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Voices Vol.14 僕はなぜ不登校になったのか 後編


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本記事はVol.14 前編 の続きです。
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大人と子どもの視点のズレ


第一部では不登校になるきっかけと当時何を思っていたか、
第二部では学校に復帰するきっかけや要因は何だったのか
についてお話させて頂きました。

つまり、
学校で不登校の理由が出来上がり
学校で不登校が終わるきっかけができた
のです。

学校(内での人間関係)と言う環境が苦しかったからこそ
嫌になり、逆に学校と言う環境が心地よいものになっていったからこそ素直に登校しようと思えるようになったと思っています。
学校が最終的に不登校を解決する力となってくれました。

これだけ書くと
・「不登校を解決するにはやっぱり学校の力が大事」
・「本人にとってはきついかもしれないけど学校に送り届けよう」
と言う結論を浮かばせてしまうと思います。
 勿論学校に行かないことには、「不登校」という問題の最終的な解決はしようがないです。
学校に行って適切な対処が為されれば問題は解決し、そのまま学校定着に繋がります。また学校に行ってない期間が短い分学業が遅れにくくなる可能性があるため、その心配も減ります。
そんなことは小学生:自分を客観的に見る能力が育ち切っていないうちは理解しきれません。
大人の目線は、子どもによっては共有しきれないと思います。


最終目標を(子供が継続的に学校に行けるようになる)とするのはありだと思います。
・学校以上に機材や教室等設備
・一定以上の質を備えた複数の教員
・同じ目線を持った同級生が一堂に会する所はなかなか無いと思います。

しかし、
何が原因で学校に行きたくなくなっているのか
(なぜ学校が嫌になっているのか)

本人の精神的な余裕があるか

を見極めきれないうちは、
無理に登校を促さずその子の本音や本質を見極める事が大事です。
その後になって、初めて見えてくる選択肢があるかと思います。
例えば
・とにかくまずは休ませるという選択肢
・休ませつつも外に出られるよう遊びに誘ったり、
フリースクールや適応指導教室等に通わせるという選択肢
・保健室登校だけでもいいと登校を促す選択肢

どれがその子にとっての最善の選択肢かは、
例え親であっても、(むしろ子どもに最も近く、健やかな成長を切に願う親であるからこそ)
わからなくなるときがあります。

不登校の子どもに対する対応

不登校の子どもをみて、

・「疲弊しているのだからとにかく休ませなければ」
・「学校に行かない事には何も始まらないから頑張らせる」

あるいは
・「この子はサボりたくて登校拒否してるだけ、そんなことは許さない」


いろんな考えが浮かぶと思います。
全て間違いでは無いと思います。
ただ、浮かんだ発想1つに囚われてはいけません。1つのみに囚われると、やがて周りが見えなくなります。そうなると子どもの事も見えなくなり
【休ませることが大事】
【学校に行くことが大事】

という両極端の発想にばかり目が行くようになります。
そうすると悩み主である子どもは置いてけぼりになります。
その結果、両者の考えの一致が更に困難になり、
結果的に、重度の引き篭もり:社会で生きる力を獲得出来なかったために満足に働けなくなったり、自立困難は勿論のことニートといった状況に陥りかねません。
そうならないためにも1つの発想に囚われないよう気をつけて下さい。

1つの発想にだけ囚われないようにするためにも、自分一人で抱え込まず外部機関や周りに頼ってください。

「不登校」であること

不登校は決して恥ずかしいことではありません。
子どもが通っている学校は、あくまで不特定多数の多種多様な子どもの集団です。
個人によって身体的・精神的成熟度に違いがあり、また、表現方法や他者に対する心構え、ストレスに晒された時の対処法などの部分でも、子どもにはまだ成熟しきれていない部分があるかと思います。

成熟していることが期待される大人の集団であっても人間関係においての不和や軋轢はつきものです。
 成熟しきれていない子どもの集団で何らかのトラブルが発生し、子ども個人がそこに対処しきれずに登校渋りや登校拒否を起こす。
これは何らおかしいことではないんです
 相手から一方的な暴力を受けて引き篭もりになった、どう考えても相手が悪すぎる事件のために登校拒否になった等も考えられることであり一概には言えません
しかし、不登校をただネガティブと捉えるのではなくて、
「本格的に社会に出る前にトラブルの元となりかねない能力を発見できた」「これに一緒に対処して社会に出ていきやすい子どもに育ててあげよう」
という発想を持っていただけると幸いです。

