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 第943回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」アフリカ人留学生、映画出演をきっかけにベトナムで有名になる

本日の記事:
「アフリカ人留学生、映画出演をきっかけにベトナムで有名になる」
原題:
" African student becomes well known in Vietnam after movie role "

記事リンク:https://tuoitrenews.vn/news/ttnewsstyle/20240221/african-student-becomes-well-known-in-vietnam-after-movie-role/78387.html


(写真:映画「ダオ、フォー、ピアノ」でフランス兵役を演じるオライデン・マヌエル・サボネテ(右))


【本日のポイント】

(1)ベトナムのヒット映画『ダオ、フォー、ピアノ』にフランス兵役で出演した、モザンビークからハノイ工科大学に留学している生徒オライデン・マヌエル・サボネテさんは映画のプレミア上映とソーシャルメディアの拡散を通じてベトナムで広く知られるようになった。

(2)サボネテさんはベトナム政府の奨学生として来越し、ハノイ工科大学で電気工学を専攻。ベトナム語学習や文化適応に努め、学業で優秀な成績を収める一方で、ベトナムとモザンビークの経済関係に関する研究で大学のコンテストに勝利し、ベトナム共産党のイデオロギー基盤を守るコンテストでも高い評価を受けるなど、模範的な生徒として称賛されている。

(3)映画『ダオ、フォー、ピアノ』はハノイ防衛のための60日間の戦闘を描いた作品で、サボネテさんの出演と彼の学業及び社会活動の成功は、ベトナムの文化や教育における国際交流の良い例として注目される。

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

ベトナムで公開されている映画にアフリカからベトナムのトップレベルの大学に留学している学生が出演し、話題になっている、という記事です。

このサボネテさん、モザンビークでも一流大学でエンジニアリングを学んでいたそうですが、からベトナムへ留学した理由が、中学2年生のときに受けた世界史の授業だそうで、そこでベトナムは屈強で友好的な国民性を持つ国だと印象に残ったそうです。

おそらく、フランスやアメリカとの戦争のことなどを学んだんですかね。

実はモザンビークって、近現代ではベトナムと似た歴史を持っていて、16世紀から数百年、ポルトガルの植民地だったんですが、1964年からマルクス主義を掲げ、ソ連と中華人民共和国の援助を受けて独立戦争を起こし、10年後の1975年にモザンビーク人民共和国として独立を果たしました。

ちょうど、ベトナムがアメリカと戦い南北統一を果たした時期と一致しています。そして、1980年代に入って社会主義経済が疲弊し、東欧革命やソ連崩壊により、それが決定的になったことで1989年、政府が社会主義体制の放棄を決定し、翌1990年に複数政党制と自由市場経済を規定した新憲法を制定した、という流れもベトナムと同様の流れとなっています。

学校でのサボネテさん(中央)

ちなみにタイトルの“Dao, Pho & Piano”は別の記事を調べたところ、「桃、フォー、ピアノ」の意味でだそうです。

映画になっているフランスとの戦闘が1946年冬のテト(旧正月)の直前の時期にハノイの旧市街で行われ、この時期は桃の花が必需品となる時期であり、さらに映画の中でハノイでフォーを売る夫婦が死の恐怖に怯えながらも、最後のフォーの籠を戦場まで運ぼうとするシーンがあり、さらに「ピアノ」はかつて、フランスとベトナムの文化が混じり、昼下がりにはピアノの音が街に流れていたはのいを表しているそうです。

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(記事の日本語訳)
オライデン・マヌエル・サボネテ(右)、映画「ダオ、フォー、ピアノ」でフランス兵役を演じる

アフリカ人留学生、映画出演をきっかけにベトナムで有名になる

ハノイ工科大学に通う24歳のモザンビーク人3年生、オライデン・マヌエル・サボネテは、ベトナム映画『ダオ、フォー、ピアノ』に出演した後、ソーシャルメディア上でも大学内でも有名になった。

