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旭川までラーメンを食べに行ったらたまたま合唱コンクールをやっていたので一通り聴いた話。

↑半分冗談です。

去る2023/10/01(日)、旭川市民文化会館で第74回北海道合唱コンクールの大学職場一般部門が開催されました。レッスンをしている生徒やヴォイストレーニングに行かせていただいた合唱団、そしてたくさんの音楽仲間たちが出演するとあって、その日はオフだったこともあり朝から聴きに行ってきました。旭川ぐらいなら札幌から2時間程度ですから日帰りでなんとか行けますね。来年は函館…かぁ。ま、状況次第ですかね。

始めに

さて、当記事のメインコンテンツとして全団体の演奏にコメントをしていく、ということをこれからやっていくわけですが、個人的に付き合いがあり私のことをご存知の方は不安に思われるかもしれません。なにせ私はお世辞というのが苦手で
「どうでしたか?」
「あー全然よくなかったね」
というような会話も日常茶飯事です(それを知ってなお感想を聴きに来てくれる人たちには理解していただけていることに感謝しています)。今回も思ったことをそのまま書こうと思っていますので、念のためですが私のスタンスを明記しておきたいと思います。

私は「不特定多数の触れることができる場所に出てきた時点で批評されることは承知しているもの」と考えています。これから書かせていただくことは決して耳当たりのいい内容ばかりではない(それどころか耳が痛い内容の方が多いまである)でしょうが決して誹謗や中傷を目的としたものではありません。あくまでもパフォーマンスに対する「私個人の」感想であります。これを書くことは自由であり、またそれに対してどなたかが何かを言うことも自由です。むしろ大いに取り上げて建設的な発信をしていただけたら嬉しいです。
批評は成長の糧です。オペラの現場で私を育ててくださった方が「ダメ出しをもらえなくなったら終わりだ」とよく仰っていました。稽古で何も言われないのはそれで良いからではなく言っても無駄、見捨てられたのと同じだということです。
演奏機会があった後に良い感想を言いに来てくれる方はとてもありがたいです。が、悪い感想を言いに来てくれる方はほとんどいません。ただ黙って去っていき、二度と聴きに来ることはないでしょう。
人にどう思われようとかまわない、自分が歌って楽しめればそれでいいという考えもありますし、それはそれで正しいと思います。そういう方はこの記事を読むべきではないと思いますのでそのままブラウザをお閉じください。

前置きが長くなってしまいました。ともかく、この記事を読んだ方に何か得るものがあれば、と思っていますのでどうぞ最後までお付き合いください。


室内合唱の部(8団体)

室内合唱とは何なのだろうか。規定には「出演人数が6名以上24名以下で編成する合唱団」とある。人数だけの区分なのか?会場は大ホールだが室内とは…。同声、混声合唱の部は8名から出られるので8~24人の合唱団はどっちに出るかというのをどう決めているのだろう。

1、Stella Polaris(女声9名 F2 銅)
SALMO 150 / Ernani Aguiar
LAUDATE DOMINUM / Rihards Dubra
・個々の発声、発音にブレが大きくまとまりに欠ける印象。外国語に適した母音の作り方を揃えるところが第一歩か。音楽を表現するところに至っていない。

この団体に限らずだが、アカペラで少人数アンサンブルをするというのは良い発声や技術がないと成立しないのだなということを再確認した。チームスポーツなどで「最も弱い環の原則」ということが言われるが、少人数アンサンブルにおける発声の技術もそれに当てはまる。そういう意味では少人数アンサンブルというのは非常にハードルが高い。大人数であれば多少の技術の拙さは補い合いまとめ合いながらなんとかやりくりできるように思う。
ちょっと話が逸れるが高校生で合唱を始めたころ、コンクールの講評などをもらうたびにみな口を揃えて「声楽家の審査員って声のことしか言わねぇよな」と文句を言っていたものである。自分が声楽家になってみると気持ちがよくわかるもので、歌というのは声なしには表現たりえないのである。

2、弥生奏幻舎"R"(混声18名 G4 銀)
Jubilate! / Chris O'Hara
Ave Verum Corpus / Stephanie Martin
TA NA SOLBICI / Samo Vovk
・私が高校生の頃にはもう活動していた息の長い合唱団。現代外国曲をパフォーミングに演奏することが多いイメージで自由曲の3曲目なんかはいかにもという感じであった。ただハンドクラップや足踏みが始まったとたん声質が変わってしまうのは本末転倒では。課題曲の日本語は全体的に母音が平べったく言葉が聞き取れなかった。

