#06 リモートワークは性善説より仕組み
VOICHATの前身の会社では、フルリモートの導入が2020年3月初旬とかなり早かったこともあり、メンバーは社外の友人知人から「リモートワークってどう?」と質問されることが少なくありませんでした。
若手や中堅の会社員からは「感染の心配もないし、通勤なくなるのはいいね」と羨ましがる声が多かったのですが、経営陣や管理職からは「リモートワークなんかさせたらサボるのでは?」と、一転して懐疑的な反応ばかりでした。
◆リモートワークは、疑心暗鬼との闘い?
2020年頃のリモートワークに関する記事を検索してみても、
リモートワークには性善説が必要
リモートワークでは部下を信用することが大事
といった内容がたくさん出てきます。
これは逆に言えば、「サボるかもしれないと疑う気持ちをいかに抑えるかが重要」という話でもあります。
部下に「サボるなよ!」と直截的なことは言えないし、コロナ禍で入社する新卒社員もフォローしなければなりません。
「サボるに違いない」という前提でリモートワークを拒否し続けるか、「サボらないと信じている」という前提でリモートワークに舵を切るか、経営陣や管理者は二択を迫られていた時期でした。
◆サボりたくてもサボれない⁉
上司や同僚の目がないのをいいことに、PCの前で漫画を読んだり昼寝をしたり。リモートワークのサボりとは、そういうイメージだと思います。
でも実際、そんなことが可能でしょうか?
多くのデスクワーカーは期日のある仕事を抱えているし、理由なく期日に遅れることはできません。
当時のわたしたちも例外ではなく、社内外の締切のある仕事をしているメンバーがほとんどでした。
サボる理由をでっち上げようにも、コロナ禍の初期、「体調が悪い」「急用で外出」なんて嘘は逆に面倒で、わざわざつく人はいませんでした。
サボったら絶対バレるよね?
というのが、実際にフルリモートになってからの実感でした。
むしろ逆に、「なんとなくお昼休みを取りそびれる」「キリのいいところまで終わらせたくて残業してしまう」といった働きすぎが問題になったほどです。
◆見えない不安を仕組みで解消
そんなわけで「サボるかも」という疑心暗鬼は社内にはなかったのですが、「昨日まで隣にいたメンバーが何をしているかわからないのは心もとない」という感覚はあったので、以下の3つのルールを作りました。
(これはVOICHAT開発を始める前の話です)
① 朝一番に着席を知らせること
② 自分宛てのチャットにはすぐに既読リアクションすること
③ 予定は必ずGoogleカレンダーに入れること
これによりチーム内に、「このルールを破ると、不信感につながる」という共通認識が生まれました。
誰しも疑われたくないので、ルールを守ろうという意識も生まれます。
PCのカメラを常時ONにするといった監視的な方法ではありませんが、これでチームメンバーの在席状況はほぼ把握できるようになりました。
仕組み作りによって、安心感や信頼感を持てたのです。
性善説はあくまでも、期間限定のリモートワークを円滑に進めるための策。
永続的なリモートワークのためには、性善説を貫くよりも仕組みを作るほうが建設的で効率的です。
VOICHATで、さらにスムーズに!
VOICHATを使うようになってからは、在席状況の共有が格段にスムーズになりました。
なにしろ、ログインしてルームに入るだけで、自分のステータス(着席状況)が周知され、同時にチームメンバーのステータス確認もできるのです。
②と③のルールは今も生きていますが、「伝達漏れ防止」「予定周知」という本来の目的のためだけになり、以前より気楽な運用で回るようになっています。