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循環型社会はこんなに簡単!珈琲豆の袋の代わりにリユースパッケージを使うという提案

リユースパッケージを使った循環型社会とは
珈琲豆の袋の代わりに繰り返し使える容器のことで、リユースパッケージに代えるだけで、袋の製造段階から最終的な廃棄までに必要なエネルギーの消費を減らす事が出来ます。これは結果としてCO2の発生を減らし気候変動を抑えることで、珈琲豆の生産への影響を減らすことに繋がります。リユースパッケージはそんな思いをシンプルでいて保存性の高い、そして衛生的な容器で循環型社会を実現しています。
※リユースパッケージという名前は、珈琲豆の袋(パッケージ)の代わりに何度も使える(リユース)容器ということで付けました。

リユースパッケージを始めるきっかけ

珈琲豆の販売に携わる仕事をしていて特にここ数年、世界的に珈琲豆の生産量が減少しているという情報が頻繁に聞かれるようになりました。その原因の一つとして温暖化による気候変動が関係していることが分かってきました。温暖化の原因の一つが温室効果ガスであることも分かってきて、温室効果ガスの多くを占めるのが二酸化炭素(CO2)であることも指摘されるようになりました。排出されるCO2の多くは化石燃料を燃焼させる際に出ますからエネルギーを発生させたり、物の製造時や、ゴミの焼却でも発生します。これらから身近でCO2の発生を減らすことを考えた時に、珈琲豆の袋だったり食品が入っている袋の多くは、中身が消費された後はゴミとしてほとんど捨てられるので、毎回ゴミとして捨てられる袋を減らす、又は無くす方法はないかというところから始まりました。

実現するための全体のスキームを考えるにあたって

珈琲豆を消費した後にゴミとして捨てられる袋を減らす、又は無くす方法として繰り返し使用できる容器を使ってそれを循環されることを考えました。そしてこれを実現するために必要なことを上げてみました。

・ゴミを減らすという目的を共有してもらえること。
・循環型社会を実感してもらえること。
・目的を共有してもらうだけでなく、利用することでのメリットも盛り込むこと。
・使用する容器は利用する人に委ねた特定しないものにするのか、特定した容器にするのか。
・容器の衛生面について。
・珈琲豆の保存性が保たれる容器であること。
・使用する容器は、販売するのかレンタルの形にするのか。
・利用する人に出来るだけ手間をかけない方法。
・実績を分かりやすく数値で出して進捗も公開すること。

リユースパッケージの容器選定について

使用する容器選定で考えたことは、一番目は衛生面で利用する人が自由に容器を持参出来るようにすると自由度は増すかも知れませんが、その反面、利用する人が何を容器として使うか考える必要もありますし、何よりも衛生面が心配ということもあり、衛生面が保てるようこちらで管理できる決まった容器を使用することにしました。
二番目は、珈琲豆の袋の代わりとして十分な保存性が保たれる容器であることでした。
三番目としては、容器は手軽に入手できることでした。以下にまとめると、

・衛生的であること。
・保存性が保たれること。
・手軽に入手出来ること。

循環させることで初めて意味が生まれる

レジ袋の代わりにエコバッグを使うのと同様に、珈琲豆の袋の代わりにリユースパッケージを使うことの目的は、繰り返し何度も使って初めてレジ袋や珈琲豆の袋の使用を減らし、結果としてCO2の削減に繋げていくことです。エコバッグやリユースパッケージに代えただけでは意味は無く、何度も繰り返し使って初めて意味が生まれます。
では繰り返し使う、言い換えれば何度も使ってリユースパッケージという資源を循環させるための仕組みが大切になってきます。
利用する人が目的を理解して利用して頂けるために、どういった仕組みで実施しているか以下に上げます。

・リユースパッケージの目的はゴミの削減であることを説明。
・リユースパッケージは珈琲豆の保存性も高いことを説明しそのまま冷蔵庫で保存できる点。
・利用する人の手間を減らすために空いた容器の洗浄は不要であることを説明。
・空のリユースパッケージを持参して頂き、洗浄済みの別のリユースパッケージに珈琲豆を入れてお渡ししていることで衛生的にも一元管理できていることを説明。
・リユースパッケージを使う度に袋代として値引きを行っていることを説明。
・リユースパッケージの容器代はデポジット方式にしたのでいつでも止めることができるようにしている。
・定期的にリユースパッケージの利用状況とどのくらいのCO2が削減できたかデータを公開して目で見て数値で効果が分かるようにしている。

リユースパッケージを使って珈琲豆を販売して分かったこと

良かった点、メリットについて
・同様の実施例が無いことで、日頃からこういったことに関心をお持ちのお客様から喜んで頂けた。
・当初の想定以上に今回の目的に賛同して頂ける方が多かった。
・ネットで皆様に拡散して頂いたことで遠方からリユースパッケージを使うために来店される方も増えた。
・リユースパッケージ自体はデポジット方式にしたため、いつでも止めることが出来るところが始めやすい点。
・リユースパッケージを使う度にわずかですが、袋代の値引きを受けられる点。

デメリットや今後の改善点について
・リユースパッケージ自体が袋に比べると大きくかさばるので、一度にたくさん珈琲豆を購入されるお客様には利用が難しい。
・リユースパッケージがガラス製のため扱いに少し気を遣う。
・リユースパッケージが保存性を高める構造のため、粉に挽くと密閉するのが難しく豆のままでのお渡しになる点。今後、粉に挽いても保存性の高い容器の検討。
・更に利用者を増やすための、リユースパッケージを使うことの目的やメリットを伝える工夫。

これから先もずっと美味しいコーヒーを飲み続けるために

コーヒーの2050年問題ということが言われており、地球温暖化による気候変動が進めば、コーヒー栽培に適した土地が大幅に減ることが予想されています。そしてこのまま影響を受け続ければ2050年にはアラビカ種のコーヒー栽培に適した土地は現在の50%にまで縮小すると報告されています。
そうならないためにも ゴミを減らすなど、誰でも簡単に出来ることから始めてみませんか。

又、珈琲豆の販売をされているお店の関係者の皆様、是非ノウハウを共有しましょう。お問合せお待ちしております。

2022-07-03 VOICE of COFFEE


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