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#24.暁月夜 –アカツキヅクヨ–【曲紹介・感想】

君が大好きだ

それは高校3年生の春のことでした。僕が一番大好きなアニメであったNARUTOのEDテーマに僕が大好きだった歌い手の鎖那が抜擢されたというニュースを知ります。曲の提供は、これまた僕の大好きでやまなかったニコニコ出身のクリエイター集団、Honeyworks

2015年当時といえば、ニコニコにおいてもHoneyworksはひときわ存在感を放っていたのも鮮明な記憶として残っています。オリジナルキャラクターを前面に押し出した告白実行委員会シリーズは、女子中高生を中心に若年層から絶大な人気を得たその反面、ボーカロイドそのものの衰退を招くなどとして一定の批判も起こり、関連する動画の数々はかなり荒れたコメントが散見されました。が、それについてはまた別の機会にですね。

話を戻しますが、鎖那がsana名義でNARUTOにタイアップした曲は「言葉のいらない約束」。

上に埋め込んだ通り、sana版も動画に上がっていますし、ボカロ版も存在するので知っている方も多いと思います。そして今回は、そんな「言葉のいらない約束」以上に僕が大好きな同CDのダブルA面ナンバーについて語りにやってまいりました。

その曲がそう、『暁月夜–アカツキヅクヨ–』です。こちらはCDオンリーのsana版リンちゃんの歌うボカロ版(チャンネル動画なので現在nicoboxでは視聴不可)が存在します。また、本家動画のクレジットには歌い手の花たんが協力という名目で名を連ねており、彼女の歌ってみたのリンクが添えられています。

ニコボで暁月夜を楽しみたいとあらば、この花たん版は準公式の扱いを受けておりかつ圧倒されるクオリティで歌い上げられているのでオススメです。

歌詞の話なんですが、途中からNARUTOの話ばっかしてます。

さて、ハニワ曲は告白実行委員会シリーズ楽曲に限らずPVがストーリーの全てを物語ってくれることが多く、この曲もその例にほぼ漏れません。とはいえ、めちゃくちゃ好きな歌詞なんですよ。少年漫画みたいに分かりやすく真っ直ぐで、胸が熱くなる展開。

そして直接的な関係はないにせよ、※がタイトルに入ってたり、ろこるさんのタッチとキャラクターデザインがそれっぽかったり、展開を含めてどこかしらNARUTOを想起させられてしまうのがニクい。もし仮にこっちがタイアップだと言われても全く違和感がない、むしろマッチしているまである絶妙な歌詞と曲調がたまりません。

その曲げない言葉 風に乗せた君をヒーローって

1番Bメロの歌詞ですが、NARUTOを読んでいた人なら間違いなく思い浮かべる台詞があるのではないでしょうか。そう。

「まっすぐ自分の言葉は曲げねぇ。それがオレの忍道だ!」

主人公のナルトが幾度も放った作品を代表するこの名言です。そして連鎖的に作中でこのセリフに触れ、実践してみせた忍はナルトだけじゃなかったことを思い出してしまいます。ナルトの師匠にあたる自来也、そして作品の初期からずっとナルトに恋い焦がれてきたくノ一であるヒナタがそうです。ヒナタについては後でもう少し語らせてください。

もナルトが使う忍術の属性だったり、最早言葉狩りと言われてしまいそうですが、こういう細かい要素一つ一つがNARUTO感を滲み出しています。

そして、少年漫画感ともうひとつ目が離せないのがHoneyworks節炸裂の恋愛要素です。そう、大前提として暁月夜はラブソングなんです。

ねえ隣にいさせて

一歩前を歩く背中を

惹かれてたずっと前から

会いたい気持ちが強くなって弱気になる

止められない“好き”

今は触れられるこの距離を 君と歩いてく

ともう、胸が引き締められます。ここで語りたいのが先ほど登場したヒナタです。フルネームを日向ヒナタ。ナルトとは班こそ違いますが、忍者学校を卒業した同期としてしばしば関わりがあります。決して作中のインフレについてこられるような強キャラではありませんが、このヒナタの戦闘シーンは一々記憶に強く焼き付いてくるものばかりです。それは、憧れたナルトに強い影響を受けた彼女のひたむきな忍道ゆえ。

先にも触れたナルトの生き様に惹かれてたヒナタは、一歩前を歩く背中を追い続けます。作中終盤、 紆余曲折あって(ネタバレ防止の意も込めてわざと端折ります)絶望に呑まれていたナルトに喝を入れ、隣にいて支えた最重要人物の一人がこのヒナタに他なりません。ちなみに原作のその回はナルヒナショック(615話ショック)と呼ばれネットでも騒がれたことでファンの間ではかなり有名です。

さて、脇道に逸れてしまいましたが。先に挙げた多々の歌詞達は、そんなヒナタの想いに重なるような、そんな感じがします。真っ直ぐな憧れから生まれる恋心。元よりナルトとヒナタの関係性を推していたぐりーんなので、刺さること刺さることでした。

他にもPV後半の異形の敵もNARUTOに登場するキャラクターに似ていたり、言葉の一つ一つ、PV描写の所々からNARUTOを感じてしまいます。一方で恋愛要素にはドキッともしてしまう。この曲においては、ろこるさんの得意とする少年漫画風な描写に、告白実行委員会シリーズでお馴染みのヤマコさんがイラストディレクションとして胸キュン要素の組み込み方をアドバイスしたそうです。Honeyworks、恐るべし。