2月8日から14日までの旧正月(テト)の連休中にハノイのナショナル・シネマ・センターでプレミア上映されたこの大ヒット映画で、彼はフランス軍兵士を演じた。

映画は水曜日から18のベータ・メディアの映画館で公開された、と地元メディアは報じている。

文化・スポーツ・観光省によると、できるだけ早く全国のスクリーンで上映される予定だという。

サボネテは、ベトナム政府の奨学生として東南アジアの国に到着した後、先生や友人たちからベトナム語で『ドゥック』と呼ばれていたと語った。

「美徳」を意味するドゥックは、美しく意味のある名前だ。

サボネテは火曜日の午後、トゥオイチェー(青年)紙の取材に対し、映画『ダオ、フォー、ピアノ』での彼の役柄を捉えた写真が予想外に拡散したことに驚きを示した。

「多くの見知らぬ人たちが(ソーシャルメディアで)僕を友達として追加してくれたし、僕の友人たちはこの映画での僕の演技を祝福するためにメールや電話をくれた。

「映画のチケットを予約できなかったことを後悔している人もいた。

「ベトナムの人たちから注目され、愛されていることをとても嬉しく思う。

「アフリカ人であり、モザンビーク人であり、ベトナムの歴史を扱った映画に出演できたことを誇りに思う。

サボネテは、2022年と2023年にクルーと5日間撮影をしたことを思い出した。
映画の成功は、監督、俳優、プロデューサー、スタッフの決意と献身、そして彼らの緊密な協力関係のおかげだと彼は語った。

ベトナムへの留学を決めたのは、中学2年生のときに受けた歴史の授業に影響されたからだと説明した。

世界史の授業は彼の印象に残り、特にベトナムは屈強で友好的な国民性を持つ国だと強調した。

19歳の時、サボネテはベトナム政府からの奨学金を得るため、モザンビーク有数の工学・自然科学大学であるルリオ大学でのコンピューター工学の勉強をやめる決心をした。

「ベトナムに留学することを決めたとき、親戚や友人たちはベトナムで戦争が起きていると思い、反対した。

「しかし、私は彼らに戦争は終わり、過去のことだと説明した。ベトナムはもう安全なんだ

ベトナムに到着したアフリカ人留学生は、北部のタイグエン省にあるタイグエン教育大学のベトナム語コースに入学し、1年間の課程を修了した。

スピーキングテストで10点満点を取ったサボネテは、ハノイ工科大学で電気工学を専攻することを選んだ。

この専攻に関する知識が、モザンビークのエネルギー産業の発展に貢献できると信じているからだ。

新しいベトナム語の単語や用語に困ったときは、サボネテはいつも先生や友人に助けを求める。

彼はクラスメートに追いつくために、1日に3、4時間かけて独学している。

「ハノイ工科大学での勉強は難しい。挫けそうになると、いつも父に電話して勉強のことを話すんだ。

「あきらめようとするたびに、フェイスブックで母国の友人たちが私を賞賛し、模範的存在だと考えているのを見た。

「そうして、私は再び大学で学ぶ決意を固めた」。

言語に関するあらゆる障害を乗り越え、彼はマルクス・レーニン主義政治経済学など、多くのベトナム人学生にとっても難しい科目で最高得点を獲得した。

2年生の時、サボネテは友人たちとベトナムとモザンビークの経済関係に関する科学的研究を行い、大学のコンテストに出場し、最優秀賞を獲得した。

2023年、サボネテは講師のグエン・ティ・フオン・ズンとともに、ベトナム共産党のイデオロギー基盤を守るためのコンテストに参加するために2つの作品を制作し、雑誌部門で1位、ビデオ部門で2位を獲得した。

彼は昨年10月、ラオス人とカンボジア人の友人2人と一緒にベトナム語スピーキングコンテストに参加し、奨励賞を受賞した。
Dao, Pho and Piano」はベトナムの国費によって製作された映画のひとつである。

フィー・ティエン・ソン監督によるこの映画は、1946年末から1947年初めにかけてのハノイ防衛のための60日間に及ぶ夜を徹しての戦いにインスパイアされたものである。


以上 豊田英司
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