バランスボールか昇降デスクか
ふだん、日本語学校で授業があるときは、ずっと立っている。朝、家を出てから授業が終わって教務室に戻るまでの間、ほぼ立ちっぱなしだ。
朝5時半に起きてから午後1時くらいまでの間座っている時間はおそらく30分あるかないかぐらいだ。
なのに、2020年の4月からの1年間、生活は一変した。授業は全てオンライン。通勤する必要もないから、ずーっと座わる生活を送っていた。
対面授業ではあり得ないスケジュールの日もあった。午前と午後で違う学校の授業をやるということも経験した。移動の必要がないオンライン授業ならではのことだった。そのような日は、お尻に根が生えそうなほど座っていた。
一日の大半の時間をパソコンの前で過ごしていた。とにかく座っていた。運動不足過ぎて気持ち悪かった。
いっそ、ホワイトボードを買って教室スタイルで授業をしようかと考えた。が、動き回る私の声をマイクがちゃんと拾えるのかとか、ホワイトボードはいくらするのかなど考えているうちに、座ったままのスタイルで授業は続けられた。
あるとき、同じ座るのでもバランスボールに座って授業をするのはどうだろうか、というアイディアが浮かんだ。
でも、そのアイディアは私の中ですぐに却下された。なぜなら授業中大笑いした瞬間、私はすっ転げ、画面から消えるのが容易に想像できた。
「あははは」
すっ
画面から消えた教師に向かって呼び掛ける学生の声まで脳内で再生できた。
「先生!先生~!」「消えた」「終わり?」「授業終わり?」
それに、授業中きっとバランスボールの上で静止できずにボヨヨヨ~ん、ボヨヨヨ~んと跳ねてしまうだろう。どんだけ落ち着きのない先生なんだ。
結局、バランスボールで授業案はお蔵入りした。
コロナが落ち着き対面授業が再開され、立っている時間は元に戻った。けれども、私はnoteにハマった。よって、座っている時間はコロナ前より増えているような気がする。
そろそろ、バランスボールを本当に導入しなくてはいけないのだろうか。それとも、奮発して昇降デスクだろうか。悩みは尽きない。
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