3、アルスハイデンス(男声12名 M4 金3位)
男声合唱のための「どちりなきりしたん」/千原英喜 から

Ⅴ エピローグ:アヴェ・ヴェルム・コルプス
・課題曲は小さくまとまった印象。音域の問題もあるが特にBass系は自由曲を歌ったような発声で課題曲を歌えればかなり充実したのではないか。Tenorは概ね安定していたが混ざりが悪く尖った音になってしまう部分が何ヶ所か目立ってしまっていた。やろうとしている音楽に達するのにもう一声()というところであった。

男声合唱は「ハモる」のである。「ハモる許容範囲が広い」とも言えるか。周波数が低いので倍音が多いのだから当然といえばそうなのだが。少人数アンサンブルではその利点は小さくないだろう。

4、札幌チェンバークワイア(混声18人 G2 金2位)
Ametsetan / Javier Busto
・室内合唱の部の中で発声が一番まとまっていた。アルスが伸びのある直球ならここは放物線を描いてコーナーに決まるカーブといったところか。その声がしなやかな音楽表現を可能としており満足度が高かった。惜しいのは曲の緩急に合わせて声も緩んでしまっていたところか。代表はここかなと思った。

5、Chœur Jeunesse(混声22名 G4 銀)
無伴奏混声合唱曲集「季節が僕を連れ去ったあとに」/信長貴富 から
5.夕焼け
混声合唱曲集「女性詩人による三つの譚歌」/信長貴富 から
天空歌
・なんといってもG4の作曲者でありピアノを演奏した田畠佑一氏が圧巻で、弾き振りかのように音楽を牽引していた。正直に言えば自由曲一曲目のアカペラ作品は蛇足であったように思う。彼のピアノの有無であそこまで推進力が変わってしまうというのが露呈してしまっていた。

6、VOCiS ANiMAES(女声16名 F3 銀)
女声合唱のための「うた・ねがい・星めぐりの歌」/林光 から
ねがい
・もし仮に室内合唱部門の審査が「室内合唱らしさ」を判断基準に置くならばこの団体が一位であったように思う。発声技術の拙さはあるもののまとまりは失われておらず、一人ひとりが向いている方向が近いのだろうと感じた。自由曲の選曲も良く、団の特色をよく引き出しているものだった。

7、ウィスティリア アンサンブル(女声13名 F2 金1位)
Medicamina sempiterna/Petr Eben から
1. De facie formosa
3. De vrinibus
4. De pulchritudine sempiterna
・うーん一位かぁ?と思ってしまった。思ってしまったのだから仕方ない、正直に書くことにする。まあ音楽の評価なんて最終的には好みだから(台無し)。音の立ち上がりが遅いのか、なにかそこに留まっているように感じさせられた。

8、レ・ヴィオレッテ(女声8名 F4 銅)
無伴奏女声合唱のための「3つのessais」/松本望 から
3. 夕ぐれの時はよい時
・1団体目とほぼほぼ同じようなことが言える。ここはどちらも日本語曲だったが母国語だからといって苦労なく歌えるわけではなく、むしろ慣れているからこそ陥りやすいところもある。

やっと1部門終わったよ。。。最初ですます調で書いてたけどもう無理なんでやーめたやめた。合間は話し言葉で行きます。ここで切って続きを別記事にするか迷ってますが……やっぱ前置きが長すぎたんだって。いやでもあれ書かなかったら炎上してる可能性あるし…(それはそれで美味しいけども)。

うん、当日もここで休憩だったしいったん切ります。ちなみに上の方に目次を挿入してたんですけど


↑こんなんになっちゃったので消しました。次は残り三部門は一記事にまとめる予定なんで目次もちゃんと付けます。明日中くらいには上げたい。鉄は熱いうちに打て。もうだいぶ冷めてきてるような気もしますがまだなんとかいけるでしょう。

ちなみに当日、ここのお昼休憩で今回の主目的(?)であるラーメン屋へ。向かったのは友人におすすめされた「らーめんや 天金」さん。由緒正しい旭川醤油ラーメンという感じで大変美味しゅうございました。見出し画像にしてありますので改めてご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。また次の記事をお楽しみに。

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