外界にある光と影と
僕たちは、たまたま同じ場所でたまたま同じ時間に出会っただけさ
数年ぶりに雪が積もって、子ども心が蘇ったんだ
いつも青々とした草が雪で覆われて、真っ白になったんだ
だから、丘の一番高いところから雪車で駆け抜けたくなったんだ
城から抜け出して、肺の奥から息を吸いたくなったんだ
この寒空の下、いつも歩く平凡な丘は、賑やかなスキー場のよう
唯一のエンターテイメント
誇張だと言いたいのに残念ながら、唯一のエンターテイメント
誰しもがエンターテイメントを求めていた
なのに、黒い影が現れて、僕らに言い放ったんだ
僕らはここに居るに値しない、と
僕たちはちゃんと順番も守って、距離も守っていた
一言、二言、三言、ちょっとだけ隣の城の住人と言葉を交わした
言葉を交わしたから?
距離が近すぎた?
待って待って、ここは外界だよ
黒い影は別の惑星から来た生物のようだ
同じ言語のようで、まるで言葉が通じない
これ以上、僕たちから何を奪えば気が済むんだろう
外界では微塵の快楽すら罰なのだ
首を垂れて、シクシクと城へ帰る
次は朝焼けとともに銀世界に舞い戻る
光とともに
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