ただ、これだけ話してきましたが暁月夜はあくまで"随所からNARUTOを感じられる曲"の域を出ません。この曲は公式タイアップではありませんし、現に作品のキャラソン、あるいは特定のエピソードのテーマソングとして捉えるには相当強引な解釈をしないといけません。現時点では小説化などもしていないので、あるいはオリジナルストーリーとして、あるいはNARUTOのifストーリーや独自解釈として、自由な想像の余地が残されているともいえます。

ってここまで書いてから、過去にインタビュー記事でハニワのGomさんやshitoさんがこの曲のイメージについて明言されていたのを見つけました。

どうやらNARUTOの世界観、特にヒナタの心境をイメージした部分は大きいと語られていますね。大方ハニワ側が表現しようとしてたことを正しく捉えられていたNARUTOのオタクは思わずガッツポーズでした。

終わりになりますが、最初の方にPVが物語ってくれる世界観は告白実行委員会シリーズに限らないハニワ曲の特徴だという前置きをしましたが、この楽曲は当該シリーズとまったく無関係ではないと言われています。ヒントはHoneyworksの楽曲「さよなら両片想」のPVにあるので、良ければ見に行ってみるよろしと思います。

ちなみに、暁月夜の原曲PVのコメントにネタバレが散見されたので、もしシリーズのネタバレを絶対に見たくない方はコメントはOFFになさることを推奨します。

まだ終わりません、曲の話もします。

さて、見出しの通りです。好きなポイントを掻い摘んで話すいつものやつです。箇条書きで早速進めていきます!曲の進行順とかにはなってないんでリピートしながら、あるいは探してシークしながら読んでくれよな(?)

◯シンバルロール
一番最初にボーカルと入るやつです、ざわわわわわわみたいな(伝われ)。シンバルロールという用語が正しいのかは自信がないので、もし正しいことわかる方がいたら僕に語彙を与えていただければと思います。ちなみに同じようなロール?の音が落ちサビにも登場してます。好きです。

グロッケンシュピール
いきなりなんぞやという話なんですが、グロッケンシュピールというのは鉄琴の一種だそうです。オフボを聴いていただいたらわかると思うんですけど、ピアノとギター以外にすごく透明感のある綺麗な音が鳴っていて、それがグロッケンシュピール(感)の(ある)音らしいです。

この音好き^〜ってなったとき普段は無い語彙力をかき集めてなんとかするんですが、今回はちょうど先ほど紹介したインタビュー記事にグロッケンシュピールという単語が出てきたので調べてみたら、あ、これじゃん!!ってなりました(笑)

◯リンちゃん(ボカロ版)
鏡音リンが大好きです。が今回はそうじゃなくて、この曲のボーカルとしてのリンちゃん。

GEN下げてロリ声にしてんな〜って感じの歌声が好きです。少し舌ったらずな印象は残るんですけど、そこもいい。この曲の調声氏はおればなな氏なんですけど「インビジブル」とか、ギガPアレンジの「えれくとりっく・えんじぇう」のボーカルも好きなので、氏の調声したリンちゃんはもうそれ自体が性癖なんだろうなと時折感じます。

◯ベース
めっちゃスラップ決めてるソロパートがあるわけでもないのに、意識せずとも耳に入ってきて、かつしっかり印象に残るベースってなかなかないんですけど、この曲のは残るんですよね。イントロやCメロの静かなところで特に存在感を放ってきます。

Bメロのシンセ的なやつ
いよいよ表現が雑です。1番でいうところの「勝手に呼んじゃうよ」の裏で鳴ってるやつです。2番でも鳴ってますが、そのままギターに繋がっていくような演出がされててめっちゃいいです。もしエフェクター通したギターの音だったらめっちゃ恥ずかしいけどたぶん違います。

メリハリのある曲展開
構成に合わせてあざといくらいに表情付けがされています。オフボを聴くとあざとさが顕著で、たとえばサビのアウフタクトの部分とかラスサビの「君が大好きだ」のところはボーカル以外はピタッと止んでます。これがいいんだ。めっちゃ好きです。

×△○◇(SHY)
ってウィスパーボイスで言うところが2番のBメロにあるんです。そこが好きです。発音としては"エスエイチワイ"って言ってるんですけど、歌詞の意味的にはそのまんま英単語のshyで通ります。

ちなみにSHYの横に書いた記号の羅列は公式の歌詞の記載で、SHYだということはPVの表記および実際の発音から分かっています(結構はっきり囁いてます)。ちなみにちなみに、初音ミクwikiには両方並べて記載されてます。

時計の針の音
秒針の刻む音がめっちゃ好きで、厳密にはBPM違うから秒針ではないんですけど!この曲だとCメロで使われてますね。この曲以外だと164さんの「嫌われ者の詩」の最初の部分とか、ワカバさんの「SYNC&SING」の最初のAメロのところとか、時間の経過を想起させるのがエモすぎませんか?この音がエモエモな感じに活きてる曲はそれだけで好きになってしまうといっても過言ではありません。

サビメロを派生させたギターソロ
おもむろにピロピロ早弾きする技巧的なギターソロはそれはそれで巧みだすごいかっこいい……ってなるんですけど、それ以上に歌メロを活かしたギターソロはめちゃんこ好きです。曲のキャッチーさに拍車がかかりますよね。ハニワのメロは割とポップだと思っているので、なおのことソロフレーズに歌メロが映えますね。

総括!!!!!!!!!

今回見出しうるさいですね。とにかく、Honeyworksの音楽やPVと、リンちゃんやさなぷり(や花たん)の歌声と、そして青春の一欠片と言っても差し支えないNARUTOという作品が大好きだという話でした!!しまいFaceTime!!

は、NARUTOに登場する犯罪組織の名前である。話すと長くなるので、興味があればWikipediaなどのネット百科を参照していただければと思います。NARUTOはいいぞ

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