~不登校を解決する助けとなりえる機関紹介等~

最後に不登校でお悩みの方に助けになるような機関をご紹介させていただきたいと思います。

(僕は現在大阪の人間であり、そのためこれから扱う内容は主に大阪にスポットを当てたものになります。ご了承いただきますようよろしくお願いします)

外部機関と一括りにしましたが、そこには様々な種類があります。


子どもの状態を確かめる、親としての心構えを確認する上で助けになる場所

・メンタルクリニック
・子ども相談センター


子どもが集団に復帰する上で少しでも手助けとなるように

・不登校児童通所事業(通称:サテライト)
・フリースクール
・適応指導教室


勿論、子どもの通っている学校の先生方、
スクールカウンセラーの方等、に問い合わせて対処法を聞くのもありです。

ざっと見るだけでも、
これだけ不登校に関する支援能力が期待できる機関があります。

社会は、既に不登校を認識してきています。
公的私的両者機関が整備されてきているんです

これらを利用しないのは、個人的にもったいないと思います。
 フリースクールやクリニック等はお金のこともあり、気軽に利用を決断できることでは無いと思います。
お金のかからない子ども相談センターやサテライト等公的機関の利用にしても【子どもが不登校になってしまったという後ろめたさ】により気が引けてしまうことがあるかもしれません。それでも選択肢に入れてください。

 こういった記事を読むだけで不登校が解決するならば、世の中の不登校問題はもっと減っているはずです。

 ネット上に溢れている記事や、不登校問題を取り上げた解説動画等はあくまで【一方的な】情報や解決策であり、
その情報そのものには【現在の特定個人の子ども】の状況や周辺環境を鑑みて対応を変える力はありません。

 勿論大いに参考になると思います。制作側も手を抜くことはないと思います。それでも、不登校関連の記事や動画は参考程度にとどめてください。丸々真似することはないと思います。
 あくまで【一方的な】情報です。子ども一人ひとりに合わせた対応や支援が必要なんです
こういった記事を書いてしまった上で恐縮なのですが、この記事もあくまで1つの参考文献程度であると思ってください。

最後に

本文では触れてないことですが、登校拒否が本格化しゲームして食事して眠るという日々が続いたある日、包丁を取って首元に当てる所謂【自殺未遂】を起こしたことがあります。

 ある日たまたま朝早くに目が覚めました。およそ空が白みがかってきた時間帯で、親が置き出すまでにあと30〜1時間ほど余裕があった時間帯です。10年以上前の事なので記憶がない部分なのですが…

・唐突にキッチンに行き包丁を見つけ
・そこから(恐らく、首を切って死ねば楽になれるという発想から)包丁を持ったこと
・包丁の刃先を実際に首元に垂直に当てたとき、死ぬという恐怖と包丁の物理的な冷たさが襲いかかってきて寸でのところで実行に移さなかったこと
・その後その行為がバレないように包丁をもとの場所に戻し、布団に潜り込み狸寝入りで起きてくる親をやり過ごしたこと

を覚えています。

 布団から出てキッチンに行った経緯は覚えてないですが「楽になれる」という考えで包丁を手に取り実行に移しかけたのは間違いないです。
起きてゲームしてご飯食べて寝るだけの生活を、ただサボってるだけの情けない堕落と捉える方もいらっしゃると思います。実際のところやってること自体はまさにその通りだと思います。が、それに対し罪悪感を覚えている子どももいるんです。

 罪悪感を抱えた上で、それ以上に学校という今苦しい場所に行きたくないからそれ以外の方法で心の安寧を保っているんです。

一概にこうだとは言えません。堕落か戦略的な逃避行為なのかは一目には判断が付きません。しかし、苦しんでる子もいます。そういう考えも頭の片隅に持っていただけると幸いです。

ありがとうございました。


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