしたことが起きてしまうのか、どうしたら防げるのか、などについて話しました。

―― 番組での中山さんの役割は?

中山:会社に対する社員の思いや疑問を代弁してぶつけたり、代表のメッセージを深掘りしたりすることを心掛けています。

―― 10分間の番組にしているのは、何か理由があるのでしょうか。

中山:以前は基本的に30分の番組だったのですが、制作する側からも聴く側からも「長い」という声が挙がるようになりました。トレタはフルリモートワークということもあって、通勤時間もないため、30分のまとまった時間は長いのかな?という肌感覚もあり、ちょうどVoicyの「声の社内報」を使うようになってから10分の番組を多くしてみたんです。その後、特にネガティブな要素も見つからなかったため、そのまま10分前後が主な番組の長さとなっています。この決断には聴取データも訳に立ちました。

―― 「声の社内報」へと放送ツールを変更して、気が付いたことはありますか?

例えば、データ取得目的で配信の曜日を変えてみたこともあるのですが、意外と聴取率に差が出ませんでした。また、私たちのお客さまは飲食店なので、昼食の時間帯はランチ営業があり、その時間は顧客とのやりとりやお問い合わせが減ります。そこで多くの社員はその「昼食の時間帯に聴くのではないか」と思っていたのですが、実はそうでもありませんでした。その結果「配信する時間はあまり気にしなくてもよさそうだ」というのがわかるなど、時間帯についても知見が得られました。このように、聴取データが取れるおかげで、気軽に試行錯誤できるようになったのが嬉しいですね。

収録についてですが、中村の時間が多めに取れた時には、複数回分収録して後で10分番組に編集しています。VoicyではBGM有無が選べたり音質をVoicy側で改善してくれたりするため、そちらについては意識しなくてもよくなりました。そのぶん「もっと編集した放送も試してみようかな」という気持ちも芽生えています。

[導入後の変化]思っていることをタイムリーに伝えやすくなった

―― 社内ラジオが、当初意図していたような、「経営層のメッセージの浸透」「新入社員の関係構築」などに貢献しているという感触はありますか?

中山:社内調査では経営層のメッセージの理解度があがるなど、数値的な効果は見えています。それ以外にも打ち合わせなどで、『週刊ひとし』で話していたことが話題になることがあったりと、肌感覚も効果を感じています。また、トレタには、仕事に関わる本の購入費を補助する制度や、必要な本を貸し出す(希望者には送付も行う)ライブラリもあるのですが、『週刊ひとし』で取り上げた書籍はリクエストがぐっと増えたりすることもありました。

やはり音声は、文字と違って感情が乗りやすいですよね。「うれしそう」「つらそう」といった気持ちまで、聴き手にしっかり届きます。社内ラジオだけの取り組みで実現できているわけではないですが、社員のエンゲージメントを高めるという効果は挙げられているのではないかと思います。

―― 代表の中村さんは、社内ラジオをどのように受け止めていますか。

中山:通常、経営層が社員全員に直接思いを伝える機会というのは、そこまでたくさんありません。毎週の全社集会などもありますが、時間も頻度も限られているので、伝えきれないことがあってもそのままになってしまったり、時間が経ってから補足するということになりがちです。

今は、社内ラジオがあるので社員からのフィードバックを活かすといったことやメッセージの補足なども簡単にできますし、そもそも機会が毎週あるので、思っていることをタイムリーに伝えやすくなったと言っていました。

―― 制作側として、Voicyの「声の社内報」導入のメリットはどんなところにありましたか?

中山:ツールの使い勝手が良く、番組公開が楽になったことと、聴取データを見ることができるようになったことは大きなメリットです。データがあればPDCAが回せるので、配信曜日や時間を変えてみるなどの試行錯誤もできます。番組を作り続けることのモチベーション維持にもつながります。予約投稿機能にも助けられています。

―― 社員の皆さんが番組を聴く際の使い勝手についてはいかがでしょうか。

中山:パソコンでもスマホでも聴きやすいですし、1エピソード聴き終わったら自動で次のエピソードが再生されるので、聞き逃したときも、後でまとめて聴いたりしやすくなったという声が挙がっています。

何より、音声は「ながら聴き」ができるのがいいですよね。例えば、お昼ご飯を食べながら楽しく聴いてもらえるといいかなと思います。

[今後の展望]届ける側も受け取る側も、飽きないように

――今後取り組みたいことなどがあれば教えてください。

中山:社内ラジオも始めてから2年以上になるので、聴き手にとっても「おなじみ」になって特別感がなくなってきているようにも感じます。届ける側も、受け取る側も飽きないようにしたいと思っています。

「声の社内報」のスコープからは少し外れるかもしれませんが、音声を、社内だけでなく社外のエンゲージメントを高めるために活用できないかとも思っています。お客さまである飲食店の方々だけでなく、未来の社員に向けた情報発信ができるといいですね。

会社のことを知ってもらううえで、やはり感情を伝えられる音声というメディアには可能性を感じています。文字情報だけでは伝えきれないこともありますが、より情報量の多い音声メディアだとある程度フォローすることができます。また、社外からゲストを招く時にも、映像付きメディアと違って参加してもらいやすいように思います。肩ひじ張らずに参加してもらえるところがありますね。

声の社内報を検討中の企業の方へ

—— 声の社内報を検討中の企業へ向けたアドバイスをお願いします。

中山:私たちのようなベンチャーは、スピード感が重要ですし、PDCAも細かくスピーディーに回して日々の経営を行うので、今週の目標と来週の目標が違うといったことも起こり得ます。そうした変化を経営層がしっかりと説明しないと、社員との間に溝がうまれがちです。そこに「声」のメディアというのは効果があると思っています。音声であれば、リモートで働く社員にもタイムリーに届きますし、情報だけでなく“思い”もしっかり伝えることができる。一方で画面を占有することもなく、気軽に聞いてもらえる。リモートワークにはとてもマッチした仕組みなのではないかと思います。

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最後までご覧いただきありがとうございました。
コロナ禍を経てリモートワークが進んだ一方で、経営環境の激変も体験しているトレタさん。音声の持つ可能性に早いタイミングから着目されていたことには感銘を受けました。こんな時代だからこそ、在宅で働く社員をつなぐことや、経営層の思いをタイムリーに伝えることの重要性を感じている企業の皆さまにも、参考になるお話だったのではないでしょうか。


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