絵画コレクター、デビッド・ロックフェラーさん
アートディーラーMr.K「名画取引の真実」書籍化の裏側をレポートするこのシリーズ。
今日は、Voice of Artをスタートしたきっかけにさかのぼりたいと思います。
まず、アートディーラーMr.Kと出会い、その話を聞いたことで絵画の世界の裏側を知り、自分の常識が覆ったことを世の中にも何かの形で届けたいと思ったこと。
そして、もう一つ。
その話に登場するデビッド・ロックフェラーさん( 1915~2017年 )に興味を持ったことです。
ロックフェラー一族は、石油事業で財をなし、金融、政界を牛耳るNYに拠点を置く大富豪。
デビッドさんは、その3代目。
実は、世界でも有数の絵画コレクターでした。
(コレクションの大半は、2017年に売却済)
Mr.Kは、その私邸に仕事で数回行かれたことがあります。
昨今は、絵画投資という言葉を頻繁に聞くようになりましたが、「お金はあればあるほどさらに欲しくなるものだ」と言います。
だからこそ、値上がりしそうな絵をいち早く見つけて安く買い、高く売ろうと世界中のお金持ちの多くが血眼になっています。
とは言え、お金への欲は人間の本能の一つなので、こういった行動は本能のおもむくままというか、自然なことに思えます。
では、デビッドさんのように際限のないお金持ちは、どんな絵画を買っていたのでしょうか。
Mr.K曰く、画家の有名・無名に関係なく、自分が好きだと思った絵画を購入し、値段に関係なく家に飾られていたそうです。こちらがいくつかある邸宅のうちの公開されたご自宅写真です。
センスが良すぎて、感激で震えてしまいました。
出典:VANITYFAIR
自伝”Memoir”によるとデビッドさんは、美術蒐集家の両親に育てられました。
美術鑑賞について下記の言葉を残しています。
I learned more from my mother than from all the art historians and curators who have informed me about technical aspects of art history and art appreciation over the years.
絵画の歴史や絵画鑑賞について長年にわたってテクニカルな側面を教えてくれたすべての歴史研究家、キュレイターよりも、母から多くを学んだ。
デビッドさんは、名門校で学び、さらにトップクラスの有能な人々と交流があり、あらゆる情報を入手できる立場にありました。
その人が、そのように言っているとは…驚きました。
絵画を超えた、とても大切なことを知っている人だという気がしました。
おこがましくも、一生をかけてデビッドさんの視点に近づきたい、そのために私たちの最良の教師としてMr.Kから真の絵画の鑑賞方法を学び、大切なことを絵画の世界を通じてお伝えしたいという一念が私を立ち止まらせません。
大切なこととは何でしょうか? それが今回のアートディーラーMr.K『名画取引の真実』でお伝えしたいテーマの一つです。
デビッドさんのエピソードも登場します。どうぞお楽しみに。
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イラスト: hana
写真出典:
ART NEWS PAPER
https://www.theartnewspaper.com/news/the-rockefellers-impact-on-the-modern-market
VANITYFAIR
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