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第963回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」台湾、ベトナムの学生に無料の半導体研修を提供

本日の記事:
「Taiwan offers free semiconductor training to Vietnamese students」
原題:
" 台湾、ベトナムの学生に無料の半導体研修を提供 "

記事リンク:https://tuoitrenews.vn/news/education/20240323/taiwan-offers-free-semiconductor-training-to-vietnamese-students/78948.html


(写真:台湾の半導体工場で働くワーカーの様子)


【本日のポイント】

(1)台湾教育省はベトナム、インドネシア、フィリピンの学生に向け、半導体を含む特定産業の特別研修プログラム(INTENSEプログラム)を開始しました。
このプログラムは、台湾での留学とその後の就職を目的としています。

(2)対象者は、海外の大学で2年次または3年次を修了した留学生、短大卒、学士号取得者で、無料の中国語コースが提供され、事前にA2レベルの中国語能力を必要とします。
台湾政府は授業料と管理費を負担し、企業は生徒に約20万円の生活費を提供します。

(3)研修終了後、留学生は最低2年間参加企業で働き、その後のキャリアパスは自由に選択できます。初年度は6,000人の学生を募集し、台湾の大学代表者が面接を行います。
台湾教育部は学生募集を支援するため、3カ国に海外コンサルティングオフィス設立の補助金を提供しています。

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

うーん、、、なんか、ちょっとややこしくて、よくわからないですが、要するに、、、、

まず対象はベトナム、フィリピン、インドネシアの3カ国です、と。

それぞれの現地の短大や大学の2、3年次を修了した学生は、現地で台湾政府の設置した語学学校で無料の中国語研修が受けられますよ、と。

で、中国語レベルが一定になると、おそらく、常識的にはそこでもう一回くらい選抜試験があって、選ばれた人は台湾へ来ることになる、と。

そこで、台湾において半導体製造企業などで2年間の技術的な研修、と言っても、おそらく、ほぼ労働力として働くのでしょうが、まぁ、一応、研修が各企業で始まる、ということだと思います。

ここだけ聞くと、なんか、日本の技能実習っぽいですが、ここでの違いは給与について台湾政府が「約20万円」の月給を各企業に保証させている、と言うところでしょうか。

現在、日本と台湾の一人当たりGDPはほぼ同じですので、20万円の価値も同程度でしょう。

要するに、大学新卒程度の給与が研修中でも保障されるという事で、これはベトナムの大卒にとってはかなりの魅力でしょう。

さらに技能実習と違うのは、2年間の台湾での研修(という名のほぼ労働とは思いますが)が終わった後、そのまま台湾で働くか、ベトナムに戻るか、を選択できる点です。

現在、台湾の半導体企業はベトナムに続々と進出しているので、台湾で2年間の実務をこなしている人材が採用される、それも幹部候補生として採用される可能性はかなり高いと思われます。

詳細はまだ不明ですが、少なくとも、日本がまだ特定技能制度などでのワーカー人材の取り込みに必死の中、台湾は大卒生などエリート層を自国の先端産業に取り込む動きを官民一体になって進めていこうという強い意志があることがわかります。

この一因には台湾は日本以上の少子化で、一説には「世界一の少子化」が進んでおり、もう、自国の人間だけでは国内産業が立ちいかないと決断せざるを得ない状況になっていることもあるのかな、と思います。

(参考記事)
台湾、出生率世界最低の予測 少子化深刻

(記事より)
”CIAの予測では、台湾の今年の合計特殊出生率は1・07で、韓国の1・09とシンガポールの1・15を下回り、227カ国・地域の中で最も低かった。
日本は1・38で218位、世界で最も高いのはナイジェリアの6・91だった。
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ベトナムでは、今、多くの企業が進出し、エンジニアやワーカー人材の獲得競争が激しくなってきていますが、台湾は官民一体でベトナムを含む東南アジアでの人材獲得に動いており、日本企業はこの状況に対応せねばならない、ということがわかります。


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【記事の日本語訳】
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台湾、ベトナムの学生に無料の半導体研修を提供

ホーチミン市にある台北駐日経済文化代表処(TECO)によると、ベトナムの学生は台湾教育省(MOE)が開始した半導体やその他の産業を対象とした特別研修プログラムの恩恵を受けることができる。

国際産業人材教育特別プログラム(INTENSEプログラム)は、台湾に留学し、卒業後に就職する人材を対象としたもので、MOEが最近発表した、とTECOのHan Kuo Yao総局長はTuoi Tre(青年)紙に語った。

半導体、STEM、金融の分野に焦点を当てたこのプログラムは、2024年からベトナム、インドネシア、フィリピンの学生をまず対象とすると、TECOはウェブサイトで述べている。

対象となるのは、海外の大学で2年次または3年次を修了した留学生、短大卒業者、学士号取得者である。

海外事務所では無料の中国語コースが提供され、学生は研修コースに入学する前にA2レベルの中国語能力(TOCFL A2)に合格する必要がある。

台湾政府は2年間の研修期間中の授業料とその他の管理費を負担し、参加企業は各生徒に毎月10,000台湾ドル(1,380米ドル)の生活費を支給する。

研修終了後、留学生は最低2年間は参加企業で働き、その後台湾で働き続けるかベトナムに戻るかを選択できる、とハン氏は述べた。

初年度は、秋(9月)と春(2月)の2回、ベトナム、インドネシ ア、フィリピンから6,000人の学生を募集する予定である。

台湾の大学の代表者が、3カ国の学生候補と直接面接する。

このプログラムの学生募集を促進するため、台湾教育部は3つの大学に対し、これらの国に海外コンサルティングオフィスを設立するよう補助金を出している。

これらのオフィスは、事務や面接会場のサポートを提供し、学生のための相談サービスを提供し、将来、潜在的な学生のための北京語トレーニングコースの会場となる。

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以上 豊田英司
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