フライング・お岩
VVアパートメント怪談朗読ライヴあかずの間「四谷怪談」。
7月14日の上前津・龍雲寺さんからスタートし、8月始めに常滑・共栄窯さんを経て、8月23日に伏見・居東屋さんでの千穐楽が、台風の中無事終わりました。ちなみに「千秋楽」と書かないのは「秋」の字に「火」が入っているからだそうで。昔は劇場の火事に悩まされていたので、穐を使うんだそうです。豆知識。
一つの作品を出演者全員で読むのは初めてで、ものすごく発見がありました。それは
ひとりでも登場人物のキャラクターが変われば、関わる人物のキャラクターが変わり、人間関係が変わる
芝居だったらあることかもしれませんが、朗読のようにセリフが変えられないものでも、キャラクターが変われば読み方も変わる・・・当たり前の事ですが気づいていませんでしたわ・・・。
例えば今回のキーパーソンは「伊藤喜兵衛」という商人(創作設定)。彼がすんごい悪党でいけすかないと、それに関わる「愛人・慎」(創作人物)がやたら切ない。喜兵衛が切なく岩に片思いだと、慎は岩が憎らしくなるし、立場が喜兵衛より強くなってしまう。話の中では、岩を思い通りにできない喜兵衛が苛立って岩を慎に殺させる、の図なんだけど、喜兵衛が切なくなっちゃうと、慎が岩を殺したくなっちゃって、喜兵衛に「殺せ」と言わせる、みたいな図になっちゃうこともありました。破綻してるので不採用なんですけどね。
これは演技で「そうしよう」としているのではなく、相手の声や表現を聴くと、そう応えるしかなくなる、という。朗読は「読むだけ」なんて、ホントにとんでもないことです。心が動きまくってます。本を使って対話してるんですよね。
会場が全部違う、というのも、面白かったです。一番上の写真は龍雲寺さん。真ん中が共栄窯さん。下の写真は居東屋さん。使ってるものは全部同じ。でも雰囲気がずいぶん違いますよね。声の反響も出捌けの場所も違うので、その度に微調整するのも楽しかったし、応用力がついたような気がします。龍雲寺さんでは蚊帳を釣るのに、天井にフックを付けさせていただいたり、道具を貸していただいたりと毎年ご無理を聞いていただいて、ありがとうございますです。龍雲寺さんありきで始まった怪談朗読ライヴなので・・・大感謝。
共栄窯さんのランチはめちゃ美味しそうでした・・・(涙)。なんちゃって。実は打ち上げはここでしたので、お料理堪能させていただきました(笑)
そうそう、居東屋さんには商品を飾るショーケースがあったので、そこに人形を飾らせてもらったり、ガラスに岩の姿を映し込んだりと、面白い演出をさせていただきました(新研吾の案、とちゃんと書いておこう笑)。名古屋で一番古い宝飾店で、こんな素晴らしい商品が並んでいる店内でよく怪談やらせてくださったなあ・・・と居東屋さんの懐の深さに感激でした・・・!!
フライングお岩。最終形態。吹き抜けの天井に吊るさせていただきました。
天に召されたお岩さま。成仏してくださいね~~(笑)ってことで、今年のVVの夏、これにて終了でございます!!
さあ、次はクリスマス朗読ライヴ~~!! 一次オーディションの締め切りは8月31日です。まだ間に合いま~~す!!
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