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とりあえずカーテンをあける

昨晩は久しぶりに浴槽に湯を張ってからお風呂に入った。自動でお湯張りをしてくれる機能のあるアパートは初めて。蛇口を閉めてくださいだの、湯の量の塩梅だの難しかった。何度か試行錯誤して、やっとお風呂に浸かることができた。温泉も好きだが、物音のしない空間私一人の空間で、自分の息遣いだけを聞き、身体の筋肉が緩むんでいく。首がぐらぐらとしてくる。私の身体、こころとの対話の時間で心地がよかった。

そんな感じで寝たら、ぐっすりと寝れた。こんなにぐっすりと寝て、朝からゆっくりとした空気に漂う私は、またベッドの上で寝ていた。

起きてからは、ゆっくりとした足取りで、おとといのご飯をレンジで温めて、納豆ご飯。即席の味噌汁とセットで朝ごはんの完成。

今朝はカーテンを開けてから、真横にある駐車場と向かいのアパートが見えている。もうすでに、何台かの車は遊びに連れていく役割を果たしているようだ。曇り空だからこそ、暑苦しくなくてちょうどよい。風もうっとうしい感じの暑さはなく、扇風機で十分に心地いい。明日から雨予報が続くらしいので、洗濯物を干す。コーヒーを入れて、朝の時間を過ごしている。手元には、メルカリで注文した凪良ゆうの文庫本がある。最近、手にした「わたしの美しい庭」が題名どおりの美しい世界で、ああ、こんな世界を私は味わいたいと思い、同じ作者の本を購入している。私の美しい庭はどこにあるんだろう。物語だからこそ、きっと美しい。現実に疲れているからこそ、生きた心地のする文章たちは、私を喜ばせてくるんだろう。

今はこうして、開けたカーテンの斜め45度ぐらいの方向に座って、パソコンを打っている。この光の差し込み具合もちょうどよい。私が一人で暮らしていることを、私がここにいることを、少しぐらい近所に見えていたっていいんじゃないかと思える。カーテンは片方だけ開けておこう。そんな土曜日の朝を過ごしている。


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