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弦をテイスティングして見えた世界(気付き編)


前の記事で、私の弦の使用歴を書きました。

今回は、テイスティングを通じて気付いたことを書いていきたいと思います。

・音の好みが洗練される
弦を色々試すうちに自分の好みもわかってきます。もちろん音色にある程度こだわりを持っていることが前提となりますが。
弦の個性もそれぞれなので、テイスティングを重ねるうちに音色や音量、様々な要素に対して「好き・嫌い」やこだわりの強さがはっきりしています。
100%好みに合致している弦を見つけるのは極めて困難ですから、「気になるポイントはあるけど許容できる」というように自身の求める音の要素を細分化しながらそれらの優先度を付けられるようになります。

・技術向上のモチベーションになる
私はオブリガートやシノクサを使っている頃に「どう弾いたらクリアな発音ができるか」の試行錯誤をしました。具体的には、音程を気にしつつ弦を押さえる左手の指の位置、指の圧力を調整しながら「よりクリアな音」が出るポイントを探っていました。レッスンに通わず演奏活動を続ける上で、「より良い音」を求めての試行錯誤はとても良いモチベーションとなりました。

・限界を知る
「弦を変える→個性を把握→より好みの音が鳴るように試行錯誤→次の変化を求めて弦を変える→…」というサイクルを繰り返すと、「好みの弦」はほぼ固定され、あとはその弦で試行錯誤を繰り返すことになります。
私はオブリガートを使って試行錯誤を繰り返した結果、「今の技術でこの楽器で出せる音はこれが限界」と悟りました。

ということで、弦を変えることでその時々の気付きがあり、最終的にはより自分の望む音を手に入れるために楽器を買い換えるに至りました。楽器のレベルが上ったことでそれまで「頑張らないと鳴らせなかった音」が余裕で鳴らせるようになりましたが、前の楽器で試行錯誤する中で得られたノウハウは今も少なからず生きていると思います。
ただし、気を抜くと良くないクセが出てくると思うので都度「その弾き方はベストか?」を自分自身に問いかけて気を引き締めたいと思います。

「弦のテイスティング」シリーズは以上です。お読みいただきありがとうございました。
「何か」を変えるきっかけとして、弦のテイスティングは良い動機づけにかもしれません。

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