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学習者の作文を読んではっとしたこと

日本語学校で学生が書く作文や志望理由書を読んではっとすることがある。

「新しい技術」というものは、本来人々の生活を豊かにするものだ。
しかし、私の国では新しい技術は軍や戦争のために使われてしまう。
だから、私は日本で技術を学びたい。
そして私たちの生活に役に立つものを作っていきたい。

原文のままではないかも・・・です。

大学院に提出する志望理由書にこう書いた彼は
第一志望の学校に合格。
卒業後、日本で就職した。
彼は、今、最先端技術を駆使して、
私たちの生活に役立つ物作りをしている。
彼の熱い思いが忘れられない。

私は子どもの頃、
「二つの手があって、10本の指があれば何でもできる。」
と父からよく言われて育った。

原文のまま

その日の作文のテーマは「手」だった。
私は、この書き出しに衝撃を受けた。
彼の国では、今も過去の戦争の影響が色濃く残っている。

この作文のテーマを考えていたときに、
このような内容の作文が
書かれることは全く予想していなかった。

きっと、両親や恋人の「手」、
それとも自分の「手」について
書く学生が多いだろうと予想していた。

「先生、違いますよ。
 手にもいろいろありますよ」
と教えてもらったような気がした。

今年はどんな作文に出会うのだろう。


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