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生きるは死ぬる死ぬるは生きる

「死んじゃう」ってなんだろうか。
すごくすごくすき!ってわけではなかったけど、彼が出るドラマや映画を当たり前のように見ていた。見に行きたい舞台もあった。けど、世界から突然、彼が消えた。

なんだからわからないけどすごくショックで。
同時に「死ぬ前に相談して」とか「生きていたらいいんだから」というたくさんの言葉にはとても違和感を覚えた。そんなことできないんだよって。
わからないけど、生きているのが怖いんだと思う。だからいきなり死んじゃうじゃなくて、その前にとっくに心は死んでいるんだと思う。だからあとは肉体的に?医学的に?死ぬだけなんだと思う。

彼がこの世界から消えて、悲しいなって思って、苦しいなあって思って。それでも当たり前のように世界は回っていって。
わたしは「かなしいなあ」って思いながら仕事に行くし、「くるしいなあ」って思いながら好きな人と幸せな時間を過ごすの。
ふとしたときにそれがとてつもなく残酷な行為に感じてならない。
どんなに影響力がある人が死んでも、世界は回っていくから。
わたしは生きているから。

そしたら前よりもっと、周りのスピード感についていけなくなった。
がんばりたいしやりたいことはあるけど、もはやそれを言葉に出すことすらできない。「ごめんね」という言葉を並べて自分を守っているけど、それと同じ分自分のことが嫌いになっていく。

「忙しいのに」という言葉がわたしを殺していく。
だってこれっぽっちも忙しくないから。
ただやりたくないときになんて言えばいいんだろう。「今そんな気分じゃないから無理」って?
そんなこと言えるならこんなに病んでないわと思う。

かなしいこととくるしいことが続く。
コロナはちっとも収まらなくて、家にいる時間がまた増えた。
何かをするたびに文句を言われる。
わたしの存在価値ってなんだっけなあって自分に問いただす日々が続く。でもこんなところに言葉を残せているからまだましなのかなとも思う。

確実に何かが大きな音を立てて背後に迫っている。
それが何かは全然わからない。
今は「来週愛している人の誕生日だから」とか、「再来週はデートだから」っていう理由で後ろを振り向かないようにしている。今はそんなんでいいような気がする。

やる気の出ない日々が半年以上も続いている。でも今まで8年くらい頑張ってやってきたからいいかな。「いいよ」って言われたいだけな気もするけど。

2020年が終わるときに、少しは自分が変わっていたらいいなあ。
後ろを振り返ることなく。
生きると死ぬるは表裏一体。


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